2016年2月11日木曜日

記事評: Can you employee really speak freely? (従業員はあなたに自由に話しかけることができるか?)

2016年2月号のハーバードビジネスレビューで次の記事が目にとまった。

Can you employee really speak freely? (従業員はあなたに自由に話しかけることができるか?)

なぜなら、私の会社でも果たして従業員が本音を語ってくれているだろうか?と不安に思うからである。この問いは最近メディアを騒がせているような事象も想起させる。コンプライアンスに関わる事件事故を引き起こした会社の足下でも、こうしたことが課題になっていたのではないだろうか。

私が知っている言葉に“集団浅慮”というものがある。「あるテーマに対し周りの判断が何かおかしいな」と、あなた1人違和感を感じていたとする。ところが、マジョリティーがオーケーだと言う判断をしているわけだから、その雰囲気に呑まれ、「あ、おかしくないんだ」と、違和感がかき消されてしまう。せっかく違和感をもっていてもとりあげられず、結果として大きなミスや事故を回避できない事態を引き起こしてしまうような集団心理を指す。こうした心理はまさに組織におけるコミニケーションの円滑化を難しくするものだ。

企業はこうした状態に陥いらないようにそれなりにコミュニケーションの円滑化に向けて、努力をするがなかなかうまくいかない。この記事もそれを指摘する。

『最近の企業では匿名のユーザーアンケートやオープンドアポリシー(いつもあなたの上司もしくはその上の上司へのドアはあいています!悩みがあればいつでも相談に来て下さい・・・という会社方針)などで、従業員が気軽にコミュニケーションを取れる環境を作るよう躍起になっている。が、その効果は期待するほどではない。なぜなら匿名といっても本当にどこまで匿名性が守られるか、怪しいからだ。皮肉なことに、会社が課題と感じて解決に向けて取り組もうとすれば、ある程度誰が言ったかなどは推定できてしまう場合も少なくない。オープンドアポリシーにしても、あまりに受け身であり、従業員にとってはハードルが低くない。』

ではどうすればいいのか? まさにその部分がこの記事の趣旨である。大雑把にポイントをまとめると以下のようなものだ。

  • 定期的かつカジュアルな会話機会を頻繁に持つ
  • 直接現場に足を運び話しかける
  • 相手がリラックスできる(少なくとも上司のオフィスではない)場所を選ぶ
  • 相談したらきちんと「アクションをとってくれるんだ」と思ってもらえる信頼を勝ち取る
  • 仮にアクションは取れない場合は、誠意を持って何らかの回答を返す
自ら従業員に積極的に話しかけているか?・・・そして、従業員があなたに話しかけたくなるような雰囲気作りに努めているか?・・・が大事なのだと思う。皆さんの企業での取り組みはこうした要件を満たすものになっているだろうか?

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