2011年9月22日木曜日

WIMAXの通信障害

どうりで今朝、喫茶店からインターネットにつなげようとしてもつながらなかったわけだ・・・。

台風の影響で、なんと東日本の広範囲にわたりWiMAX(ワイマックス)※の通信障害が発生していたようだ。地震でもないのに「大丈夫か、おい」と言いたくなる。これで地震が来た日にゃ・・・。

早速、サービスプロバイダーのホームページには障害復旧に関するお知らせが掲載されていた。止まっていた間の分、無料にならんのだろうか、もし・・・。


※WiMAXとは
Wikipediaによれば次のように定義されるものである。「(ワイマックス、Worldwide Interoperability for Microwave Access)とは無線通信技術の規格のひとつである。人口希薄地帯や、高速通信(光・メタル)回線の敷設やDSL等の利用が困難な地域で、いわゆるラストワンマイルの接続手段として期待されている。」

台風だからと油断は禁物

先週の連休は遠出をした。くわえて週が明けて、ここ数日台風の影響で、ずっと天気が悪かった。日課のジョギングが結果的に1週間近くご無沙汰になってしまった。

台風が全ての雲を吹き飛ばしてくれたようだ。今朝は快晴。走らない手はない。昨晩ベッドに入るのが遅かったので、いつもよりやや遅めの朝6時過ぎに外へ飛び出した。

体調は良く快調なペースで飛ばしたが、昨晩の台風の爪痕がいたるところに残っていて、足を止めることが何度かあった。一番びっくりしたのは、道をふさぐ大木が何本も倒れていたことだ。計7.5キロのジョギングコースだが走っている最中に、ざっと10本近くはあった。

もし、倒れる瞬間に側にいたら・・・と思うとゾッとする。会社の仲間も別の意味でゾッとすることがあったと言っていた。仲間の一人は高層階に住んでいるのだが、家に戻ってみたら窓の外の網戸がはずれかかっており、文字通り、あと一吹きで地上へ落下していたかもしれなかったとのこと。もし誰かの頭の上に落ちていたらと思うとゾッとする、と。そういえば昨晩は、地下鉄の駅構内でも足止めをくらい、床に座り込んでいるビジネスマンが何人もいた。

台風は慣れたものだからと何かと油断しがちだが、気を引き締めないと取り返しのつかなるな、と改めて考えさせられた。

9月22日の早朝(ジョギングコースにて)

2011年9月21日水曜日

野田首相の「わが政治哲学」

「VOICE10月号には野田総理が寄稿されているので今月号は売れ行きがいいようだ」

VOICE2011年10月号

VOICE編集部のツイッターでのこのつぶやきを見て、買ってしまった。まんまと術中に・・・。まぁ、面白い記事が多かったからいいが。

野田総理の記事のタイトルは「わが政治哲学」

『いまの日本に一番必要なのは、中間層の厚みを増すことだと、私は思う。ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われていた時代、日本の成功の大きな要因として、中間層の厚みが挙げられていた。そして確かに中間層の厚みがあるときには、「生まれて良かった」と思える人が多いはずなのだ』。

これが世代間格差や貧困を無くそうという、平等という名の足を一歩前に踏み出そうという首相の主張につながっている。しかし個人的に気になったのが、ここで首相の言う”平等”・・・”格差是正”の真の意味。

ここでの平等って、公平?それとも公正? 私の認識では公平とは、条件も環境も結果も等しく同じなのが公平。条件や環境は一緒だが、人の努力によって結果に差異がでてしまうことを認めるのが公正。「中間層の厚みを増す」という首相の発言は、後者に重きをおいたモノであって欲しいと願いたいところだ。でないと、人一倍頑張ろう・・・というエネルギー(やる気)がなくなる。

そして首相の発言でもう1つ。

『この間の政治の最大の問題とは、いったい何であったか。私は決断すべきときに決断をせず、大事な問題を先送りばかりしてきたことだと思う』

この言は何も野田首相の専売特許ではなく、管前首相にしたって有言実行内閣とうたっていたくらいだし、それはみんな承知のこと。結果で示して欲しい。そう思っているのは私だけではないはずだ。

そのためにはいずれにしても、数ヶ月スパンの内閣支持率などにどうか一喜一憂せず、どっしりと構えて長年かけて任務を遂行して欲しい・・・と切に願う・・・。と言っている側から、復興に一段落したら解散総選挙で民意を問うとか言ってるし・・・。

首相の名前を覚えなければいけない受験生のことも考慮してあげて欲しいw

Softbank携帯の通話料が15分の1に!?

2011年9月19日号の日経ビジネスの特集は「強敵!BRICS企業」。印象に残った記事はそれほどなかったような・・・。

日経ビジネス2011年9月19日号

そんな中、うんちく的な話で、ちょっと得したと思った記事が2つ。

■Softbank携帯の通話料が15分の1に!?

1つは、NTTコミュニケーションズが提供するiPhone向けアプリ"050 Plus (ゼロ・ゴー・ゼロ・プラス)"。月額315円さえ支払えば、Softbankから他者携帯や固定電話への通話料が3分126円かかるところ、8.4円になるとのこと。何故そんなに安くなるのかと言えば、Skypeと同じ原理・・・つまり、インターネット経由での通話になるからだ。っていうか、今更ながら、Softbank携帯から他者携帯や固定電話への通話料の高さに驚く。試しに使ってみようかと思っている最中・・・。

■企業はまだまだ効率化できる余地がいっぱいある!?

もう1つは、ダイナミック・バッファー・マネージメント(DBM)のお話。企業において、在庫管理に悩むのは今や世の常だ。「将来どれだけ売れそうだからどれだけ生産しておこう」と、予測精度を高めようと努力すればするほど徒労に終わることが多い。そもそも予測しようという考え方そのものに奢り・・・問題があるのであって、未来を見るのではなく、過去の販売実績を見てもっとシンプルに在庫調整をすればいいじゃないか・・・これがDBMの考え方だ。ここ最近の販売量とアップ・ダウンの傾斜角を見て、在庫量を調整するというわけだ。記事では、オムロン大連での導入実績について語られているが、その効果の大きさに見ているこっちまで嬉しくなる。いやぁ・・・確かDBMって大学院のオペレーションズマネージメント教科で勉強したはずなんだけど・・・。すっかり忘れているなぁ。記憶力の悪さ、恐るべし。

【関連リンク】
日経ビジネス(公式HP)
050 Plus アプリ

2011年9月20日火曜日

書評: 40歳の教科書 NEXT ~自分の人生を見つめ直す~

「子曰く、四十にして惑わず」なんてとんでもない。

40歳を前にして、この後どう進むべきか、迷いや不安は増える一方である。精神的・肉体的・家庭的・社会的・・・色々なプレッシャーや変化に迷いが生じる年齢なのではないかと思う。そんなわけで、ついつい、先人に教えを請おうとする自分がいたりする。

40歳の教科書 NEXT ~自分の人生を見つめ直す~ ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
編者: モーニング編集部&朝日新聞社
発行元: 講談社
発行日: 2011年4月21日 (880円)

■普段考えない観点から自分を見つめ直す

この本は、先週読んだ本「40歳の教科書」の続編にあたる。前作は、幼児から中学生くらいまでの子を持つ親が子育てにおいて考えておくべきテーマについて賛否両論、専門家の意見を一冊にまとめたものだった。今作は、2つの点で異なる。1つはテーマだ。前作が”子育て”であったのに対し、今作は”自分自身”がテーマだ。そしてもう1つは、テーマについて語る先輩達(人生のスペシャリスト)だ。前回も工藤公康投手や、漫画家の西原理恵子さん、ニトリ代表取締役の似鳥昭雄氏などそうそうたるメンバーだったが、今回も豪華ゲストがズラリ。プロゴルファーの青木功さんや映画監督の庵野秀明氏など、40代を激烈に駆け抜けた人達ばかり。

この本を通じて、誰もが「鬱になる可能性のあること」「突然、要介護者を抱える身になる可能性のあること」「子離れができない親になってしまう可能性のあること」など、実際は自分がそういう事態に陥るまであまり考えないようなことについて、改めて考える機会をもらった。

■スペシャリスト全員が口を揃えて言う”40代における精神的な衰え”

とりわけ、個人的に印象的だったことを1つ挙げておくと”40代における精神的な衰え”についてだ。この本は、それぞれのスペシャリストが自身の経験に照らし合わせて思うままに主張しているので、ぶつかる意見があることも少なくない。そうした中にあって皆が口を揃えて言っているのが精神的な衰えだ。いや、正確には肉体的な衰え、と言うべきか。

プロゴルファー青木功氏が次のように語っているのがとても印象的だった。

『40歳くらいになると、気力が衰えてくるよね。これって気持ちの問題と言うより、体力の問題なんだよ。・・・(中略)・・・だから俺「心技体」って言葉は大嫌いだな。あれは「体技心」と読み方を逆にしなくちゃいけない。』

今、私は健康管理のため、早朝ジョギングを続けて1年以上になるが、こうしたスペシャリストの言葉のお陰で、今後もこの活動を力強く継続できそうだ。

■自分が興味を持つテーマがあるかどうかで判断

さて、この本「40歳の教科書」と銘打っている以上、いわゆる”アラフォー”がターゲット読者層だ。しかし、40代の人に襲いかかってくる可能性のあるハードルばかりをテーマとして扱っているだけであって、中にはこれらハードルを30代で経験する人もいれば、50代・60代で経験する人もいるのだろうと思う。そういう意味では、”アラフォー”でなくとも、取り扱われているテーマを見て、自分が興味を持っているテーマがあるかどうかを持って、この本を読むかどうかを決めても良いと思う。

テーマ1) 40歳は人生の折り返し地点か?
テーマ2) 「心の危機」をいかに乗り越えるか」
テーマ3) 親との関係を問い直す
テーマ4) 経験を武器にするには、なにが必要か?

私のように、1つでも2つでも得られる気づきや勇気があれば、しめたものだ。そう思いませんか?






【関連リンク】 (40歳という年齢が強く関わる本)
40歳からの適応力(羽生善治)
やめないよ(三浦知良)

2011年9月15日木曜日

2011年9月15日朝6時の朝焼け

ジョギングコースのとある場所をさしかかった時に見る朝日が、いつも私の気を惹く。

2011年9月1日の朝6時の空

2011年9月14日水曜日

スティーブ・ジョブズ氏の経営学

2011年8月24日、スティーブ・ジョブズ氏がアップルCEOを退任した。

氏の凄さなのだろう。辞めるという報道とともに、また、いろいろな雑誌で特集記事が組まれている。これから、便乗して関連書籍が続々と発売されるに違いない(苦笑)。

今月の2011年9月12日号の日経ビジネスにも4ページ割いて「スティーブ・ジョブズ氏の経営学」という記事が掲載されていた。今まで誰もが、いろいろな場でかいつまんできたこと、まとめたものだが、アップル・・・いや、ジョブズ氏の哲学・経営学が明瞭簡潔にまとめられていて、良かった。
  • 事業を絞り込んで注力する
  • ハードとソフトを融合する
  • プラットフォーム戦略を採る
  • ブランド価値を再生する
  • アウトソーシングを活用する
いずれも、ジョブズ氏が再着任してからとってきた采配の経営戦略の特徴だ。もちろん、彼のこうした哲学を受けて、次々とまねしようとする人が出てくるだろうが、きっと、この方法がマジョリティを占めるような世界になったら、ジョブズ氏はまたマイノリティがとる道を探すのだろう。それこそが、彼の哲学のような気がする。

日経ビジネス2011年9月12日号  

【関連リンク】


===2011年10月6日(追記)===
2011年10月6日・・・アメリカ時間だと10月5日・・・スティーブ・ジョブズ氏が亡くなったと報道された。1つの大きな歴史が幕を閉じた。会ったこともないのに、悲しみが心に染みこんでくる・・・。


亡くなった日、Apple社のHPにはスティーブ・ジョブズ氏の写真が・・・

2011年9月12日月曜日

変なABCの歌

昨日、TBSラジオ小島慶子のキラキラを聞いていて、”変なABC”というアルファベットを覚えるための歌の存在を初めて知った。

実効性の観点からは、正直、「どうなん?」って感じだが、その歌を聴いて思わず笑ってしまった。歌詞の全文はどうなのだろうかと調べていたら、あったあった。

≪変なABC≫

さんかく足でた A A
ひょうたん半分 B B
三日月ビタミン C C
おなか出る出る D D
お山はきもちが E E
入れ歯はずれて F F
タヌキ腹切って G G
飛べ飛べ天まで H H
ただひとすじの I I
つり針エサない J J
ゆびわキラキラ K K
3時だオヤツだ L L

ちゃぶ台ちょっとひっこむ M M
のぼって落ちてまたのぼる N N
お金がないのよ O O
車のホテルは P P
シッポが穴から Q Q
あれはネズミで R R
8の字アチ無いコチ無い S S
郵便局ヤネない T T
ふるさとアイ・ラブ U U
Uの字トンガラがって V V
VVデートで W W
VVくちづけ X X

パチンコゴムない Y Y
たたんでおしまい Z



うーん、ちょっと途中分からないのがあるが、不思議な歌を考える人もいるもんだ(^^;)


【関連リンク】
小島慶子のキラキラ(公式HP)

2011年9月11日日曜日

書評: 40歳の教科書 ~親が子供のためにできること~

■子育ての重要なテーマについてのディベート本

「40歳の教科書」 ~親が子供のためにできること~ ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
編者: モーニング編集部&朝日新聞社
出版社: 講談社
発行年月日: 2010年7月22日 (価格:880円) 

「英語はいつから学び始めるべきだろうか?」

この本は、幼児から中学生くらいまでの子を持つ親が子育てにおいて悩みそうな、いや、考えておくべきテーマについて専門家の意見を一冊にまとめたものである。

最大の特徴は、賛否両論の意見をまとめた本であると言う点だ。通常、こういった類の本では、様々な専門家の意見を基にしながらも、最後は、著者自身の意見や経験から「みなさんも、こうであるべきだと思いますが、どうですか?」という提言をしたものであることが多い。だが、この本は違う。結論は出さない。結論は読者自身が出すことを促している。

■自分自身の価値観・意見が浮き彫りになる

テーマには、次のようなものがある。
  • 英語はいつから学び始めるべきか
  • 中高一貫校はプラチナチケットか
  • お金と仕事をどう教えるか
  • 挫折や失敗をした子供にどう接するか
たとえば、先の「英語はいつから学び始めるべきか」というテーマについて。言語学者の大西泰斗氏は、次に挙げる論拠を基に、英語を人生のそこまでを犠牲にして学ぶべきかものだろうか、と疑問を投げかける。

『(講演会の中で良く)のべ3ヶ月以上英語しか通用しない環境に身をおいたことのある人手を挙げてください」と講演で聞くといつも、おおよそ5%程度のYESが返ってくる。5%が日本人にとっての英語の価値なのだとすれば、ネイティブなみに英語が話せることはお子さんの人生にとってせいぜいプラスα程度の作用しか及ぼさないのです』

こういった意見を読むにつけ、私は思うわけである。「その決めつけは違うだろう」と。

「5%という数字は、英語が話せない人が多いからこその数字かもしれないじゃないか。話せる人が多ければ、日本人は今よりももっと積極的に外に出て、そうした環境に身を置くことが増えていたかもしれないじゃないか。少なくとも私がそうだ」と。

と、まぁ、こんな具合である。

大事なことは、別に大西氏が正しいとか間違っているとかではないし、私が正しいとか間違っているということでもない。こうしたやりとりを通じて、自身の意見が自然と明確になってくる点にある。先の例で言えば、このやりとりを通じて、自分の英語に対する価値観が改めてはっきりとさせることができた。

■余談ですが・・・

余談だが、この本を読み、そして、自身の経験を踏まえ、私自身は子供の英語学習については次のような考えにいたった。
  • どれか1つの言語(おそらくは母国語)をしっかりと身につけるべき
    (でないと、思考力や会話力がどの言語でも、全て中途半端になると思う)
  • 英語は効果的・効率的に覚えるべきである
    (英語は、将来は話せて当然の世界になると思う)
    • 高校生や大学生でなど、英語を学ぶ場と使う場を、短期集中的に同時に持てる機会を設けられるようにする(学ぶ場と使う場を分けたり、だらだらと長期間学習したりするのはそれこそ非効率だと思う)
    • しっかりとした発音ができるようにするため、小学生の間は耳だけは英語に慣らすことのできる環境を作ってあげる(英語の歌を聞いたり、歌ったりするなど)
      (自分がそうだった)
注意しておくが、これはあくまでも、私自身の思いだ。

■重要なのは思いを、実践すること

自分の思いを持つこと。これはホップ・ステップ・ジャンプで言うところの、ホップにしか過ぎない。問題なのは、その思いを形にすること(ステップ・ジャンプ)だ。

本は、まえがきで次のように語っている。

『教育や子育てが多用であること、そして仮説であること自体はいいことだ。逆に、唯一絶対の教育なんてものが幅をきかす方が恐ろしい。親としては、自分が「これだ」と思う仮説を新字、実践していけばいいだろう。』

『ただ問題なのは、親が仮説を仮説のままにして通り過ぎていってしまうことである。仮説とは本来「検証」という作業とセットになっている。仮説があって検証があるからこそ「証明」ができるのだ。ところが、自らを選んだ仮説をしっかり検証する親は意外と少ない』

この本は、子育ての足がかり・・・すなわち親がホップするための場、をくれる1つの手段、ということができるだろう。

【関連リンク】 (40歳という年齢が強く関わる本)
40歳からの適応力(羽生善治)
やめないよ(三浦知良)
40歳の教科書 NEXT ~自分の人生を見つめ直す~


2011年9月9日金曜日

綺麗な朝焼け

これまた綺麗な朝日だったのでアップしておきたい

自宅近くの朝焼け(9月上旬の朝6:00頃)

2011年9月8日木曜日

お金もバナナ同様に腐るらしい

現状の円高・デフレ対策について経済学者から色々な声が聞こえてくる。

「日銀よ、もっとじゃぶじゃぶお金をすって価値をさげろ、インフレさせろ」
「いやいや、すっても意味がないのでやめとけ」

素敵な肩書きを持った方々が方々でいろいろな意見を主張されているので全てそれなりに説得力があるのだが、結論はどっちなのだろう。卑怯な意見を言わせてもらえば、人間の行動心理にも絡むことなのでどうしても不確定要素があり、おそらく両方正しく、両方間違っている可能性があるとは言えないだろうか。

大事なのはDo(やってみる)ことで、そこから学びすぐに反省につなげる態勢をとっておく、とか。

ところで先日、経済学者・評論家の池田信夫氏のブログで見かけたこの点についての彼の説明はわかりやすく、妙に納得感があった。

『超わかりやすくいうと(貨幣をバナナに置き換えて説明すると)、バナナが貴重品だったときには、バナナの供給を増やせば流通量が増えるが、バナナが余って価格がゼロになると、それ以上バナナを供給しても売れ残って腐るだけだ。貨幣も一つの商品だから、超過供給で価格(金利)がゼロになったら、それ以上ふやしても「ブタ積み」になるだけで意味がないのだ。わかるかな?』

おおっ!なるほど!

と思ったのだが、ここで馬鹿なわたしは、ふと考えたわけである。

バナナは腐るが、金は腐らないじゃないか!と。これは大きな違いじゃないか!こんな違いのあるものをたとえの引き合いにだして意味があるのか!?と。(完全に論点を逸しているのは重々承知していますw・・・)

しかし、先日、そんな疑問をも払拭する新たなコラムを日経新聞(NY特急便)に見つけた。森安圭一郎氏が、ドル価値がいかに下落したかを目の当たりにしたという記事を書いている。

『数日前、シンポ(ジウム)を主催したカンザスシティー連銀の本部にある「マネー博物館」を訪ねた。目を引くのが、巨大な箱の中に積み上げた「現金」だ。正確に言えば、古くなり裁断処理されたドル紙幣を小袋に詰め、来館者にお土産として配っている。その名も「フリーマネー」という』

バナナが腐りかけるとバナナジュースを作るが、どうやらお金が腐りかけるとお土産品を作るらしい。腐るという事象は、両者、共通のようだ。

【関連リンク】
池田Blog Part2(池田信夫氏のブログ)
日経NY特急便

2011年9月7日水曜日

輪廻転生が日本を救う?

■出稼ぎのススメ

そのようにメディアに植え付けられてきたせいだろうか。”国内空洞化”という言葉を聞くと、ネガティブなイメージしかわいてこない。

日経ビジネス2011年9月5日号

しかし、今回の日経ビジネス(2011年9月5日号)の特集は”出稼ぎ”のススメ ~空洞化が日本を潤す”となっていた。ファーストリテイリングの柳井会長、コマツの坂根会長、日産のカルロス・ゴーン社長、代金の井上社長といった名だたる企業のトップが「出稼ぎのススメ」をうたっている。国内消費の低下、新興国市場の急成長・・・そして円高。世の逆風を逆風として受け止めるのではなく、追い風に変えたほうが中長期的にメリットが大きい、というのがその根拠だ。

もちろん、反論もある。海外で雇用して海外で生産して海外で売り上げて、その利益をまた海外に投資して・・・では、いくら頑張っても、日本の雇用につながらず、中長期的な日本の景気浮揚策にはならない、というものだ。

そうは言っても、日本が出稼ぎによるメリットを享受しているという事実は否定できない、と記事は説く。記事では海外に出稼ぎしている企業が日本政府にどれだけお金をもたらしているかについても触れている。

確かに、今の状況を逆風にするよりも、追い風にするための工夫や努力をしたほうがよっぽど現実的なのかもしれない。そう感じた。

■輪廻転生が日本を救う?

ところで、もう1つ目の止まった記事がある。「ブータン公務員だより」という御手洗瑞子氏の記事だ。GNH(幸福度指数)の最大化を目指すことをビジョンとして掲げている国だ。

わたしはブータンにはもちろん行ったことがない。この国に話は神秘的にすら聞こえる。御手洗氏はその中で次のようなコメントをしている。

『(ブータンの人々は)人生のとらえ方が、私たち日本人とは違うのでしょう。「現世が全て」と考えていたら、思い通りにいかない時、取り返しがつかない気がして、つらくなる。反対に「来世もある」と考えれば、多少思い通りにいかないことがあっても、「まあいいか。次の人生がうまくいくといいな」と割り切れる。それがリラックスにつながっているのかもしれません。』

一瞬「なるほど・・・そういう救われ方もあるのか」と思った。

しかし、しかしである・・・ふと、思うのだ。いや、待てよ、と。逆に、こうはならないだろうか。

「来世があるさ。なのでさっさと死んじゃって次の人生にページをめくろう」と。

仏教の輪廻転生が年間30000人の自殺者を救う・・・と、一瞬、安直に思ったが、そう簡単な話ではなさそうだ。ただ、ブータンの人々は、日本人よりもストレスの少ない生活を送れているという点は否めないだろう。

【関連リンク】
苦悩するアメリカ
自殺率の国際比較

2011年9月4日日曜日

みなさん会社四季報って使ってます?

なぜアップルの時価総額はソニーの8倍になったのか?
(『会社四季報で読み解く ビジネス数字の秘密)
著者: 長谷川正人 出版社: 東洋経済新報社
発行年月日: 2011年3月14日 (価格:1,600円)

会社四季報なんて、私は読んだことがなかった。
  • ワケのわからん数字が小さい文字でギッシリと書かれている本
  • 就活のときにとりあえず読んでみる本
  • 読む、いや見るのにエネルギーのいる本
そんな印象だった。なんとなく好きになれなかった。どうしても数字を知りたければ、その企業のホームページ(IR情報)で公開されている情報を読めばいい。そう思っていた。

でも、本のタイトルが興味深かった。なによりも「食わず嫌いは駄目だ」という思いがあった。それが今回この本”なぜアップルの時価総額はソニーの8倍になったのか?に手を出した理由だ。

■楽しみながら財務諸表の読み方を学ぶ本

端的に言えば、この本は財務諸表の読み方、すなわち会社を数字から読み解く方法を論じたものだ。特徴は大きく2つ。論じるに当たって会社四季報の活用を前提としていること。そしてもう1つは、誰もが興味を惹きそうなテーマを引き合いに出している点だろう。

『最も元気のいいソフトバンクの安全性が低く、一時期は「1人負け」とされていたドコモの貸借対照表が圧倒的に良いのはなぜか?』
『トヨタの数字をよくみると意外にも借金も多く、多くの人が予想する「トヨタは無借金に近い優良企業ではないか」というイメージと異なるのはなぜか?』

こうした企業以外にも、グーグル、マイクロソフト、キリンホールディングス、アサヒビールなど、誰もがその動向が気になりそうな名だたる企業を事例に扱っている。

売上推移にはじまり、グループ会社の情報、セグメント別売上比率、営業利益率、自己資本比率、キャッシュフローにいたるまで、主要な数字の読み方について触れており、こうした数字を読み解きながら、各企業の戦略や体質の違いについて述べている。

ちなみに、この本では中に取りあげられている企業の四季報データがそのまま記載されているため、私のように会社四季報を持っていない人でも本の解説を理解するという点では何ら問題はない。

■会社四季報で全てが理解できるという意味ではない

サブタイトルには「会社四季報で読み解く ビジネス数字の秘密」とあるし、先ほど私自身も特徴の1つとして”四季報”というキーワードを挙げたが、気をつけなければいけないのはこれがイコール

「会社四季報さえあれば、この本が教えようとしていることを達成できる」

という意味ではないという点だ。数字の読み解きにあたっては、四季報データ以外の情報を頻繁にひっぱってきている。

たとえば本の第1章は、タイトルにも出てくる「なぜアップルの時価総額はソニーの8倍になったのか?」だ。ソニーとアップルの企業比較だが、お気づきだろうか? ソニーは日本の一部上場企業なので四季報にデータが載っているが、アップルは外国企業だ。会社四季報にはデータがない。それを補うために、本はいきなり第1章から四季報外・・・アップルの本社から財務諸表をひっぱってきて、解説を行っている(※もちろんこうした点については、本の”はじめに”で著者自身が注意を喚起しているが)。

本はあくまでも読者の興味を惹きつけようと”会社四季報”という言葉を全面に押し出しているが、実際は「四季報はあくまでも入り口の情報で、実際は色々なところから数字を集めて分析する必要がある」という大前提を理解しておくことが重要だ。

■なにはともあれ四季報を買ってみよう

決して難しい本ではない。社会人であれば誰でも読める。ただし少なくとも、財務諸表に出てくる基礎中の基礎・・・損益計算書、収益、営業利益、経常利益、企業価値といった言葉の意味自体は本を読む前に理解している必要があるだろう。本の中ではそういった言葉の解説はしていないからだ。

実際には会社四季報は役に立つと思ったし、四季報を読むため・理解するために必要な情報はこの本に載っているとも感じた。初めて四季報のデータを面と向かって読んだが、なるほど最低限必要な情報は全て、半ページの中に集約されている。

先に述べたとおり、最初に四季報を読んで会社の全体をざっと理解し、足りないと思う情報があれば、その会社が公開している情報からより詳しい数字をつかむ。そうやって理解する。こんな使い方だろう。

というわけで影響されやすい私は早速、会社四季報を買って使い始めている。

【関連書籍】
会社四季報 2011年3集 夏号 [雑誌]
「1秒!」で財務諸表を読む方法―仕事に使える会計知識が身につく本




2011年9月2日金曜日

生活保護の恐るべき実態

WEDGE9月号を読んだ。人生2回目。意外に読みたくなる記事が多い。

WEDGE9月号
ほぼ全ての記事を興味を持って読めたが、今回特に気になったのは、2つ。

  • ”防災力向上はハードよりソフトで、カギは「図上演習」”(吉井博明教授)
  • ”生活保護3兆円の時代”

■”防災力向上はハードよりソフトで、カギは「図上演習」

今回の震災以後ハード・ソフトと言う言葉が頻繁に聞かれるようになった。ハード(立派な設備や文書)よりもソフト(人の対応力)の向上を図ることが重要、と言う吉井教授の主張自体は目新しいものではない。ただ文中、解決策の1つとして触れている「ビジネススクールで行っているケースメソッドの災害版を実施すべきだ」は、面白いと思った。

ソフトの向上・・・と言えば何かと、体を動かす避難訓練のような演習や、特定のシナリオに基づく行動計画の検証が多いが、ケーススタディというのは実は意外にやっていない組織が多いのではないだろうか。理由は簡単。ケーススタディとして使えるようなまとめられた素材が少ないからである。ビジネススクールであればGEのM&A後の組織問題、ZARAのIT戦略の悩み、任天堂の経営戦略の行き詰まり・・・などなど、ケースが数多く用意されており、それをベースにディスカッションを行う。それと同じようなもの(災害版)がもっと頻繁に行われるようになると意義は高いように思う。ケースを自分でまとめてみようかな。

■生活保護3兆円の時代

生活保護を受けている人が増加傾向にあり歯止めがかからない・・・というお話。理由の一端は、制度自体が就労意欲を減退させる仕組みになっているということらしい。一生懸命働いてもらえる額が、生活保護でもらえる額よりも少ないことが少なからずあるとのこと(※都内23区にすむ単身者であれば約13万円が最低生活費もらえるそうだ)。

問題が深刻なのは、仮に就労意欲がわいて一生懸命職探しをしても職自体が見つからない・・・という実態だ。今後ますます国内空洞化、労働生産人口の減少が続いてゆくことを考えると、とてもとても抜本的な解決策なんてなさそうだ。うーむ。

わたしの小さい脳みそで考えつくことと言えば・・・もうこうなったら、仕事を与えてもらう側にいるのではなく、仕事を創る側にまわるしかないのでは・・・と個人的には思ってしまう。「そんなの無理だよ」と一蹴されるかもしれないが、13万円を保護費として渡して労働意欲をひたすら減退させるよりも、その一部を起業促進に向けてしまうってのはどうだろう。

もちろん起業促進なんぞ政府は言われなくてもやっているとは思うが、もっと極端に! 極端に・・・とは、とにかく、いつでも何度でも誰でも恐れずに起業に挑戦できる仕組み作り。特に起業に失敗した際の支援については日本はアメリカに比べてまだまだ遅れていると聞く。一度起業に失敗すると立ち直れないことが多い。株式会社といっても、日本ではお金を貸す銀行が社長個人を保証人にさせるからだ。しかも、世間ウケも悪い。アメリカのシリコンバレーなんかでは失敗の数は勲章の数だって言われてるくらいなのに・・・。

【関連リンク】
 ・WEDGE(公式HP)

書評: 3 行で撃つ <善く、生きる>ための文章塾

  「文章がうまくなりたけりゃ、常套句を使うのをやめろ」 どこかで聞いたようなフレーズ。自分のメモ帳をパラパラとめくる。あったあった。約一年前にニューズ・ウィークで読んだ「元CIAスパイに学ぶ最高のライティング技法※1」。そこに掲載されていた「うまい文章のシンプルな原則」という記...