2013年8月25日日曜日

月刊VOICE9月号「中国バブル崩壊に備えよ」について

月刊VOICE9月号は、「中国バブル崩壊に備えよ」が特集テーマ。

『(新聞やテレビが福島第一原発の所長の功績をたたえる一方、津波対策をおろそかにした面もあったという点について・・・)あまりにひどい誤解だといわざるをえません。そうした報道に接するたび、私は吉田さんがかわいそうに思えてならない。そもそも、吉田さんが津波対策をおろそかにした事実はありません。逆に、津波対策についていちばん積極的だったのは吉田所長です。』
(「追悼・吉田昌郎元所長」における門田隆将氏の発言より)

感想)先日、聞いたTBSラジオ「ボイス!そこまで言うか」にて全く同じことを青山繁晴氏が触れていてそのとき青山氏は、「元所長が吉田元所長が3/11が起こる前に、3/11クラスの津波を想定した防潮堤をつくることに反対したのは事実・・・といっておられた。こちらVOICEでの門田隆将氏の発言を聞くと、いったいどちらが正しいのか、あるいは、どこからどこまでが事実で、どこからどこまでが誰の意見なのか・・・わからなくなってしまった。ただし、少なくとも、吉田元所長は誰よりも被害最小化に尽力した人である・・・ということだけは間違いないという印象を持った。


『肝臓を患った50歳の男性がいる。移植以外に手立てはなく、移植しなければあと1年いきられないかもしれないと医師に宣告されている。血液型が適合するのは弟のみ。血液型が適合すれば兄は助かるだろう。ただし、弟には妻とまだ幼い子供がいる。合併症が起きる可能性もあり、死亡例もゼロではないとなれば、家族が心配だ。だが、移植に同意しなかった場合、弟は兄の死に罪悪感を感じるだろう。兄を救えるのは自分だけ、という場合、弟が最終的に臓器提供に同意したとして、それは完全な自由意志と言えるだろうか』
(「生体臓器移植の悩ましさ」にて、”ドナーは決して強制されて決まるものではない”という考えに対しての最相葉月氏の発言から)

考えたこともなかった。自由意志って、形式ばっかり整えても、満たされないものだな・・・そんな簡単に満たせるモノではないのだな・・・と気づかされた。


『中国経済はいま、イノベーションを起こし、新しい製品を創り出さなければならないステージに達しています・・・(中略)・・・共産党政府と密接に結びついた特定の企業の力が強すぎて、新しい製品を創り出すエネルギーになる競争力が確保されていない。これではいつまで経ってもイノベーションは起こせません。将来的に中国経済には、日本が味わった苦難が大幅に増大されたかたちで表れてくると思います』
(「エリートの既得権が国を滅ぼす」の「先進国の後追いは必ず行き詰まる」というダロン・アセモグル氏の主張より)

中国は近い将来崩壊する・・・と言われて久しいが、その最たる理由として挙げられるのは、やはり共産党の締め付けだ。いまはまだ経済成長が進み、ジワジワではあるが、豊かになっていくのを実感できている間は既存政党をひっくりかえそうという気持ちは起こらないが、成長が止まったとき・・・不満が爆発してひっくりかえる可能性がある・・・というものだ。この話は良く聞いていたが、次の成長のためにはイノベーションが必要なこと、そして、政府の今のやり方がイノベーションを抑制していること、この2点を挙げて中国崩壊に言及する記事は(個人的には)新鮮だった。納得感がある。


『(円谷)社内で「(ウルトラマンティガ・ダイナ・ガイアのいわゆる平成三部作について)一番組当たりの収支をつけていない」という・・・(中略)・・・。ところが、制作費と著者区件収入を対比して精査すると、実際は大赤字でした。作品ごとの収支を管理していないので、出費に歯止めがかからず、経費がどんどん出ていく。』
(「ウルトラマンと中国進出の難しさ」より)

この記事を読んで感じたというより、びっくりしたのは、円谷プロダクションがそんなひどい状況だったという事実だ。また、中国進出の難しさは確かに興味深かったし・・・確かに難しいとは思うが・・・それ以上に、そんなことも予期せずに海外進出しようだなんて・・・失敗するべくして失敗した・・・としか感じられなかった。反面教師の記事にはなったと思う。


『ガダルカナル島から未帰還のパイロットは半分以上が撃墜ではなく、自ら墜落して亡くなったと。なぜか? じつは帰還中、パイロットが疲労のあまり睡魔に襲われ、意識を失ってしまうからです。帰路、横を飛んでいる僚機がすーっと高度を下げていく。零戦には無線がないから起こすこともできない。そうして命を失った戦友の姿を、幾度も見たそうです。』
(ゼロの懸けた祖父たちの思い」渡辺昇一氏と百田尚樹氏の対談から百田氏の発言より)

感想)当時の指揮官や軍部を非難する根拠には枚挙にいとまがないが、「なんなんだろう・・・このむなしさはいったい」といった想いばかりがこみ上げてくる・・・。

2013年9月号月刊VOICE

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