最近、High Output Managementやエッセンシャル思考など、当たり本が続いたので、その類似本を読めば引き続き楽しめるだろうと思い、Amazonが自動的に推薦した本に飛びついた。
GIVE AND TAKE ー「与える人」こそ成功する時代
著者:アダム・グラント
本書は、一言でいうなら「日本の諺である”情けは人の為ならず”を実証した本」である。
もう少し詳しく解説すると、人間の性格を、見返りを求めないギバー、見返りを得るために与えるマッチャー、得することしかやらないテイカー・・・の3タイプに分けて捉え、「なぜ、ギバーが最も得をするのか?」を解説した本である。
本書には「なるほど」と頷ける指摘がいくつも登場するが、ここではその中の1つを紹介しておきたい。ギバーがやっていることの話の中で著者が「責任のバイアス」について触れているのだが、その理由の説明が目から鱗だった。なお、「責任のバイアス」とは、夫婦やカップルの両方に対して「自分が家事にどれだけ貢献しているかを割合で答えてください」という質問をし、双方から提示された割合を足しこむとなぜか100%を大きく超えてしまう傾向がある、つまり、人には「自分の貢献度を過剰評価する傾向がある」ということを指す。
著者は「責任のバイアス」に陥る理由を次のように説明している。
「もっと強力で有望なもう1つの要因がある。それは『受け取る情報量の差』だ。人間は『他人がしてくれたこと』より、自分が『してあげたこと』に関する情報をより多く手に入れる。自分がした努力は全てわかっているが、パートナーの努力については一部を目撃するに過ぎない。だから誰が偉いのかを考えるとき自分自身の『してあげたこと』をよりわかっているのは当然だ・・・(中略)・・・お互いの貢献度を正しく判断するカギは、「他人がした貢献に注目すること」である。それには、自分自身がやったことを評価するまえに、相手がしてくれたことをリストにするだけでよい」(本書より)
夫婦・カップル間の家事問題に限らず、似たような摩擦が至る所に生じると思うが、こんなに明快に解説してくれた本には初めて出会った。
ただ究極の学びはおそらく「何かをしてあげて・・・損をしたな」と感じることがあるとしたら、「そう考えること自体が損だ」ということだろう。もちろん、得することばかりしか考えない人にそれをするとこちらが食い尽くされるだけだが、そうではな人に対して、いちいち損得勘定で付き合っても自分が損するだけなのだ。
そんなわけで、なんとも単純すぎる話でお恥ずかしい話だが、私も今日からギバーを目指したいと思うw
テイカーの傾向にある人はもちろん、世の中全ての人が読むべき本だろう。著者の狙い通り、私のように「あ、ギバーになろう」と思う人が増えていけば、世の中の幸福度がましていく気がする。
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