2021年9月18日土曜日

書評:ポジティブの教科書

 「朝目覚めたら『起きる』という行為をまず楽しむ。それから顔を洗って、歯を磨いて、髪を整えるといった一連の行動すべてに意識を集中して、楽しんでいくんです。」

NewsPicksの記事で、武田双雲氏のインタビュー記事を見て、「ヤバイ。この人、面白い!」と思ったのが本書を買ったきっかけ。

(参考)インタビュー記事
https://newspicks.com/news/4224963/body/

ポジティブの教科書
著者:武田双雲

早速、読んだ。冒頭のクダリほど、インパクトのある内容をもらえたわけではないが、まぁまぁ、期待値どおりの本だった。氏のポジティブシンキングを支える哲学は(本書でも述べられているが)おそらく次の3つである。

  • 幸せを与えること
  • 幸せであることに「気づくこと」
  • 幸せな言葉を発し、幸せな態度をとること

特に一点目は、アダム・グラント氏の本「GIVE AND TAKE -与える人こそ成功する時代」に通ずるものがある。これだけ様々な実証者がいるのだから、(誤解を恐れずに言えば)「正解」であるに違いない。

本書は概念的な話にとどまらず、テクニック的な話も書かれている。例えば、「嫉妬をした時の対処方法」について。武田氏は、「他人の成功は自分にとってのマイナスではないはず。だから、嫉妬している相手の幸せや成功を願うのです。」と述べていル。

また、「イライラすることへの対処方法」について。「大事なことはイライラしないことじゃなく、イライラを溜めない、イライラを増やさないイライラを長引かせないこと」だと述べる。ちなみに私が「なるほど」と思ったのは、「日常でよくイライラしてしまう事象を書き出してみてください」というアドバイス。実際、私も書き出してみたが、いわゆる自分の「イライラポイント」というものがほぼほぼ決まっているということに気がついた。こうやって書き出して観察してみることで、じゃぁ、こういうイライラポイントに直面した時にどうしたらイライラしないで済むか・・・そうしたことを客観的に考えることができるな、と感じた。

まぁ、ポジティブシンキングの本は文字通り、ゴマンとあるが、この本はこの本でなかなか読みやすく面白かった。

それにしてもなぁ・・・。この類の本はこれまでにもう何冊も読んでいるはずなのに、時間が経つと、忘れてしまうようだ。先にあげた「ギブアンドテイク」の本のこともすっかり忘れていた。似たような本を読んだことがあっても、刷り込みという意味で、手を出すのもありなのかもしれない。

明日からもう一度気を引き締め直して生きてみよう。

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