できる人はなぜ、本屋で待ち合わせをするのか?この「ひと工夫」が一流の人生を作る。
著者: 臼井由妃(うすい ゆき)
出版社: 翔泳社
■誰が書いた、どんな本か?
ビジネスで成功を収めた主婦が書いた自己啓発本。ビジネスで成功するための基本的な心構えや、時間の使い方、発想力を高める方法など、「成功する人のシンプルな習慣37」と題して、紹介している。
どれだけ成功した方かと言うと、日本テレビの「マネーの虎」で、投資家たる審査員の側で出演していたほどの方・・・とのこと。お金の面では、相当な成功者と言えるのだろう。ちなみに、ネット上では年商20億円以上を稼ぐ・・・という数字が出ていた。
プロフィールを簡単に拝見すると、
- ガンに倒れた夫の後を継ぎ、専業主婦から健康器具販売の社長に転身
- 独自のビジネス手法で通販業界で成功をおさめる
- 多額の負債を抱えていた会社を優良企業に変える
- マネーの虎に出演し人気を博す
と、ある。
■成功する人のシンプルな習慣37とは?
「いったいこの行列はなんだろう?」
こうした時、あなたは立ち止まりますか? それとも、スルーするでしょうか?
工夫上手な人、アイデア豊かな方、仕事ができる人は、必ずと言っていいほど、行列を見つけたら立ち止まります。ある金融機関の支店長は、移動中でも・・・
(できる人はなぜ、本屋で待ち合わせするのか? ヒットを生み出す発想法より)
と、こんな感じだ。
■本書最大の特徴は?
さて、私は書評を書く際に、その本にしかない魅力について触れるよう最大限努力しているが、さすがに世に溢れる自己啓発本ともなると、もうそうした魅力を見つけるのは至難のワザと言わざるを得ない。それが嘘偽りのない感想だ。そうした中でもあえて、本書の魅力を挙げるとすれば、私は次の3つではないかと思う。
1つ目は、主婦・・・いや、女性が書いた本であるということ。文章に柔らかさを感じるとかそういうこともあるが、女性目線で書かれている・・・と感じるときがあり、それが男性読者には考えたこともなかった新鮮みを感じさせ、女性読者には親しみを感じさせる・・・そんな効果を生んでいるのではないかと思った。たとえば、37の習慣の1つに「家事の工夫から仕事を学ぶ」というものがあるが、これなんかまさにそう。
2つ目は、「シンプルな(習慣)」という形容詞に現れているように、本当にシンプルな指摘であること。悪く言えば当たり前、よく言えば誰もがおさえてソンはない基本中の基本・・・そんな内容が紹介されているのだと言える。
3つ目は、表題がキャッチーであること。本そのもののタイトルもキャッチーだと思いますが、37の習慣それぞれにつける表題がこれまたキャッチー。たとえば、「ブラジャーについて本気で考える」「机はギリギリまで小さくする」「忙しいときは桃太郎をゆっくり語る」・・・こんな表題を見ると、「いったい何が書いてあるんだろう?」と興味をひかれてしまう。それが比較的上手だと思う。
■誰が読むのがいいか?
自己啓発本の書評の最後はいつもこんな感じになってしまうが、既にこれまでに類書を何冊も読んできている人に、改めてこの本を読むことはおすすめしない。もし、類書をそれほど読んでいなくて、他の本よりも先に、この本にたまたま出会った・・・という人ならば、手を出してみたらどうかと言いたい。とりわけ、著者自身が女性であることから、女性の方・・・そして、内容のシンプルさから新人ビジネスマンなどに向いているのではないかと思う。
先述したように、キャッチーな表題が多いので、ぱらぱらっとめくってみて、「おっ!?これ何だろう?」と目を引いた表題のみ、目をとめて読んで見る・・・そんな読み方をするのもアリではないかと。
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