2012年1月29日日曜日

”ツケ”という言葉

”ツケ”という言葉は上手い表現だと思う。

わたしは宇宙を含め世の中は、すべてどこかで帳尻が合うようにできているのではないかと思っている。作ったツケは必ず、どこかに返ってくると思うのだ。科学的な根拠はない。でも、1があれば0があるように、山があれば谷があるように、便利になればリスクも大きくなるように、楽してお金を稼ぐとすぐに失うように、苦労するとその分だけ成功したときに幸せに感じるように、五感の一つを失うと他の感覚が研ぎ澄まされるように・・・。

2012年1月30日号の日経ビジネスに「世界で迷走、核のゴミ」という特集があった。

2012年1月30日号の日経ビジネス(世界の迷走、核のゴミ)

「あらら・・」

フィンランド以外の国々(フランス、ドイツ、アメリカ、イギリス、ロシア、スウェーデン・・・そして日本)では放射性廃棄物の処理に困っている、とある。どう取り扱うべきか答えが出ていないのだ。

「原発は安い、安全さえ確保できればこれほど便利でクリーンなエネルギーはない」

そう言われてきた。原発によって支えられてきた発展も間違いなくあるだろう。

でも、わたしたちの気付かない世界のどこかで・・・あるいは、遠い未来で、かならずツケが返ってくるようにできているんじゃないか・・・と。今回は、そのツケの一部が人類に原発事故になってかえってきたんじゃないか、そんな気がしてならない。

「本当の意味で得をする」

ということは世の中にはないんじゃないだろうかと思ってしまう。原発であれ、火力であれ、金融投資であれ、日常生活であれ、「得をしたぜ」と思えるのは、実はその瞬間だけで、世界のどこかで、あるいは未来のどこかで、自分か他の誰かが損をして、トータルでは帳尻が合うようにできているのでは・・・。

そんなわけだから、

「いや、こっちのほうが経済的にメリットがあるんだから!」とか「いや、こっちのほうがデメリットが大きいでしょう!?」という議論を聞くと、「うーん、そういうことなのかな」と思ってしまうわけなのである。

時速170キロのピッチャー

暇つぶしにYouTube見てたら、時速106マイル(169.6キロ)のピッチャーの動画があった。レッズのA・チャップマンという選手だ。半信半疑にみたが、動画を見るとさすがに圧巻だ・・・。

しかし、170キロって・・・。日本人には、もう異次元の世界だな。




2012年1月28日土曜日

書評: 舟を編む

舟を編む
著者: 三浦しをん
発行元: 光文社


瀧井朝世さんが紹介していた本の一冊だ。

■身の回りにある何気ないもの・・・”辞書”の物語

これは身の回りに普段から当たり前のように存在しているもの・・・”辞書(じしょ)”・・・その一冊に込められた編集者の苦労や想いを長編小説として描いた本である。

主人公、馬締 光也(まじめ みつや)は、大手総合出版社の玄武書房(げんぶしょぼう)に勤めるサラリーマン。辞書については全く素人。そんな彼が一大事業を任される。新しい国語辞書の編集である。

・限られたページの中にどの言葉を入れるのか!?
・それぞれの言葉どこまで詳しく説明するのか!?
・どうやって読み手にわかりやすく伝えるのか!?
・50人以上からくる原稿をどうやってとりまとめるのか!?
・辞書に使う紙の材質にはどこまでこだわるのか!? などなど・・・

この本を読み終えるまでに読者は、おそらく何回も唸り声を出すことだろう。

■当たり前の言葉をわかりやすく説明することの難しさ

さて、ここで一つの問題を出してみたい。

みなさんは「右(みぎ)」という言葉を、その言葉の意味を知らない人に限られた文字数で、どうやって正確に伝えるだろうか?

「お箸を持つほう!」・・・左利きの人には通じるだろうか!?
「左じゃないほう!」・・・左を知らない人には通じるだろうか!?
「心臓とは反対側!」・・・心臓は実はほぼ真ん中にあるって知ってました!?

答えに興味を持たれた方は、ぜひインターネットや手持ちの辞書などで調べてみていただきたい。もちろん『舟を編む』は、こうした苦労の一端を面白おかしく語ってくれる。

■それぞれの辞書が持つ強い個性

さて、ここでもう一つの問題を出してみたい。

みなさんは「恋愛(れんあい)」という言葉を、その言葉の意味を知らない人に限られた文字数で、どうやって正確に伝えるだろうか?






・・・






試しに、いまインターネットで検索してみたのだが、代表的な辞書では「恋愛(れんあい)」について、以下のような説明がされているようである。

  • 大辞泉(小学館)
    特定の異性に特別の愛情を感じて恋い慕うこと。 また、男女が互いにそのような感情をもつこと。「熱烈に―する」「社内―」
  • 大辞林(三省堂)
    男女が恋い慕うこと。また,その感情。ラブ
  • デイリーコンサイス国語辞典(三省堂)
    互いに愛情を感じ恋い慕うこと
  • 新明解国語辞典(三省堂)
    れんあい [恋愛]―する 特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔いないと思い込むような愛情をいだき、 常に相手のことを思っては、二人だけでいたい二人だけの世界を分かち合いたいと願い、 それが叶えられたといっては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。

恋愛(れんあい)という言葉1つとってみても、辞書によって様々な個性が見てとれる。「舟を編む」を読めば、こうした辞書の個性についても知ることができる。

ちなみに、話はそれるが、いまどきの時代、恋愛(れんあい)を説明するのに「異性」や「男女」というキーワードを使うことには違和感を覚えるが、みなさんはどうだろうか(上記の例では、デイリーコンサイス以外は全て「異性」や「男女」という言葉を使っている)。

■”当たり前”に”新しい発見”をすることが好きな人に・・・

本は全260ページからなるが、集中して読めるなら1日あれば足りるほどの読みやすさだ。ただし、個人的には読みやすかった反面(おそらくは辞書の奥深さを読者に伝えることにフォーカスしていたがためのだろうが)小説のストーリーに多少なりとも平易さを感じたのは残念だった。この点に関しては、分野が全く異なるが先日読んだThe Goal(ザ・ゴール)の素晴らしさが思い起こされる(あの本は、教科書・ビジネス書でありながら、小説としても一流だった)。

ただ間違いなく言えることは、この本を読むことで辞書を今までと異なった観点で楽しめるようになることだろう。”当たり前”に”新しい発見”をすることが好きな人には、うってつけの本だ。少なくとも先に挙げた質問の答えに興味を持った人なら楽しめるだろう。

さて、先日、『世界一のトイレ ウォシュレット開発秘話』を読んだ後、やたらとトイレに目が行くようになったが、今度はしばらく辞書にばかり目がいくことになりそうだ・・・



【関連リンク】
書評: 世界一のトイレ ウォシュレット開発秘話
書評: The Goal(ザ・ゴール)
書評: 神去なあなあ日常(三浦しをん)

2012年1月26日木曜日

逆転の発想と橋下市長に日本の未来を見る

プレジデント2月13日号を読んだ。

2つの記事が特に目に止まった。

■逆転の発想がここにも!?

「なぜ日本HPは中国から東京に工場を移したか? (by 山田清機氏)

タイトルの通り日本HPはパソコンの工場を日本に移し、2011年8月から生産を開始した。「どう考えてもコストで勝てないハズなのになぜ?」とみんな疑問に思う。気合い!?・・・いや、納期、在庫、輸送・・・もろもろを考慮に入れると実は、日本で生産したほうが大きなメリットがあるという合理的な結論だ。事実、それで同社は業績を上げた。国内空洞化が叫ばれる今日、みんなと逆のことをやって成功した例だ。

先日1月14日のわたしのブログでドワンゴ会長の川上量生氏や、評論家楠木新氏の「逆転の発想が面白いっ!」と書いたが、逆転の発想がここにも!?・・・と思った次第・・・。

ところで聞けば、この日本HPの仕掛け人、岡隆史副社長が本社に「ウン」と言わせたのは2011年3月だという。そして8月に生産開始。東日本大震災にも負けず、6年かけて本社を説得し実現にこぎつけた胆力にも脱帽である。

発想力とブレない実行力・・・見習いたい。

■橋下市長と大前研一氏の対談にワクワク

この号で一番、興味を引いたのがこの「橋下市長と大前研一氏の対談記事」。溢れんばかりに出てくる橋下市長のやりたいこと、大前研一氏のやりたいこと。・・・これだよ、これ・・・。こうでなくちゃ。

同じ号の別記事の中で、サイバーエージェント社長藤田氏が「自分のアイデアに熱狂している人は目つきが違う。目つきが違う人は信じていい。」と語っていたが、橋下市長を見て面白いっ!と思うのは目つきが違うからだろう。

あの大前研一氏をも惹きつける橋下市長の磁力。もちろん、一方的に好きになって「悪いところに目はつぶる」になってはダメだが、少なくとも今、言っていることをまずやってみる、やりとげる・・・その部分を強く応援したい。

プレジデント2012年2月13日号

2012年1月23日月曜日

頭と心と体

2011年12月22日に放映されたカンブリア宮殿に出演されていたあのTSUTAYAで有名なカルチュアコンビニエンスクラブの代表取締役社長兼CEO 増田宗昭(ますだむねあき)氏の言葉が心に大きく響いた。

増田氏は言う。

『僕は良く社員に言っていることがあるんです。人間には”頭”と”心”と”体”がある、と。企画の邪魔をするのはいつも”頭”。企画は”心”で創るもの。論理的に正しくても、売れない。わたしは、いつも”心”で企画するようにしています。


どういう意味かというと、人が転んだのを見て助けなきゃ、と思うのが”心”。でも、大勢の人が見てるし”恥ずかしい”から止めておこう、というのが”頭”。今の若者は、このバランスが非常に悪い。”頭”を鍛えることばかりしていて”心”が伴っていないことが多いのです。』

頭をハンマーで殴られたような気がした。

”頭”を鍛えることばかり意識している・・・それは、まさにわたしです・・・。

【関連リンク】
カルチュアコンビニエンスクラブ社のホームページ
カンブリア宮殿の番組ホームページ

2012年1月22日日曜日

カルロス・ゴーン恐るべし

今週の日経ビジネス・・・気になったのは「ウェンディーズ」と「日産」に関する記事。

「ウェンディーズ」に関しては、単に「再上陸」というニュースを知って嬉しかっただけ・・・。いつの間に再上陸したのか全然、知らなかったが、ゼンショー時代・・・ボロネーゼバーガーは秀逸だった。ぜひ、復活させて欲しい。

日産に関する驚きの記事は中国での躍進だ。日本のメーカーであるトヨタやホンダが中国市場へ進出し始めた頃、日産は立て直しに躍起だった。トヨタとホンダがHV(ハイブリッド車)を中心に戦略を立てていた頃、カルロス・ゴーン氏は、「我社はまだ様子をみる」といった姿勢を見せていた。

日本市場でのHVの躍進を見ると、「すわ、カルロス・ゴーン氏の戦略は今度は失敗なのでは」・・・という空気が流れていたのを覚えている。

今週の日経ビジネスを見ると、中国の乗用車販売シェアで、なんと日産は4位に浮上しているではないか!? 

1位: 上海GM
2位: 上海VM
3位: 一汽VW
4位: 東風日産
5位: 北京現代
6位: 一汽トヨタ
7位: 広汽ホンダ

日産を含む上位4社以外の会社は2010年から2011年にかけてシェアを落としている。

何故だろう・・・記事ではその理由について詳しくは言及していなかったが、インターネットなどでちょっと調べてみるとその理由が見えてくる。

1つは日産の選んだパートナーが良かったこと。東風汽船は内陸部の販売網が強く日産の小型車ティーダが売れているとのこと。そしてもう1つはHVを販売戦略の中心に据えなかったこと。HVは燃費の良さやエコが売りだが、それにしても値段が高すぎるようだ。いくら成長著しい中国でもまだ手がでずらい値段なのかもしれない。

とある記事によればハイブリッド車が高燃費というのは実は嘘だ、という。嘘・・・というのは言いすぎだが、実際にガソリン車と比較してみると、市街地ではそれなりの差が出る可能性があるが、日本よりも幅広く一定の速度で走ることが可能な他国では、ガソリン車と差がつかないようだ。そればかりか、ガソリン車のほうが燃費がいいという結果も出ている(レクサス15.4Km/リッター、プジョー13.0Km/リッター)

こうした記事を真正直に受け止めていいかどうかはわからないが、それにしても明らかに出だしが遅れていた日産が、日本の他の自動車メーカーよりも躍進しているのは疑いようもない事実である。

これは偶然なのか、はたまたカルロス・ゴーン恐るべし・・・というべきか・・・。

携帯同様日本のHVはガラパゴス化しつつある・・・という声も聞こえるが、どうかそうならないよう頑張って欲しい。

日経ビジネス2012年1月23日号
【関連リンク】
ウェンディーズ
日産自動車
ハイブリッドカーは日本以外で流行っていない

2012年1月21日土曜日

書評: 南極越冬隊タロジロの真実

タイトル: 南極越冬隊タロジロの真実
著者: 北村泰一
発行元: 小学館文庫
発行年月日: 2007年3月1日

過去に南極物語(映画)を観たことがある人なら「なんで今更?」と思うかもしれない。しかし、この本の発行年月日を見てもらえればわかるが、この本は比較的最近に出版されたものだ※

さて、今回はいつもと少し違ったスタイルで書評を書いてみたい。題して、「南極越冬隊タロジロの真実を読むべき3つの理由」である。


理由その1) 寒さ・暑さを吹き飛ばしてくれる!

南極は寒い。アホみたいに寒い。気温で言うと寒いところではマイナス50度にもなる。そんな寒さにまつわる話が次々と出て来る。

『つい素手で、熱いものも冷たいものも直接持ってしまう。十分気をつけていたのだが、出発して三度目から手の全指先が痛み出した。それが4日目には白くなり、5日目の今日は水泡さえ出だした。』

寒い冬に読んでいると「自分の今の寒さはたいしたことないよな」と思えてくる。暑い夏に読んでいると「うぅー、身も心も凍りつきそう」と思えてくる。心の体温調節をするには持って来いの本ではないだろうか。

理由その2)知識欲を満たしてくれる

宗谷
NHKの映像や映画なぞを見て南極についてなんとなく理解していたつもりではあったが、この本を読んで改めて全く何もわかっていなかったということに気付かされる。

たとえば砕氷船(さいひょうせん)の話。日本から南極への移動は砕氷船を使い南アフリカのケープタウン経由で行われる。こうした砕氷船・・・特別立派そうに見えるが、通常の船とは構造が全く違うのだそうだ(単に船の先端が尖っているのかなと適当に思っていたのだが)。分厚い氷にはさまれた狭い海を進んでいかなければならないため、船全体を左に右にかなりの角度まで傾けて自由自在に曲がれるような設計になっているらしい。その傾きたるや、一般的な客船では17度も揺れると料金を払い戻すと言われている中、宗谷(そうや)は平均20~30度、最大で方舷63度の横揺れになったそうだ。想像しただけで気持ち悪くなってくる。
ホワイトアウト(上下左右全てが真っ白な世界)

またたとえば、南極では冷蔵庫が必須アイテムという話。素人的には「どう考えても冷蔵庫なんていらないだろう」と思えるのだが、そうではないという事実が驚きである。

「南極にいても暑いと思うことがある」話、「犬には人間のような心がある」話、「ホワイトアウトの恐ろしさ」の話などなど・・・自分に知らなかったことが本当にワンサカ出てくる。ページをめくるたびに興奮する度合いが増すのが分かった。

理由その3)真実を知ることができる

この本の解説者も触れていたことだが、実は日本の南極観測について書かれた本はそのほとんどが作家による出版物である。つまり第三者の作家による取材の結果としての出版物であり、やや創作的な感が否めない。そんな中にあって、この本の著者は実際に南極越冬隊に参加した張本人(南極越冬隊の中では犬係を務めていたそうだ)の手によって書かれたものである。装飾などありようもない。

明らかに映画では描かれていなかった場面が数多く出てくる。たとえば先に「犬には人間のような心がある」と触れたが、心底、そう信じさせてくれるシーンも数多く出てくる。

人間であれば真実を知りたいという欲が出るのは当たり前である。この本はその一端を十分に満たしてくれる本ではないかと思う。


あっという間に読める本だ。値段も決して高くない。「映画を観たことあるし、古い話だし・・・」と一蹴せず、ぜひ読んでほしい一冊だ。


※1982年12月に教育社より刊行された『南極第一次越冬隊とカラフト犬』と『文藝春秋』2004年3月臨時増刊号特別版「犬のいる人生犬のある暮らし」より、”生きていたタロとジロ”、そして・・・<秘話>初めて明かす、リキの遺骸、十年後発見の事実”の文章をもとに、書き下ろした作品である。



===(2012年1月23日追記)===
今日のニュースに「南極観測船しらせが昭和基地接岸を断念」の記事が出ていた。普段なら見過ごすところだが、この本を読んだばかりだけに目に止まった。当然、”しらせ”は宗谷(そうや)よりも新しく、2009年に新造されたもので、厚さ1.5メートルの氷を割りながら航行できる世界でもトップクラスの砕氷船だが、そんな船を持ってしても昭和基地にたどりつけない、という事実が驚きだった。何十年も前に南極で宗谷(そうや)が受けた苦労がどれだけ大変なものだったか、思い知れる・・・。

2012年1月19日木曜日

もっともっとディベート番組を増やそう!

2012年1月15日の報道ステーションSUNDAY・・・大阪の橋下市長と山口教授とのやりとり(ディベート?・・・一方的だったが・・・)が非常に面白くついつい夜更かししてしまった。

理路整然に大阪都構想を説明する橋下市長を、これまで以上に応援したくなった。

それにも増して、今回の報道ステーションのようにどんどん積極的に言葉で殴りあう番組(できれば一方的じゃないほうがいいけど;今回のような状況であれば、あまりにも山口教授が頼りないのでもう一人くらい山口教授側の人間を立てておかないとバランスがとれないかもしれないけど・・・)を見せて欲しい。


20120115 報道ステーションSUNDAY 橋下市長が生出演 part1 投稿者 kigurumiutyuujin



20120115 報道ステーションSUNDAY 橋下市長が生出演 part2 投稿者 kigurumiutyuujin



20120115 報道ステーションSUNDAY 橋下市長が生出演 part3 投稿者 kigurumiutyuujin



20120115 報道ステーションSUNDAY 橋下市長が生出演 part4 投稿者 kigurumiutyuujin



20120115 報道ステーションSUNDAY 橋下市長が生出演 part5 投稿者 kigurumiutyuujin



20120115 報道ステーションSUNDAY 橋下市長が生出演 part6 投稿者 kigurumiutyuujin


【ディベートに関するわたしの過去の関連ブログ】
 ・ディベートがもたらすもの(過去ブログ)
 ・書評: ユニクロ帝国の光と影(過去ブログ)
 ・書評:40歳の教科書 ~親が子供のためにできること~(過去ブログ)


2012年1月18日水曜日

脳力とIQの正しい鍛え方

思わずニューズウィークの今週号(1月25日号)の表紙を見て、手が伸びてしまった。

「脳力とIQの正しい鍛え方」

久々にこの雑誌を読んだが、なんか色々なことがすんなり頭に入って来にくい雑誌だな・・・と改めて思った。元の言語が英語だかからなのか・・・。まぁ、それはともかく、「ほほぉー」と思ったものは、Googleの今後についてと表紙にあった能力とIQの正しい鍛え方に関する記事。

■Google vs Facebook

Googleについてでは、Google vs Facebookについて言及している。Googleは必勝街道まっしぐら・・・という感じだが、彼らに対しての脅威を挙げるとすれば”ネット私有地”の増殖だと記事は指摘する。Facebookは現在会員数8億人。この人達が書きこむFacebookには膨大な情報が蓄積されているが、Googleはそこにアクセスを許されていない。今後、Facebookが更に勢いを加速させ、あるいは、第二・第三のFacebook(ツイッターもその類だが)・・・ネット私有地が出てくると、Googleにとっては厳しい戦いを強いられることになる・・・というわけだ。

そうならないようにGoogleは日々、買収を繰り返したり新しいサービスを次々に打ち出しているのだが・・・。いずれにしても、”ネット私有地”・・・なかなか、的を得た言葉である。

■脳力とIQの正しい鍛え方

もう1つの脳力とIQの正しい鍛え方。脳力を鍛えられる可能性が高いとされる31の脳トレ術が掲載されている。まぁ、部分的には参考になるものもあったが、「本当に科学的に検証されてるの?」みたいなものも多数あった。たとえば「チョコを食べて記憶力アップ」とか「アルジャジーラでニュースを見よう」・・・などなど。なんか、実践はできるが、納得感がでない・・・。

今週のニューズウィーク・・・そんな感じ。

2012年1月16日月曜日

高圧洗浄機の威力

2011年10月11日の放映された”ガイアの夜明け”でケルヒャー(KARCHER)社の高圧洗浄機の威力を見て思わず、「これが欲しいっ!」と思った。なぜなら、うちの庭や表玄関にあるタイル、駐車場の汚れを取るのに一苦労していたからだ。

ケルヒャーJTK25・・・年末にジャパネットたかたWEBで購入を決心。3週間の納期を経て我が家に到着。いてもたってもいられずすぐに箱を開けテスト使用開始。思っていたより重い。

蛇口につなぎ、コンセントに電源を差し込む。放水開始! おおおっ、とれるとれる汚れが見事に・・・。しかも簡単に・・・。

使用前
使用後

確かに便利。ただし、以下の点は課題・・・かな。

  • 駐車場についた車のタイヤの汚れは取れない(専用の洗剤が必要。当たり前か・・・)
  • わりと重い
  • ホース類が固く閉まったり出したりするのが結構手間(一人でしまうのは難有り)
  • (当たり前だけど)水道代上がりそう


今週は表玄関と駐車場だけをやったので、つぎの休みは庭のタイル掃除を!



2012年1月15日日曜日

本当にヤバい、ユーロ危機

今週の日経ビジネス。

「お金の正体とは何か?」というテーマの池上彰氏と岩井克人氏の新春対談記事は面白かった。今世界で一番注目されているであろうユーロ危機についてわかりやすく解説している。

池上氏の「経済力の異なる国々を1つの通貨でまとめる”ユーロ構想”そのものが失敗だったようにも思えてきます」は如実に危機の大きさを物語っている。

池上氏と岩井氏は、ユーロの失敗について大きく2つの原因を述べている。

1つ目は、ユーロの通貨統合を成功させるための条件すなわち「共通通貨の下で、労働力が自由に移動すること」が満たされなかったという点だ。

そして2つ目は、ユーロという共通通貨を使っていたがために財政規律が緩くなってしまったという点だ。通常であれば、財政政策として国が国債を発行して借金をすれば利子率が上がる。利子率が上がれば、調子にのって借金をかさねることが難しくなる。それが財政規律になる。ところがユーロ下では、一国でいくら国債を発行して借金をしても、そう簡単に共通通貨の利子率は上がらない。利子率が上がらないと調子にのってついついさらなる借金をしてしまう・・・。その悪魔の誘惑に負けたのがギリシャだと・・・池上氏は言う。

まぁ理由はともかく、先日読んだVOICEの専門家の声にしても、今回のこの日経ビジネスの二人の声にしても、最近の専門家の声を聞いていると「ユーロ危機は超本物である」ということだけは間違いないようだ。

一企業人として、悪い2012年になってしまわないことを切に願っている。

書評: 犯罪

今週は、この本を読んだ。

タイトル: 犯罪
著者: フェルディナント・フォン・シーラッハ
発行元: 東京創元社

小島慶子のキラキラにゲスト出演されていた瀧井朝世さんのオススメ話がきっかけだ。

■刑事事件弁護士が語る実話物語

この本は、ドイツ人の刑事事件弁護士、フェルディナント・フォン・シーラッハ(著者本人)が、これまでに携わった刑事事件の中でも特に印象深かったものを取り上げ、物語の形でまとめたものだ。全11話(事件)からなり、一話あたり20~40ページで完結する。それぞれがとてもユニークな事件である。

『彼女がドアをあけたとき、フェーナーはなにもいわず、壁にかけた斧を手に取った。』

常に誠実に生きてきた男が、何十年間にわたる妻からの虐待に耐え切れず、ある日突然妻を殺害してしまう。周りの者はいぶかる。「なぜ、あの人が!?」「殺すくらいなら、さっさと別れれば良かったじゃないか!?」と。しかし、そこには表面を見ただけでは理解できない深いワケがあった・・・。

物語は、その心の深淵に迫っていく。

■事実は小説よりも奇なり

「これは本当に真実なのか!?」

事実であると分かっていても疑いたくなるようなユニークな話ばかりである。たとえが悪いかもしれないが、この本を読んで得られる感覚は、日テレのテレビ番組「ザ・世界仰天ニュース!!」を見たときに得られるそれと似ていると思う。

話の展開のさせ方も絶妙だ。最初に全てを話さない。著者が語るのは事件の点と点だけである。読者には、最初、それがどうつながるのか、どう事件として発展していくのかが全く読めない。そして最後には全ての点が見事に線としてつながっていくのである。

「事件のユニークさ」「物語の展開」・・・これらとあいまって著者の淡々とした語り口調(元の言語がドイツ語のせい?)が、絶妙なバランスを生み出し、読み手を惹きつけているのである。

■読書の苦手な人に

決して内容の難しい本ではなく、またオムニバス形式になっているため、読みたいときにパッと読める。本を読むためにまとまった時間を取れない人や、読書は苦手、集中力が続かないといった人には特にお勧めできる本だ。



2012年1月14日土曜日

人生の成功の鍵は「みんなと反対のことをやるべし!」

VOICE2月号、久々に読んだ。

■人生の成功の鍵は”みんなと反対のことをやるべし!”

川上量生(かわかみのぶお) 「もっと無駄なものを世界中に増やしたいんです」は面白かった。川上氏は株式会社ドワンゴの代表取締役会長だ。「ニコニコ動画」「ニコニコ生放送」といったサービスを提供している。「みんなと同じ事をやっていてもダメ・・・いや、面白くない」というのが彼の生き様だ。わたしも激しく共感できる。

『僕は、「主流」になっているものの裏をかくのが好きなんです。後追いはとにかく嫌だし、「裏をかく」ところにこそチャンスがあると思ったし。で、ネット業界最大の「主流」ってなんだろうと考えると、やっぱりグーグルですよね。グーグルには「機械にできることは全部機械にやらせよう」という、そういうポリシーがあります。・・・(中略)・・・そこで僕は、逆に、人間の手間がたくさん必要なサービスってなんだろうということを考えたんです。人間らしさを突き詰めたサービスってなんだろうと。そこで行き着いたのが「ニコ動」だった。』

ビジネスにしても、就活にしても・・・成功の鍵は「みんながやってないことをやる」・・・いや実はもっとシンプルで「みんなと反対のことをやる」という方程式が成り立つのではないだろうか。しかも、これを体現するのはそんなに難しいことではない。

同じVOICE2月号の記事にあった大学講座を受け持つ楠木新(くすのきあらた)氏が、今の学生の何十社受けてもなかなか就職できない大学生の現状について語った次の言葉を思い出した。

『(用意した東証一部上場企業一覧表の中で)彼ら(大学生)が(”知っている企業”ということで)印をつけた企業は、約1700社のうち、ほぼ10%余り。・・・(中略)・・・チェックしたのはテレビCMを流している会社が大半なのである』

つまり、ほとんどの学生は就活においてテレビCMなどで名の知られた有名な会社170社に集中するというわけだ。倍率が高くなるわけである。逆に言えば、大学生が知らない残りの上場企業(90%にあたる1500社)にアプローチをかければ就活成功率が一気に上がる、とも言える。

まさに、ここでも反対の論理・・・「みんなと反対のことをやる」が当てはまる。

■”生活保護の実態”・・・それ本当!?

竹中平蔵氏と前原誠司氏の対談は、わたしが知らないことが多かったという点で面白かった。とりわけ生活保護手当の実態については衝撃だった。

前原氏『夫婦・子供二人という生活保護世帯において、現金給付、医療費を合わせた、トータルで国からの支給額は、おおよそ500万円台後半になんです』

竹中氏『サラリーマンの平均年収が、412万円ぐらいということを考えれば、もはや高額所得者ですね』

口がアングリである。あまりにも信じられない話なので、できればこの反論も聞いてみたい。

VOICE2012年2月号

===2012年1月26日(追記)===
プレジデント2012年2月13日号の日立の記事は、まさに逆転の発想の一例だと思った。ほかにもたくさんあるのだろうけれど、とりあえず備忘録としてここに記しておく

2012年1月12日木曜日

バンジージャンプに失敗した女性

オーストラリアでバンジージャンプを試みた女性のロープが切れ、ワニのいる川にそのまま落下。切れたバンジージャンプの紐で足が縛られた状態にも関わらず、自力で岩上に避難・・・奇跡的に一命を取り留めた・・・というお話。

びっくりです。




2012年1月11日水曜日

身につける反射板

昨年末の年越しは、今までの人生の中で最も健康的な過ごし方だった。逆に言えば、最もツマラナイ過ごし方だったとも言えよう。一度足りとも夜更かしせず、ほぼ毎日朝4時から5時の間に起床。そしてジョギング・・・。

笑ってしまうのは、休み中にそんな規律正しい生活を送っていても仕事が始まるとなんかダルい。休みボケというのだろうか、そんなモノが存在するのだ。だったら、もっと自堕落な生活を送っておけば良かった・・・そんなどうでもいいことを、ふと考えて今日もまた一日が過ぎてゆく・・・。

さて、前置きはそれくらいにして、冬休み中に買ったジョギングアイテムのお話。せっかく継続的に続けているのだから、少しぐらいジョギング用のグッズを揃えてもバチは当たらないのでは!?と思い、スポーツショップへ。シューズを買ったことは先日述べたとおりだが、実はその際に買ったもう1つのアイテムがある。

暗い道で走っていても、車のライトがあたると目立つようにピカピカ光る・・・そう、反射板(はんしゃばん)だ。

冬の早朝もしくは夜など暗い道中を走る人には身を守るために絶対に必要なものだ。こういった光りモノをみにつけておかなければ、車を運転する人からすればさしずめ黒子が走っているようなものである。ジョギングウェア自体が光る仕様になっているのであれば良いが、そうでなければ怖い。

今時はどんな反射板があるのかな、とスポーツショップで店員さんに尋ねたら「形状記憶になっている反射板があるんです」と次のアイテムを紹介された。ものさしのようにピンと伸びたり、巻きつくようにまるまったりする。基本的には、走者の上腕ないし手首に巻いて使うものだ。

使い始めて1週間。問題なしだ。売っていた商品の中で安め(約500円)の商品だったし、オススメだ。

 

2012年1月7日土曜日

ベンチャー企業が成功する秘訣とは

今週の日経ビジネスで気になった言葉・・・。

『シリコンバレーで、米国や日本の数多くのベンチャー経営者を観察した。何が(ベンチャー企業の)成功と失敗を分けるのか。発見したのは、日本には戦略的思考と起業家精神を併せ持つ経営者が極めて少ないという事実だった。熱意はあっても戦略がない。技術はあってもリスクをとらない。逆に、2つを併せ持てば成功する確率は高くなる。』

テラモーターズ社長 徳重徹氏の言葉だ。

うちの会社はどうだろう・・・。起業家精神は文句なしにある。まだ、足りないのは「戦略的思考」だろう。もっと言えば戦略的思考が足りないのは、目指すべきゴール・・・会社にわかりやすく明確なビジョンを設けられていない、という点かもしれない。

わたしにとっての今年最大の課題だ。

日経ビジネス2012年1月9日号

2012年1月6日金曜日

書評: ザ・ゴール(The Goal)

年初から、いきなり感動!

ビジネス小説と呼べばいいのだろうか!? 単にビジネス書と呼ぶにはあまりに面白すぎるし、小説と呼ぶにしては内容があまりにも実生活に役立ち過ぎる・・・。

「The Goal(ザ・ゴール)」
~ Theory of Constraints(制約理論) ~
著者: Eliyahu M. Goldratt and Jeff Cox (エリヤフ・ゴールドラット)
発行元: The North River Press
※わたしが、読んだのは原文ですが日本語版も同じタイトルで発売されています

昨年(2011年)の9月19日号日経ビジネスの中で「オムロンで成功した納期短縮と在庫の適正化」の記事中、引用されていたのがこの本だった(おそらく経営修士学で少なからずオペレーションズ・マネージメントを学習した者なら、絶対知っているハズなのだろうが、例によってわたしは学校で教授の話を聞いていなかったのだろう・・・汗)。

■経営管理の実践を面白く学べる本

この本は、小説に仕立て上げられた経営管理の教育本である。その小説とは、機械メーカーの工場長を務める主人公アレックスが、恩師である物理学者ジョナの指導を受けながら、採算悪化によって閉鎖の危機に追い込まれた自分の工場を立てなおしていくストーリーだ。読者はTheory of Constraints (TOC:制約理論)と呼ばれる著者エリヤフ・ゴールドラット博士自身が考案した経営管理手法(理論)を主人公さながらに体験していくことになる。

ところで、この本が最初に登場したのが、今から20年以上も前のことだ。アメリカでは300万部が売れ、ありとあらゆる賛辞を受けている。実際、わたしが買った本のカバーには次のようなコメントが記載されている。

「ゴールドラット氏は、産業界の教祖だ(フォーチュン誌)」
「氏は天才だ(ビジネスウィーク誌)」

2001年には日本でも邦訳版が出版されベストセラーになった。

■何故、そんなに面白いのか

そこまで注目されている本なので、わたしがこのブログでとりたてて騒ぐ必要性は全く持ってないわけだが、あえて言わせてもらえばこの本の凄さは、その中で紹介されている「理論の汎用性・実用性の高さ」もさることながら、「教育書としてわかりやすさ」、「小説として面白さ」の3つをいずれも高度に満たしている点だろう。しかも、これら3つ全てが”制約理論の実践を読者に学ばせる”という意味において大きな役割を果たしている。

いわば一石三鳥とも言える本だ。なお、原本(英語版)も決して難しくない英語が使われており、英語の勉強もついでに・・・という人にはなんと”一石四鳥”だ。

とりわけ、小説としての妥協のないストーリー描写には驚かされる。単なる主人公の工場での苦労が描かれているだけでなく、私生活において直面する問題など様々な要素が様々な観点から描かれている。異国の話だが、自分も本当にその場にいるかのようにさえてくれる描写だ。

さらに、(わたしが読んだのが第三版だったからなのかもしれないが)巻末についているゴールドラット氏のインタビュー記事も圧巻だ。氏がインタビューの質問に単に答えるだけでなく、氏がとりあげるTOCの事例会社の担当者(氏の本を読んだ読者からの手紙をきっかけに得たネットワークらしい)に、直接行ったインタビュー記事もいくつも紹介されている。もちろん、事例会社の中には製造業だけでなく、異業種・・・たとえばサービス業にTOCを適用したケースも含まれている。

まさに世界に2つとない実用書だ。

■プロセスあるところに、TOCあり!?

小説の舞台はたまたま機械メーカーだが、この本の巻末にとりあげられている事例会社のように、制約理論は世の中に存在する様々な業種、組織・・・あるいは私生活にすら当てはまるものだと思う。”プロセスあるところに、TOCあり”といったところだろうか。

そういった意味では、誰もが一度は読んでみるべき本だろうが、製造業の人はもちろんのこと、企業のマネージャーの地位にある人や、コーチングが要求される職業(教育者やコンサルタントという立場にある人など)にある人は、特に読まなければ損する本だと思う。

ちなみに、この本には  「It's Not Luck (邦訳名: ザ・ゴール2)」 が存在するそうで、近いうちにこの本もぜひ読んでみたいと思っている。


【コーチングという観点での類書】
書評:It's Not Luck(ザ・ゴール2)
書評:子どもの心のコーチング
・書評:この1冊ですべてわかるコーチングの基本

2012年1月1日日曜日

あけましておめでとうございます

2012年新年を迎えました。

朝5時に起きて、インターネットで日の出の時刻を調べました。朝6:50分ごろと書いてあったので、40分過ぎに自宅を出て日の出が見えそうな場所に移動したら、雲がかかってました。わたしと同じように日の出を見に来てた人は一人だけ(笑)。

何はともあれ、あけましておめでとうございます! 今年は何事も昨年の2倍の力で頑張るつもりです!


2012年元旦の夜明け(朝6:50 in 横浜)


書評: 3 行で撃つ <善く、生きる>ための文章塾

  「文章がうまくなりたけりゃ、常套句を使うのをやめろ」 どこかで聞いたようなフレーズ。自分のメモ帳をパラパラとめくる。あったあった。約一年前にニューズ・ウィークで読んだ「元CIAスパイに学ぶ最高のライティング技法※1」。そこに掲載されていた「うまい文章のシンプルな原則」という記...