2020年8月12日水曜日

書評:気配りが9割

 昨日、父親から「お前こそ読め」と言われて、Kindleで購入し読みました。

どこぞで聞いたことがあるフレーズ「〜が9割」ですが、まぁ、たしかに自分は圧倒的に「気配り」が足りないなと思ってます。本書を手に取ってといきなり目に飛び込んできたのは、「気配りは」要するに「相手が喜ぶことをすることだよ」というメッセージ。なんてわかりやすい。そりゃぁーもうそのとおりでしょとなりますが、問題は「相手が喜ぶことをしよう」という気持ちにどうしたらなれるかだと思うのです。

すると著者の引用したホリエモンの次の言葉が目にとまりました。

「大金の動く投資やビジネスで求められるのは、信用、それに尽きる。」
「お金は信用を数値化したもの。だからお金ではなく、信用を貯めるべきである。」

そう、つまり「信用を貯めること」に「気配り」が最強の武器の1つだというわけです。なるほど、これは説得力あります。このロジックのもと、本書は、「どういうことをされたら人は嬉しいか」について、特に著者自身がおつきあいしてきた人たち・・・中でも政治家について徹底言及しています。確かに、政治家はこの分野に強そうです。私の印象に残った事例をいくつか挙げておきます。

・人間にはギバー(人に惜しみなく与える人)とテイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)、マッチャー(損得のバランスを考える人)の3種類いるが、最も成功しているのは「ギバー」である
・すごいと思わせる人の1つの共通点として、彼らはどんなに忙しくても偉くてもそれを言い訳にせず、相手に尽くしている(例:一番忙しいはずなのに常に会議に5分前には着席し会議が終了するまで必ずいる、忙しいはずなのに自ら足を運んで礼を言う、など)
・とにかく実行が速い

中には、「貞観政要」の太宗の話まで出てきました。この本は私も先日読んで、心の底から関心した本なので「そうだろう、そうだろう」と思いながら読みました。

そして本書の最後には著者が惚れたという小泉進次郎氏との対談話が登場します。彼の次の言葉は印象的でした。

「どれだけ犠牲があってもこの世界で生きることを選んだのは自分なのだと思えば耐えられます。だからこそ、自分で決めるのが大切なのです。たとえうまくいかなくても、自分で選んだ道なら誰かのせいにしない。だから自分のことは自分で決めた方がいい」
「若い人に将来の夢を聞くと「有名になりたい」と答える人もいるでしょう。しかし、有名になることが目的だったら、もし有名になれたとしても身も心も持たないと思う。重要なのは何をやりたいか、です。そのやりたいことを実現させて、結果として有名になったというなら耐えられます」

要するに、「自分の意志を持ちなさい。その意志で自ら決定しなさい」・・・信念をもちなさいという話です。「あれ?気配りが、いつのまにか『信念』の話に変わっている(笑)」とおもわなくもなかったのですが、「随一の気配りができる彼」が、「自ら決めることを大事にしている」というのは1つの大事なメッセージなのでしょう。わたしもよく子どもたちに「自分で決めなさい」と言いますが、「なぜ自分で決めることが大事か?」まではうまく説明できていなかったので、彼のこの発言はこころに染み入りました。

というわけで、「気配りが9割」。「む?政治家!?」と思う人もいるかもしれませんが、学ぶべきことは確かに沢山あると思いました。「信用」をつくると人生豊かになりそうですよね。みなさんも、ご一読あれ。


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