2016年4月5日火曜日

書評:ストーリーセラー

久々の小説。


ストーリーセラー(著者:有川浩)を読んだ。なぜって、書店の目立つ場所にランキング1位と掲げられ置かれていたからだ。

カセットテープよろしく、A面とB面といった2本仕立ての小説から構成されている。両方とも、夫婦の話。両方とも、彼女の方が小説家という設定。両方とも、彼女の夢を支える素敵な旦那さんという設定。両方とも、どこまでがリアルでどこまでが架空の話か、その境界がわかりにくい。異なるのは・・・もちろん、エンディング。

ほのぼのとした、でもリアリスティックな結末の話。2つの夫婦の人生を追体験できた。なかなかとらえどころのないオチはなんだったんだろう・・・と考え込んで、ページをぱらぱらとめくってなんでも読み返してしまった。なんでこの本が1位なのか、どうしても腑に落ちなかった。何が面白いのか。

でも読んでからしばらく・・・1時間ほど経って、ふと、結婚した誰の人生でもA面かB面のどちらかの話に当てはまるのかもな・・・と気がついた。自分にこれから降りかかる人生はA面なのかB面なのか。そう考えると、なんとなく他人事で読んでいたこの小説が自分ごとに思えてくる。

もし、作者がそれを見越して本書を書いたのなら、それはなんかすごいことだと思う。でも、やっぱりなんか腑に落ちない。私には、向いてない本がだったのかも。

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