2021年5月1日土曜日

書評:スマホ脳

 最近、有名な「スマホ脳」を読んだ。

スマホ脳(新潮新書)

スマホの長時間利用については、これまでいろいろな噂を耳にしてきたが、ここいらで改めてしっかりと理解をしておきたいと思ったからだ。

スマホがどうしてだめなのか、できるかぎり客観的な立場から語ってくれていて、読みやすい本だ。

読んでいると、「鬱との関連性」や「睡眠不足との関連性」「集中力不足との関連性」など、これまでもなんとなく聞いたことがあるような話が登場する。スマホのブルーライトは太陽光と同じで、それを大量に浴びていると、脳がまだ「昼日中」だと勘違いしてしまい、寝付きが悪くなるという話も、聞いたことがある。

ふむふむ・・・と読み進めて、「あ、そうなのか!」と思ったのは、「スマホの存在が人を鬱にしたりとか、集中力を失わせれたりとか・・・」、実はそういうことではなく、スマホの存在が、ストレス発散につながる活動時間や機会を奪ってしまう、ということが一番の問題だということだ。つまり、スマホは中毒性があるので、なかなか手放せず、運動する時間も減るし、(ブルーライト効果とも相まって)寝不足にもなるし、(実は人を不幸にするリスクが高い)SNSから離れる機会も奪ってしまう。

こういう話を聞くと、スティーブ・ジョブズや、ビル・ゲイツが自分たちの子供にスマホをある年齢までは持たせなかった、というのも頷ける。要はどうやって中毒性のあるスマホを手から離して、他のことに時間を使えるようにしてあげられるか、ということだ。

あえて逆説的に言えば、スマホを使っていても、運動も人との交流もSNSを見ないことも適切にできている人なら問題ないのかもしれない。


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