久々に自分にとっては大ヒットの本だった。
この本は、英語に関する超お手軽な勉強本だ。英語といっても文法や熟語ではなく、英語の冠詞に特化した本だ。英語の冠詞とは、aやtheを指す。そう、a dogなのか、dogsなのか、 the dogなのか、dogなのかといった言葉の意味や違いを理解し、正確な使い分けスキルを身につけさせることを目的とした本である。
実は英語の学習で1番難しいのは冠詞の使い方だ。英語を学習する者にとっての最後の難関といっても過言では無い。私も英語は苦手な方ではないが、もう何年も前から冠詞に関しては気にかけてきた。だがいまだに完璧からは程遠い状態である。冠詞なんぞ、そんな細かいことにこだわって意味あんの?という声もあるだろう。実はあるのだ。昔、アメリカ人相手にコンサルをしていた時に、何気に「君の会社の課題を見つけた」(I identified an issue)と言ったときに、アメリカ人からan issue? issues? the issues? the issue?と聞き返された。Because that makes a big difference (だって、それによって全然意味が違うぜ)と。そのときだ。初めて冠詞の大切さを実感したのは。
本書はそうした問題を解決してくれるのにとても有効な本である。あまりにもありがたくて、買ってからまだ1週間もたたないが、私は既に3周目に突入した。冒頭で久々の大ヒットであると述べたが本書の何がそんなにいいのか? 一言で言えば、抑えるべきところが全て抑えられていて、なおかつ、1番大事なポイントをおさえているからである。「抑えるべきところが全て」とは次のような点である。
・ネイティブの解説付きである
・分厚すぎない適度なボリューム感である
・練習問題もある
・Kindleもある
そして「1番大事なポイント」とは、本の8割を練習問題で占めているという事実である。これは大きい。古今東西どんなスキルを身につける場合でも最終的には実践に勝るものはないと思うのだ。実は、以前、やはり冠詞を勉強すべく「実践日本人の英語 マーク・ピーターセン著」を読んだことがある。俺はこれで非常に役に立った。ただ理解するのと実践するのとはまるで違う。その意味で本書は実践重視の構成を取っているので、本当の意味でのスキルアップに役立つ。
コーヒーはすばらしい香りがします。
( ) Coffee has ( ) wonderful aroma.
(本書より)
上記のような設問が全部で192問ある。
ちなみに本書をやってみて改めて感じたのは英語の冠詞は、全て綺麗な法則で片付けられないものもあるということだ。だからこそ、繰り返しになるが実践が重要なのだと思う。
ターゲットになる読者は狭いと思うが、もし英語の冠詞を勉強したいと言う人、文法ある程度習得していてさらにスキルアップを図りたいという人には間違いなくお勧めの1冊だ。個人的には移動中の電車で手軽にできるKindle版をお勧めする。
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