著者: 堀江貴文
堀江貴文が、日々何を心がけ、どういう努力をし続けてきているのかを紹介した本だ。いろいろなメディアで見かけるので、おおよその生き方は知っていたつもりだが、本書を読んでみて、彼の究極まで突き詰めた無駄時間の排除には改めて驚く。ちなみに、「そもそも無駄なことを排除することがいいことなのか?」「無駄にも意味があるだろう!」などといった反論が聞こえてきそうだが、無駄の定義は人それぞれだし、それは揚げ足し取りだと思うので、ここではそうした議論は取り上げない。
価値観の違いはあってしかるべきだから、読んだこと全てを受け入れ、マネする必要は全くないが、「おっ、これは使える」とか「確かにそうだ」とか・・・刺激となったものは私にとっても、いくつかあったようだ。
たとえば無駄な会議を減らす方法についての話。わたしの会社の会議が増える一方で困っているのだが、メーリングリストの活用など実は実践できてない。トライする価値があると思った。
また、「今の時代アイデアの価値はなくなってきている。アイデアはでつくしているし、自分が思いつくアイデアなど既に転がっているものばかりだ。ゆえに、成功するかしないかの違いは、良いアイデアを思いついたかではなく、それをやったかどうか・・・それだけだ」という堀江貴文氏の発言には、ぐうの音も出ない。実行力の大切さを普段から意識し、実践を心がけてはいるが、まだまだ腰が重い方だと思う。
そんなことを気づかせてくれる本書だが、「上には上がいる。自分がやっている努力などたかが知れている。」と思わせてくれることが、私にとっては何よりも価値があることだった。わたし自身本をたくさん読んでいるし、ニュースアプリや各種媒体から情報もたくさん入手するし、モノをたくさん書くし、公私ともに日々自分に足りないところを感じれば改善の努力をし続けているつもりだ。それなりに頑張っていると思うのだが、ビジネスマンとしては彼の足下にも及ばない。でもそう思わせてくれるので、また明日から突っ走れる。
さて、井上ひさしの時にも感じたが、堀江貴文は一家庭人としてとか、一人間としてどうか・・・などといった問いかけをすると、その答えは怪しい。そこは当人も本書の中で(チャレンジの多い人生を送りたいとか、何かを成し遂げたいとか、思っている中で、全てにバランスをとろうだなんてそんなきれい事は通用しない。ずるい、などと)述べている。ただしビジネスマンとしての堀江貴文には、学ぶべきところが大いにあると感じる。彼の言動に嫌な感じを覚え、嫌い・・・という人もいるだろうが、少なくとも彼の努力は本当に尋常じゃないほどすごいと思うし、そこは私は素直に尊敬している。
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