「なんだ読みにくい分厚い本なのか?」
と誤解を招くかも知れない。そういうことではない。むしろ読みやすい本だ。単に、読もう読もう、と思いながら、ここ1ヶ月ほどずっと鞄に入れっぱなしになっていただけのことだ。どうも仕事の隙間時間に「ビジネス書を読もう」という気になれなくて、1ヶ月もの間、単なる重石がわりになっていた。
さて話題を本に戻して考えてみる。「ピクト図解って、なんだろう」と、ふと思うわけだが・・・。
意味したいことをシンプルな絵文字で表すツールに「ピクトグラム」と呼ばれるものがある。言葉が通じなくてもそのシンボリックな絵を見れば、それが何を意味しているか一発で分かる簡単な絵のことだ。一番わかりやすい例が、トイレに使われるサインだ。どこに国に行ってもトイレのマークがあれば、それがトイレを意味しているものだと、みな直感的に分かる。
タイトルにも使われている「ピクト図解」とは、この「ピクトグラム」の絵を駆使してビジネスモデルを見える化する手法のことだ。著者が開発した手法らしい。別の言葉で言い換えると、ともすれば複雑怪奇に見えるビジネスモデル、すなわち、企業が収益をあげるためのお金とモノの流れ(構造)を簡単に図式化してしまおう、というわけだ。
著者は、どんな場合も、おおよそ8つの代表的なピクト図解を使ってビジネスモデルを描くことができると言う。
1. シンプル物販モデル (例:たこ焼き屋)
2. 小売りモデル (例:コンビニ)
3. 広告モデル (例:グーグル)
4. 合計モデル (例:居酒屋)
5. 二次利用モデル (例:音楽アルバム)
6. 消耗品モデル (例:プリンター)
7. 継続モデル (例:YahooBB!)
8. マッチングモデル (例:結婚相手紹介所)
なるほど、確かに、これら基礎になる8つのモデルを抑えておくこと、そして、ピクト図解の描き方を覚えておくことで、企業のビジネスモデルをA4ノート紙1枚の上に表現するのも難しいことではなさそうだ。そして、一旦、見える化ができれば、そこからはちょっとした発想の転換で「ピクト図解」を変形させて、新しいビジネスモデルを生み出すこともできる、と著者は言う。
全体的に読みやすく、一度手に取れば一気に読めてしまう。ただ、個人的な感想としては、1,500円のビジネス書としては若干物足りなさを感ぜずにはいられない。上記手法の紹介がメインテーマで、後は、
「ピクト図解を駆使して色々なものを見える化してみよう」
という感じの終わり方だ。上記に挙げたような代表的なビジネスモデルを既に知っている人には、特に物足りなさを感じるかも知れない。
「この本を読んで、自分だけのビジネスモデルが湧き出しそうな気がしてきたか」といえばそうでもない。
もちろん、発想の転換手法の1つとして、このようなアプローチの仕方を知っておくのは有効であると思う。実際、著者自身、この手法を使ってこれまでに様々なお客様のピンチを救ってきたようである。
ブックオフで買うのがちょうど良い、そんな感じの本である。
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