2010年6月11日金曜日

メールアドレスの価値

今日のBBCのニュースに、「今、話題のApple社の iPadを利用するユーザ(米国)114,000人分のメールアドレスがハッカーによって不正取得された」とのニュースが出ていた。

この事実が判明したのは、実際のこの不正行為を行ったハッカーグループ(Goatse Security)が、そのような声明を行ったため、とある。いわゆる”なりすまし(あたかもインターネット上で、当人であるかのように装うこと)”を使ったハッキング手法により、AT&T社のウェブサイト上からユーザのメールアドレスを簡単に取得できたらしい。メールアドレスの中には、著名人の者も含まれており、個人情報保護の観点からインパクトは大きいとしている。

さて、記事中メールアドレスの価値について言及している。セキュリティ専門家によれば

「今やメールアドレスの価値は低い。なぜなら、我々はメールアドレスをいたるところで公にさらしているからだ」

という意見もあれば、

「いや、メールアドレスの価値は高い。メールアドレスそのものに価値はないかもしれないが、価値ある情報(機微情報など)を引き出すための”鍵”になるからだ」

という意見もある。

両方とも正論だ。両方とも正しい・・・だからこそ、個人的にはメールアドレスの価値を議論してもあまり意味はないだろうと思う。そういったことよりも、

「企業や個人は今後メールアドレスの取り扱いに対して、どのような対策をしていけばいいのか?」

という点が重要だ。

「メールアドレスはバレるものである」

という観点に立ち、バレても困らないような対策を打っていかなければならない。もう何年も企業が躍起になって対策を考えているが、スパムメール防止の仕組みを強化するだとか、あるいは、原点に立ち返り、認証時にメールアドレスをIDとして使わせないように配慮するなど、考えていく必要がある。ユーザ個人も、バレたときのことを考えて、不正に使われてもあまり困らないメールアドレスを普段から用意しておくことが肝要かもしれない。

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