2012年4月18日水曜日

量子ドット太陽電池

今週号2012年4月16日号の日経ビジネスについては昨日、書いたが、その後もう1つだけどうしても気になる記事があったのでブログに書いておきたい。

「量子ドット太陽電池」という技術の存在を初めて知った。

今、太陽光発電がホットな話題だが、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する変換効率の限界は30%とされている。ところが、この新技術によれば論理上75%まで高められるというのだ。もちろん、まだまだ研究に時間がかかるため、早くても実用化されるのは10年15年単位の話だろうが、とても魅力的だ。

余談だが、我が家では単結晶シリコンという技術を使った太陽光をいれたばかりなので、減価償却が終わる10年後ぐらいにはこの新技術が市場に出まわってくれていると嬉しい。

記事でも触れているが、太陽光パネルは価格破壊が進み激しい淘汰がはじまっている。パナソニックは収益の柱の1つに太陽光パネルの製造販売を据えていたが、数カ月で方向転換した。市場が激変している証拠だ。

「量子ドット太陽電池」の技術は、政府と民間と協力をして研究開発を進め、日本の強みの1つに育てていきたいという。

ぜひとも頑張ってもらいたい。

2012年4月17日火曜日

システムが止まる日

今週の日経ビジネス(2012年4月16日号)のテーマは「システムが止まる日」~トップの無関心が招く危機~

日経コンピュータのような見出しだ。職業柄、今回の内容は非常に役に立つ。昨今、起きたITシステム大規模障害の総括のようなものだが、これだけ技術が発達した今にいたっても、システムは止まる、すごく止まる、そして、社会にものすごい影響を与えていることが分かる。

とりわけ目を引いたのが、「さくらクラウド」の障害事例。今はやりのクラウドコンピューティング(自分のパソコンの中にではなく、インターネットの向こうに必要な情報やツールが全ておいてあるような便利な技術)というやつだが、さくらインターネットのそれが原因不明のシステム障害に悩まされているという。

世間ではなにかと「なに!?自社でシステム障害? ならクラウドサービスだ!」と騒ぎがちだが、自社で持つシステムを外に出したからといって、全てのリスクが解決するわけではないよ、といういい例だ。

それにしても、この事例でさらに驚くのは、1ヶ月近く立つ今(4月17日現在)にいたっても、障害が解決されていないという事実だ。いまだにシステムのパフォーマンス低下が発生し、顧客へのサービスに支障をきたしているという。

ここまで悲惨なケースは、なかなか聞いたことがない。

しかし、サービスを提供する側も、利用する我々の側も、明日は我が身だ、ということを忘れていはいけないと思う。

これを教訓にせねば。

さくらインターネットのトップページ(2012年4月17日現在)

さくらインターネットのお詫び文(2012年4月17日現在)

2012年4月16日月曜日

仕事リッチが読む本、バカを作る本


「仕事リッチが読む本、バカを作る本」

これは雑誌プレジデント2012年4月30日号のタイトルだ。なんとも過激なタイトルをつけたものだ。

読む本に、年収層別に傾向があるのか、ある場合はどんな傾向なのか、についての分析結果を発表している。

結論から言うとプレジデントは「ある」と言っている。しかし、この雑誌自身が認めているとおり、そもそも年収と年齢が微妙にリンクしている部分もあるため、果たして得られた傾向というものが年収によるものなのか、年齢によるものなのか、はっきりしていないような印象を持った。

どう読み解くかは読者次第だが、あまり雑誌の書いていることを鵜呑みにはしたくないものだ。

いずれにせよ、著名人がオススメしている本の中で、

「私が知らない本がないか」
「面白そうな本がないか」

といった観点で読むことができる。雑誌を読み終えた後、私のAmazonのウィッシュリスト(読みたい本一覧)は一気に10冊くらい増えた。


2012年4月30日号雑誌プレジデント

2012年4月10日火曜日

運命の人 in 渦中のひと

日経ビジネス2012年4月9日号を読んだ。

気がついて見れば一番時間をかけて読んでいたのは「渦中のひと」でとりあげられている西山太吉(たきち)氏の記事。西山太吉氏は、あの山崎豊子氏が書いた「運命の人」のモデルになった人とのこと。実際の事件は、西山事件というそうだ。

『沖縄問題の解決どころか、日米安保はますます「深化」していくのです。』

インタビュー記事の中で特に印象的だった発言だ。

「運命の人」を読み終わった時も、正直、そのような感想を持った。西山事件から40年経った今も事態は変わっていない、いや、それどころかむしろ悪くなっている。沖縄返還問題は相変わらず、日米の政策の具として使われ続けている。

ちなみに同記事の中で笑えた”くだり”がある。

『まず言っておきたいのは、ドラマが嘘っぱちだということ。あれはマンガだね。』

わたしは逆にテレビドラマを見ていないのでなんとも言えないのだが、氏のこの発言を聞くにつけ、テレビドラマを見て少しでも興味を持った人は、きっと原作を読んでみた方が良いのではないかな、と思った。

2012年4月5日木曜日

Ultra Wifi 4G(ウルトラ・ワイファイ・フォー・ジー)

WiMAX※を止めた。

※ワイマックス:外出先でもインターネットが手軽にできるサービスの1つ。

WiMAX(ワイマックス)を使っていた理由は、次の2つだ。

  • ラップトップにWiMAX機能が内蔵されたいたので手軽だった(荷物が増えない)
  • 上り・下りのスピードが速かった

しかし、分かっていたことではあるが肝心なときにつながらなかった。特に新幹線に乗っている時や地方出張に行った時はてんでダメだった。たとえば、北海道の江別や静岡の鷲津に出張した時、イーモバイルやドコモのクロッシィを使っていた周りの人は問題ないのにWiMAXの私だけが接続できなかったのだ。

そんな事件があってから、即解約。白羽の矢をSoftbankのUltra Wifi 4G(ウルトラ・ワイファイ・フォー・ジー)に立てた。

Softbank Ultra WiFi 4G


理由は、以下の4つだ。

  1. 既にiPhoneを使っていたため抱き合わせで割安になる
  2. カバーエリアが広い(4Gがダメなときは3Gでカバーできる)
  3. スピードが速い
  4. 年内に全国政令指定都市人口カバー率99%になる 
「2. カバーエリア」については、WiMAXで接続出来なかった江別や鷲津をしっかりとカバーできることを事前に確認できたので不満はなかった。

また、「3. スピード」については現在4Gでつながるエリアは少ないものの、つながった時のスピードはWiMAXよりも速かったのを確認できた。これはさすがだ。ちなみに、上りの速度は同じ程度だった。

4つのメリットを挙げたが、もちろん既に感じている不満もある。大きくは以下の2点だ。

  • バッテリーが短い
  • 荷物になる(今まではPC内蔵だったため)
バッテリーの短さはさすがにちょっと悲しい。連続通信時間は3.5時間。待受けしてるだけでも約10時間がマックス。だからこそ、付属品として予備バッテリーがついてるわけだが、いよいよ、荷物が増えて迷惑だ。なお、予備バッテリーを使うと連続通信時間は+5.5時間、トータルで9時間になるそうだ。


予備のバッテリー(荷物が増える一方・・・トホホ)

これからまたさらにしばらく使ってみるともっと見えてくるものがあると思う。その時にまた書きこみたい。とりあえずは以上だ。

2012年4月1日日曜日

書評: 日本でいちばん大切にしたい会社

「会社はいったい誰のものだろうか?」

日本では、まだまだ「会社は創業者のもの」という風潮が強い。大王製紙の創業者なんぞは「自分の子供だぞ、好きにして何が悪い」とでもいいたいのだろう。

MBAでは会社は「株主のものである」ということを嫌というほど叩きこまれた。しかし、この考え方も、短期的利益を追求する株主に舵をとっていた会社の多くがリーマンショックで潰れ、大いに雲行きが怪しくなった。

最近では「社員のもの」という声も多く聞かれるようになった。その根底には「社員が幸せでなくして、どうしてお客様を幸せにできようか」という考えがある。

さて、困った。いったい誰のものだろうか。

ここで一歩下がって、自分が経営者だったら自分の会社に何を求めるだろうかということについて考えてみる。

毎年、増収増益する会社?
いい人材が一杯集まってきてくれる会社?
営業をかけずとも向こう(お客様)から来てくれる会社?
社会全体が応援してくれる会社?
売上は増えなくても永続できる会社?

このように経営者として会社に望むことを列挙していってみるとある一つのことに気がつく。そう、結局、社員、取引先、顧客、地域社会、株主・・・そういったステークホルダーみんなが満足感を得られなければ達成できないことばかりなのだ。

誰を第一優先におくかは企業によって違うだろうが、いずれにしても会社は誰のものでもない。最終的には「みんなのもの」なのだ。

思えば、経営雑誌のハーバードビジネスレビューでは、このことをマルチステークホルダーアプローチ(全てのステークホルダーを幸せにすることを軸においたアプローチ)と呼んでいた。また実際にこれを体現して成功した会社もある。「みんなから尊敬される会社になること」を掲げ、この信念を貫いてきたIT開発会社、インフォシスである。

しかし現実には、経営者のほとんどは明日のキャッシュを獲得することに忙殺されて、こうした当たり前のことを実現できてはいないのではなかろうか。私も会社を経営する立場だが、全く偉そうなことを言えた立場ではない。

ただそうではない会社もたくさんある。6,000社を優に超える企業を直に訪問し、自らの目で確かめてきた男が、厳選に厳選を重ね、現実にマルチステークホルダーアプローチを体現できている会社5社を紹介しているのがこの本だ。

日本でいちばん大切にしたい会社
著者: 坂本光司
発行元: あさ出版

社員の7割が障害者の会社、48年間増収増益を続ける会社、さびれた商店街で右肩上がりの成長を続ける会社などが紹介されている。

世の中には「経営戦略」や「マーケティング」、「営業」を強化するためのノウハウ本がゴマンと出ているが、それらはあくまでも売上をアップ(あるいはコストカット)させるための手段に過ぎない。それよりももっと前に、会社が取り組むべき重要な本質が本書には描かれている。

著者は語る。日本で一番大切にしたい会社は「継続できる会社」である、と。会社経営で成功している人は奢らないようにするために、苦しんでいる人は成功の光を見出すために、読んでおきたい本の1冊である。





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