2010年6月29日火曜日

睡眠不足と健康について

おととい日曜日(6月27日)にアメリカから帰国した。1週間の滞在だったが、そのうち3日はほぼ完徹(完全な徹夜)だった。平均すると1週間通して3時間睡眠程度だったろうと思う。

そして場所変わって日本。成田空港に着いたのが27日日曜日の午後2:30。駄々混みの税関を通り抜けて、ようやく空港のバス乗り場へ着けたのが午後4:00。そこからさらに自宅のある横浜までは混雑していなくてもバスで片道2時間の道のり。日曜日の夕方ということもあり、残念ながら、渋滞に巻き込まれて自宅に着いたのは3時間後の午後の7時半だった。アメリカはグランドラピッズを飛び立ってからちょうど24時間後のことになる。

疲れや眠気も何のその。アメリカから持ち帰った仕事がいくつか残っていたため、2時間ほど休憩してから仕事机に。ハッと気がつけば時計の針は午前1:30。就寝。

その3時間半後の朝5:00。優しく鳴る目覚ましの音に敏感に反応して、スパっとベッドから飛び起きる。慣習は怖い。時差ぼけ・寝不足・疲労など、体にべったりとまとわりついた不快感を取り除くべく、直後に近所をジョギング。

「さぁ、今日はさっさと仕事を終わらせて帰るぞ!」

と誓って会社へ出社。この思いも束の間、溢れてゆく仕事。結局、その日は夜中の3時まで仕事を続けた。

話はまだ続く。

いわゆる”今朝”と言える午前5時(夜中の3時に就寝してから2時間後)、跳ね上がるように起床して、再び仕事にむかった。午前9:00ぎりぎりまで仕事をし続け、大阪出張のために自宅を出発した。クライアント先には午後1時に入り、そこから午後4時過ぎまでコンサルティング。その日の仕事はなんとか無事に終了した。

・・・そして今、自宅へ向かう新幹線の中。「おかしいな」と思う。

こんなむちゃくちゃな生活をしているのに、

「眠くない」・・・いや「眠くない」どころか、

「疲労感がない」・・・むしろ「元気」かもしれない。

これはどうしたことだろう。

「死ぬ前兆」? 「突然死」ってこういうタイミングで起こるのか?

とネガティブに考えてみたくもなってしまう。

そんな思いを馳せたつい矢先、一つのことが思い浮かんだ。「そういえば先日、父から85歳でつい最近亡くなった小松茂美さんという人についての記事(産経抄)が送られてきていたっけな」。

小松茂美さんという方は古筆学の研究者(85歳)。なんと「80歳を過ぎるまで睡眠時間が4時間を超えることがなかった」と記事中にはある。この人が常に睡眠不足を惜しんで80歳まで活動しつづける原動力となったのは、学歴のない人間をさげすむ学会への対抗心だったとか...。

人はここから何を読み取るだろうか。

「精神は肉体を超える」ってこと?

もしかしたら、自分も既に精神が肉体を凌駕しようとしている気がする。

なぁんて、言っている奴が突然死なんかになったりするんだろうか。睡眠と健康については、いつも疑問で一杯だ。


孔子曰く「過ぎたるは及ばざるがごとし」

さて。

2010年6月21日月曜日

災難続きの今回の海外出張

アメリカへ再び海外出張。今回は同僚を入れて3人での出張だ。移動日の今日、色々な意味で最悪だった。


まず成田空港からシカゴ空港へ。自分座席についたら、何故か足下に大きなバッグがおいてある。隣の女性を見るとやたらと大きい手荷物を抱えながら座っている。

「まさか隣の女性が、持ちきれない手荷物を勝手に僕の座席の前のスペースにおいたのか?」

取り除いてもらうべくお願いをしようとスチュワーデスの呼び出しボタンを押すがなかなか来ない。今考えるとこのあたりがケチのつきはじめだったのかも知れない。ようやく来た女性スタッフの人が、誰の者かを調べてくれて、結局、僕の座席の前に座っていた人が犯人だということが分かった。座席の下は自分のストレージスペースだと思っていたらしい。

さて、その後シカゴ空港まで10時間強のフライト。到着後、シカゴ空港にて入国審査へ。ここで膨大な旅行者が行列をなしていた。私の人生の中でここまで溢れた行列は過去に見た記憶がない。審査官の窓口にたどり着くまで、なんと2時間半もかかった。多くの人が、シカゴ空港を経由して異なる目的地に向かうからだろう、みんな一様に、現場に一人だけいた女性係員に質問を集中させていた。

「コネクションフライトに間に合わないんですが、なんとかしてもらえませんか?」

ところが、そこへ彼女の同僚の係員が登場。

登場した係員「みなさーん、こちらはベストを尽くしています。コネクションフライトのために特別に処理をするということはしませんから、頼むから、彼女に同じ質問をして困らせないで下さい。次に同じような質問を彼女にしたら、罰として最後尾に並ばせます!」

との発言。そこに並ぶ誰もが唖然・・・。

「困らされているのはこっちだ!!」

と誰もが叫びたかったに違いない。実際、一人が行列を飛び越して最前列まで来て、係員に「なんとかしてくれないか」と主張していたが、むげな態度で対応され、最後は、最後尾に連れて行かれていた。

結局、誰もがそれ以上刃向かう勇気もなく気長に行列にならび続けるしかなかった。さて、自身もシカゴ空港からグランドラピッズ空港へ飛ぶための接続便をつかまえる必要があった。が、当然のごとく、2時間以上もあった貯金もなくなり、結局フライトを逃してしまった。

仕方なく、同僚2人とともに次の便の予約をしに、United Airのカウンターへむかった。シカゴ空港に到着したのが現地時間の午後2時で、既にこの時点で午後5時半をまわっていた。カウンターの女性は、1時間後と5時間後にグランドラピッズにむかうフライトがある、と言う。しかし、いずれもキャンセル待ち。さらに彼女が言うには、

「この2つのフライトに乗れなかった場合は、シカゴに宿泊していただきます」

とのこと。なんのこっちゃ。

そして、時計の針が6時を指す。「XXXさーん」「XXXさーん」と次々にキャンセル待ちの客が呼ばれる。ギリギリ最後の方になって、同僚2人の名前が呼ばれた。まさか・・・とは思ったが、なんと、呼び出しはそこで終わり。そう、私だけ置いてきぼりを食うハメになったのだ。


結局、そこからさらに5時間近くを空港で過ごした。その日の最後のグランドラピッズ行きは、夜10時20分のフライトだった。が、このフライトは何とかつかまえることができた。このフライトでは、出発が30分遅延するというトラブルに見舞われたが、これまでのトラブルを考えたら誤差の範囲で、もう、起こる気力も悲しむ気力もなかった。

なんとか歯を食いしばって、グランドラピッズ空港へ到着。時計の針は夜の12:30。ホテルには朝の1:00に到着した。


さて、明日(?)の朝は7:30半にホテルを出発して客先にむかわなければならない。初日のスタートがこんなだと先が思いやられる。何かの前兆だろうか。

2010年6月20日日曜日

専門記事紹介: Business Skills for the IT Audit and Assurance Professional

ISACAの記事「Business Skills for the IT Audit and Assurance Professional(IT監査におけるビジネススキル)」を読んだ。

「IT監査をする者には、テクニカルスキルだけでなく、ビジネススキルが必要であり、企業は組織のITの使い方や利用度に合わせて、それを監査させる者のスキルの持たせ方に配慮せねばならない」というのが趣旨だ。

「技術が分かっているだけでは、ビジネスに役立つ監査はできない」

それは全く当たり前のことだと思う。何を今更言っているのか?という気すらしてしまう。

ただし、確かに当たり前のことなのだろうが、

「技術を持っているから即IT監査人になれると思う人が溢れており、実際、そうしている人が多い」
「マネジメント自身もIT監査人を技術者扱いしてしまい、本来は共有すべき経営情報を共有していない」

といった事態が現実には多いのだろうと推察される。自身もそういう現場を数多く見てきた。

なお、せっかくなので記事の概要をまとめると、

まず、IT監査のあるべきアプローチ方法として、

1. 監査対象とする企業の属性を定義する
2. 企業の属性に応じて、その企業の8つの項目について理解する
3. 監査を行う

と述べている。ここで「1. 監査対象とする企業の属性を定義する」については、大きく以下のような種類を挙げている。

・金融業(Financial Services)
・大規模コンシューマー向け産業(Consumer-intensive)
・ヘルスケア(Health care)
・運輸業(Transportation)
・政府(Government)
・資源(Resource Industry)
・製造(Manufacturing)
・農業・漁業(Extractive)
・生活インフラ(Utilities)
・パブリックセクター(Public Sector)
・非営利団体(Nonprofit organizations9

また「2. 属性に応じて、その企業の8つの項目について理解する」における「8つの項目」とは以下のことを指している。

・業界・組織(Organization)
・統治・業務分掌(Governance)
・法規制(Laws and Regulations)
・ビジネスプロセス(Business Processes)
・オペレーション(Operations)
・技術の使い方(Use of Technology)
・ビジネス上の成果として活用される指標(Business Measurement)


先述したとおり、至極ごもっともな話だが、このような項目に対する理解は、IT監査人に限った話ではなく、企業において何らかの改善活動や仕組み作りを行う者にとっては、当然、実施すべきタスクであるように思う。私自身、企業において様々なコンサルティングをしてきたが、どのような目的のプロジェクトであっても、上記8項目は最初に抑えておく、というアプローチが最も重要だと感じている。

ただし、監査人一人に求めるスキルとしてはかなり贅沢な要求だと思う。難易度が高いわりに、IT監査人に対する経営陣の意識は低く、なおかつ、まだまだ報酬も低いのではないだろうか。特に日本においては。

2010年6月11日金曜日

メールアドレスの価値

今日のBBCのニュースに、「今、話題のApple社の iPadを利用するユーザ(米国)114,000人分のメールアドレスがハッカーによって不正取得された」とのニュースが出ていた。

この事実が判明したのは、実際のこの不正行為を行ったハッカーグループ(Goatse Security)が、そのような声明を行ったため、とある。いわゆる”なりすまし(あたかもインターネット上で、当人であるかのように装うこと)”を使ったハッキング手法により、AT&T社のウェブサイト上からユーザのメールアドレスを簡単に取得できたらしい。メールアドレスの中には、著名人の者も含まれており、個人情報保護の観点からインパクトは大きいとしている。

さて、記事中メールアドレスの価値について言及している。セキュリティ専門家によれば

「今やメールアドレスの価値は低い。なぜなら、我々はメールアドレスをいたるところで公にさらしているからだ」

という意見もあれば、

「いや、メールアドレスの価値は高い。メールアドレスそのものに価値はないかもしれないが、価値ある情報(機微情報など)を引き出すための”鍵”になるからだ」

という意見もある。

両方とも正論だ。両方とも正しい・・・だからこそ、個人的にはメールアドレスの価値を議論してもあまり意味はないだろうと思う。そういったことよりも、

「企業や個人は今後メールアドレスの取り扱いに対して、どのような対策をしていけばいいのか?」

という点が重要だ。

「メールアドレスはバレるものである」

という観点に立ち、バレても困らないような対策を打っていかなければならない。もう何年も企業が躍起になって対策を考えているが、スパムメール防止の仕組みを強化するだとか、あるいは、原点に立ち返り、認証時にメールアドレスをIDとして使わせないように配慮するなど、考えていく必要がある。ユーザ個人も、バレたときのことを考えて、不正に使われてもあまり困らないメールアドレスを普段から用意しておくことが肝要かもしれない。

書評: 3 行で撃つ <善く、生きる>ための文章塾

  「文章がうまくなりたけりゃ、常套句を使うのをやめろ」 どこかで聞いたようなフレーズ。自分のメモ帳をパラパラとめくる。あったあった。約一年前にニューズ・ウィークで読んだ「元CIAスパイに学ぶ最高のライティング技法※1」。そこに掲載されていた「うまい文章のシンプルな原則」という記...