2012年11月24日土曜日

オンリーワン戦略 vs 事業継続

日経新聞2012年11月23日(金)朝刊の記事「iPadが液晶採用、シャープ救えるか(ルポ迫真)」は示唆に富んでいる。

シャープのオンリーワン戦略・・・その結晶であり、生き残るため”最後の綱”である最新液晶技術IGZO(イグゾー)が、同時にシャープを苦しめる理由にもなっている・・・その苦悩に言及した記事だ。

飛ぶように売れているApple社のiPadには、シャープの液晶が採用されている。

しかしiPadを買っても、液晶パネルがIGZOとは限らない。新型iPadには、シャープ製のIGZOと韓国サムスン電子などが作るアモルファス液晶という2種類のパネルが混在しているからだ。それが消費者に分からないよう、アップルは性能で勝るIGZOの解像度をわざと落としている。(記事抜粋)
記事はシャープの苦悩にスポットライトを当てたものだが、ここに出てくるApple社のリスクマネジメント戦略もとても興味深い

それは”どんなに製品が良くても、一社しか供給できない状況にはしない”複数購買戦略のことだ。もちろん、バイイングパワーが伴わなければできないことだが、画質を落としてでも複数社からの仕入れを実現させる・・・この姿勢には正直、驚いたし・・・だが、他のグローバル企業が見習うべき点がある。

調達先を複数にしておけば、事故・災害などにより、そのうちの一社が供給停止に陥ったとしても購買する側の企業は事業継続が可能になる。そして、もちろん価格競争をさせることにより調達価格自体を引き下げることにもつながる。

日本メーカーの多くは、今、二社購買にすることができずに困っている。オンリーワン企業が多い
からだ。しかも、仮に調達先(一次サプライヤ)を二社にしても、その先のどこかでつながっているケースは少なくない。しかし、一方で事故・災害は待ってくれない。それどころか日増しにリスクは高まっている。ニューヨークを襲ったハリケーン(サンディ)、タイの大洪水、東日本大震災・・・日経ビジネスによれば、「10ヶ月に1回は世界のどこかで大災害が起きている計算になる」そうだ。

「よりいいものを!」は確かに顧客の持つ強いニーズだが、「事業継続できるものを!」も、また顧客の持つ強いニーズと言えよう。オンリーワン戦略は、供給者側にとって(生き残るために)重要だが、需要者側にとっては「よりいいものをより安全に」が重要となるわけだ。

供給者側はこのパラドックスを、解けるのか。あるいはパラドックスであるとおもうこと自体間違いなのか。今流行の事業継続計画(BCP)は、その答えとなるのか・・・。

「顧客のニーズ(課題)解決をできる企業が生き残る」という事実を念頭においたとき、日本企業は、果たして、どのような戦略をとることができるだろうか。

【関連リンク】
 ・日経新聞社(公式HP)
 ・Apple社(公式HP)
 ・シャープIGZO紹介ページ

===オンリーワンがリスクマネジメント戦略を凌駕!?(2012年12月23日追記)====
最近、読んだ記事に、企業が求める答え(選択肢?)の1つたりうるものがあったので、ぜひ紹介しておきたい。YKK株式会社会長の言だ。

『例えばジーンズの米リーバイ・ストラウスはかつて、部材については自社商品の生産に支障を来さないように2~3社から同等のモノを仕入れることができるようにする方針だった。ところが、当社からファスナーを購入するようになってからは当社1社にしたいと言ってきた。いいモノを責任をもって供給してくれるので、リスクヘッジのため複数社に発注するよりもYKK1社の方がいいという判断だった』(日経ビジネス2012年12月24日号 吉田YKK代表取締役会長兼CEOに関するインタビュー記事より引用)

うーむ。なかなか・・・色々ありますな。

2012年11月23日金曜日

映画: ミッション・インポッシブルⅣ

DVDで「ミッション・インポッシブルⅣ(ゴースト・プロトコル)」を観た。 

だが実は借りるまでにすごく・・・そう2週間近くも悩んだ。

毎週レンタル屋に足は運び、このDVDが目にとまるのだが、どうしても手を伸ばそうという気にならなかった。ミッション・インポッシブルは、なんだかんだで一作目から三作目まで全て観てきて嫌いではない。むしろ好きだ。だが、どうしても手が伸びなかった。

 なぜなのか!?・・・いや、くだらない理由だ。「自分の貴重な時間を、水戸黄門ばりのお約束ストーリーを見ることに費やすことに本当にいいのか!?楽しめるのか!?」。そんな理由だ。

 いま思えばDVDの前に立って「うーん、借りるべきか、借りざるべきか」と悩んでいた時間のほうがもったいなかった。さっさと観てハラハラドキドキ・・・そして爽快な気分を味わっておけば良かった・・・そう思った。

今回はなんと、トム・クルーズ扮するイーサン・ハントが所属するIMFが強敵出現により、解散の危機に追い込まれる。絶体絶命の大ピンチ。(例によってまさに)ミッション・インポッシブル(遂行不可能)!

単にハラハラドキドキだけではなく、コミカルなシーンもある。まさに喜怒哀楽・・・全てが2時間に詰まった映画であり、エンタメとして十分に完成された映画だと思う。

その意味では、先日観たバトルシップなんかよりはるかに満足度が高い。 2時間ほどリラックス・・・(ハラハラしてるときはリラックスにはならないが)・・・したい・・・そんな人にはもってこいの作品。


2012年11月18日日曜日

書評: 「進化する教育」 ~あなたの脳力は進化する!~

今週は献本サイトReview+(レビュー・プラス)からもらった宿題本。

「進化する教育」 ~あなたの脳力は進化する!~
大前研一通信・特別保存版 PARTⅥ
大前研一、ビジネス・ブレークスルー出版事務局 編著

本書は、大前研一氏が経営するMBA大学・・・ビジネス・ブレークスルー(BBT)大学とその提携校である豪州ボンド大学大学院・・・のプロモーション本である。プロモーション本とはつまり・・・、
  • BBT大学の教育理念とは何か?
  • BBT大学の特徴とは何か?
  • BBTのカリキュラムはどんなものか?
  • BBTに参加している人たちの声はどんなものか?

など、同大学について、あらゆる角度から解説をしている、という意味だ。200ページほどのボリュームがあり、あたかも”大学院パンフレットの超豪華版”といった印象だ。ちなみに紙版と電子書籍版の2つがあり、電子書籍版はiPhone、iPad、Android、Tablet版PCや普通のパソコンなどで閲読できる。

どれどれ・・・どんなことが書いてあるんだろう。

恐る恐る本を開くと、最初から大前研一節が目に飛び込んでくる。今の日本人が世界で戦えていないワケ(今の日本人に欠けているモノ)が、熱く語られている。

『・・・世界中どこに放り出されても裸一貫で生きていける「生存力」を子供に身につけさせる、これこそが教育の目的のはずなのである。ところが、いまの日本の学校はどうかというと、学習指導要領に基づいて、先生が生徒にこれが正しいという答えを教えるという愚行を、あいも変わらずやり続けている・・・。』

大前氏は「これからの人材に求められるモノ」を、はっきりと、IT力、論理的思考力、コミュニケーション能力(=英語)の3つだと主張する。まさにそれを提供する場がBBT大学であるというわけだ。

本書最大の特徴は、”分かりやすさ””具体性”に尽きるだろう。さすが、論理的思考力をウリにする大学だけあって、「主張」、「理由」、「それを裏付ける具体的な証拠」・・・全てが明瞭完結にまとめられている。思わず「一流コンサルタントが大学院パンフレットを作るとこうなる!」と言い換えたくなるくらいだ。また、授業で取り上げられたケーススタディ及びその時のオンラインディスカッションの生の記録(一部)が記載されており、BBT大学で実際に何が行われているかが手に取るようにわかる。通信制のMBA受講をとるべきかどうか悩んでいる人が知りたい情報全てが載っているといっても過言ではないだろう。

1つ・・・留意事項を挙げるとすれば、当然だが、本書はBBT大学の欠点についてはほとんど振れていないという点だ。先にも触れたように、おそらく「受講すべきかどうか」を検討する人が読む本だろうが、そこは冷静かつ客観的に読むように努めるべきだ。BBT大学は基本的に通信制大学院(わずかだがキャンパスでの授業もあるようだが)だ。だから、キャンパス通いで得られるメリットは享受できない。たとえば、私はヨーロッパの大学のフルタイムキャンパスでMBAを取得したが、そこには40超の国から参加した学生と触れ合うことができた。グローバルな付き合い方(グループワークで喧嘩したほどだ)、生きた英語でのコミュニケーション、国際的な著名人のひっきりなしの講演、海外工場の見学・・・など、キャンパスでしか体験できないこともある。7年経過した今だからはっきり言えるが、そしてこれらは全て今の仕事の糧になっている。

勘違いしてもらいたくないのは、BBT大学を否定するつもりは全くない、ということである。むしろ、大前氏の主張にも、同大学の意義・・・にも賛同している。お金と時間をかける以上、効果的・効率的な手段を選ぶのは当然だ。通信大学も選択肢に入れている人であれば、本書も1つの貴重な判断材料とすべきだ。

フルタイムキャンパスに通うのは難しい、時間もお金もそこまではかけられない・・・でも本気で今の殻を打ち破りたいと思っている・・・そんな30代前半から40代の闘うビジネスマン・・・色々な手段を知り、自分の将来の選択肢を増やす・・・そう考えている人に1500円(電子書籍は600円)は決して高くないはずだ。

【関連リンク】

2012年11月11日日曜日

顧客第一主義の意識を社内に根付かせる方法


ハーバードビジネスレビュー(HBR)2012年11月号の「How I Did it」(私はどうやったのか)は、ドイツの総合電機大手シーメンス社長兼CEOのピーター・レッシャー(Peter Loscher)氏の記事。

あのオリンパスのガバナンス問題が子どものように見える。シーメンスでは2007年とんでもない汚職事件が発覚した。事業受注をめぐり、各国の当局者らに13億6000万ドル(約1230億円)の賄賂を贈っていたことが分かったのだ。結果、2008年12月には米国やドイツ当局に総額約10億ユーロ(約1240億円)の制裁金を払うこととなり、当時の社長は引責辞任した。

ちなみに株価の変動を見る限りでは、この事件がどれだけ組織の企業価値に影響を与えたのか、よく分からない(あまり下がってないような・・・(-_-;) )

まさにこの苦難の時期に社長を引き継いだのが、この記事の主人公、ピーター・レッシャー氏だ。彼はいわゆる”プロパー”ではなく、ゼネラル・エレクトリック(GE)から引きぬかれてやってきた外部の人間だ。そんな彼が、どうやってこの組織を建てなおしたのか。

「人の意識を変えなければならない。しかも100年以上も続いてきた意識を・・・」

気の遠くなる仕事・・・それだけは容易に想像がつく。

記事にはビジネスに参考になる話がたくさん見つかるが、中でも「顧客第一」を社内に浸透させるため彼がとった手段の1つが印象的だった。

全てのCEOと役員の前年度の(アウトルック)カレンダー履歴をひっぱってきて、過去1年間に彼らがどれだけ顧客に会っていたか・・・その時間をグラフ化しランキングをつける・・・これを毎年続けるようにしたそうである。

最初の3年間こそ、(本人曰く、残念ながら・・・)社長であるピーター・レッシャー氏自身が1位だったらしいが、その後、ランキングが変わっていったとのこと。

このような話を聞くと「カレンダーなんぞに登録された情報に果たしてどこまで信ぴょう性があるのか」「顧客にどれだけ会ったかが、本当に”顧客第一”につながるのか」「CEOや役員の間に数値で優劣をつけて関係がぎくしゃくしないか」など・・・わたしのような素人は、ついつい「できない理由」をすぐに挙げてしまう。

しかし実はこれほど、シンプルかつ明瞭で、実践的な手段はない・・・かもしれない。本当にレッシャー氏自身が考えついたの?と勘ぐりたくなるほど、いいアイデアだ。きっと、前職とか顧客などからヒントを得たに違いない・・・。まぁ、それはさておき・・・、その効果の程はどうだったのか? 

「”顧客に耳を傾ける”というビジネスの原点」
「それを何としてもやりとげるという社長の強い意思」
「そしてそれを実践させる明瞭簡潔な手段」

とても勉強になった。

HBR 2012 Nov
【関連リンク】

2012年11月8日木曜日

書評: これが週間こどもニュースだ

「クローン人間はなぜダメなのか?」

これを小学生に伝えなければいけないとしたら・・・あなたならどう伝えるだろうか? 知りたい方はぜひ次の本を読んでいただきたい。

これが週刊こどもニュースだ
著書: 池上彰
出版社: 集英社文庫

この本を読むと
  • 人にわかりやすく伝えることがいかに大切か?
  • 人にわかりやすく伝えることがいかに難しいことか?
  • どうすればわかりやすく伝えられるのか?
が分かる!

なお、タイトルにある「週刊こどもニュース」とは、大人向けに報道されるニュース番組の内容について、子供にも理解できる言葉に噛み砕いて解説するNHK番組のことだ。ちなみに、番組は1994年10月から放映が開始され、2010年12月19日に放映が終了している。

■「週刊こどもニュース」を徹底解説

本書は、「週刊こどもニュース」の(初代)メインを担当した池上彰氏が、番組の表側と裏側を余すところなく紹介したものだ。

ここで言う”表側”とは番組でとりあげた時事ニュースやそこで使われる専門用語の解説そのもののことである。本では「日本銀行」にはじまり、「ゼネコンの談合」、「政治家の不正経理処理」、「衆議院と参議院」、「比例代表制度」、「逮捕状」、「警視庁と警察庁」、「GDPとGNP」、「円安と円高」などなど、子供のみならず一般の大人でも、正しく理解できてなさそうな基本用語について解説している。映像番組とは異なり、文字だけに頼った説明(多少、挿絵もある)ではあるが、いわゆる”今更、人には聞けない”事柄について知ることのできる、絶好のチャンスだ。ここで詳しくは紹介しないが、興味のある方はぜひ本を手にとって確認して欲しい。

”裏側”とは「番組編集側がニュースの中身や専門用語を視聴者にわかりやすく伝えるためにどんな苦労・工夫をしたか、発見があったか」といった裏話のことである。たとえば「日本銀行」の役割を説明する際に、お金を”血”、日本銀行を”心臓”に例えた話や、「談合」の意味を理解してもらうために、実際に演劇仕立てにした話など、が紹介されている。この”裏側”を読んでいると、単に”伝え方の技法”だけでなく、何かを人に伝えることの難しさ、それでいてなお、伝えることの意義について、気づかされる。

まさにこの点で印象的だったのが「職員のカラ出張問題について浅野知事が、子供インタビュアーからインタビューを受けた際」の事例話だ。

(池上氏)『浅野知事はカラ出張について、当初は「公金支出の不適切な処理」などと説明していたのですが、子供には通じません。なんとかわかってもらおうと表現に苦労しているうちに、とうとう知事は、「要するに、ウソついちゃったんだよ」と言ってしまいました。これを聞いた子供は、「えー、ウソついたのー?」と反応し、カラ出張の意味がようやくわかりました。」 この発言について知事は、後日、「子供になんとか理解してもらおうと苦心しているうちに思わず出た言葉だったが、このようにわかりやすく表現したことで、たいへん悪いことをしていたことがはっきりした」と述懐しています。』(本書より)

「”理解した”とは、それを他人に分かるように伝えられてはじめて言えることだ」とは良く言ったものだが、はからずも、子供に正確にモノゴトを伝えることを通じてコトの重大性を真に理解できた、ということなのかもしれない。

■「伝える」→「理解する」→「疑問を持つ」→「鵜呑みにしないクセがつく」→「考えるクセがつく」

ところで興味深かったのは、本書を読んだお陰で多くの疑問が解決できた・・・のではなく、むしろ疑問が増えた、ということだ。

たとえば温暖化についての話を読んだ時のこと。

『氷が溶けて海の水が増えます・・・(中略)・・・気をつけなくてはいけないのは、氷山が溶けても海の水は増えないということです。これ小学校の理科でやりましたよね。南極の(大陸の上に乗っかっている)氷が溶けて一部氷山になって海にただよいだせば、その段階で海水面が上昇しますが・・・』(本書より)

これを読んで「おー、そうだよな。今まで何も考えず、南極の氷山が溶ければ海水面が上がると考えてたけど、既に海に浸かっている・・・というか、浮かんでいる状態の氷は、溶けても海水面に影響を与えないよな。」と改めて理解したわけであるが、その瞬間、次のような新たな疑問がわいたのである。

「あれ、でもテレビでたまに”北極・南極の氷が溶けて海水面が上がるので・・・”といっているのは間違いじゃないのか? なぜなら、北極に大陸はなく、あるのは全て海に浮かんだ氷の塊なのだから・・・」。

理解がまた新たな疑問を呼ぶのである。本書を読みながら、わたしも何度、インターネットで調べ物をしたことか・・・。しかしながら、このように新たな疑問を持てることは大変素晴らしいことだと思う。疑問を解決するために自らまた調べ始めるわけだが、こうしたプロセスを繰り返していくうちに「何かをすぐに鵜呑みにしないクセ」すなわち、「自分で考えようとするクセ」が身につくからだ。

本書のお陰で、”人に伝えること”が究極的にどんな意味を持つか・・・、その本質を理解できたような気がした。

■とにかく読むのが楽しい本

池上氏の著書には「伝える力」という本があるが、”伝え方の技法”、”何かを人に伝えることの難しさ”、”伝えることの意義”を理解するという点では、「こどもニュース」にまさるものはないのではなかろうか。楽しみながら読める本・・・という点でも、秀逸である。

「週間こどもニュース」を見たことのない方、あるいは、本書を読んだことのない方は、ぜひ、ご一読あれ!

【類書】
 ・伝える力(池上彰)

2012年11月3日土曜日

トップによる透明性の貫徹

2012年11月5日号「日経ビジネス」。

「実践の奥義」・・・は、米P&Gアジア統括責任者、桐山一憲へのインタビュー記事だった。ワークライフバランスが主な話のテーマだったが、氏の次の一言が印象的だった。

『(部下にはワークライフバランスの重要性を説いておきながら)社長は別だ、俺がやるわけにいかないよ」というのは、少なくともP&Gでは通用しない。働く前提条件に関しても、自分が音頭をとる以上は、同じでなければならい。この「透明性の貫徹」は、トップに立つリーダーにとっては一番タフな仕事だと言える。』

タフな仕事・・・いや、すごく実践が難しいと思う。トップに立つ人には、仕事が山ほどある。でも、実践しなければならない。そして実践する。

僕も最近そんな境地に立っているので、妙に共感できた。

日経ビジネス2012年11月5日号

書評: 3 行で撃つ <善く、生きる>ための文章塾

  「文章がうまくなりたけりゃ、常套句を使うのをやめろ」 どこかで聞いたようなフレーズ。自分のメモ帳をパラパラとめくる。あったあった。約一年前にニューズ・ウィークで読んだ「元CIAスパイに学ぶ最高のライティング技法※1」。そこに掲載されていた「うまい文章のシンプルな原則」という記...