さてさて。いや~、久々にいい本に巡り会った
成田空港にある書店で、いつも持ち歩く”読みたい書籍リスト”を参考に、楽しく読めそうな本を探したのだが、本がどれも見つからず、かといって手ぶらで飛行機に乗る気にもならず、何気なしに機内で時間をつぶせそうな本を物色していた。その際にふと目にとまったのが、この本。
「日本人が誤解する英語」光文社(マーク・ピーターセン著) 724円
僕の仕事には、英語が必須と言っても過言ではない。クライアントの半分が、英語のネイティブスピーカーだからだ。そして彼らは、日本人のコンサルタントだからと言って、稚拙な英語で書かれた報告書に高いお金を払ってくれるはずもない。
そんなわけで、読める、書ける、話せる、聴ける、の4拍子そろうことがどうしても必要になる。英語にそれなりの自信はあるが、ネイティブが求めるレベルの正確性・・・という点になると「まだまだ」と言わざるを得ない。そんな悩みをおおいに手助けしてくれる
それがこの本だ。どのようなレベルの正確性についてのお話か・・・というと、たとえば
I like a dog(名前は言わないがある犬が好きだ)
I like dogs(犬が好きだ)
I like the dog(あの例の犬が好きだ)
I like the dogs(あの例の犬たちが好きだ)
I like dog(犬の肉が好きだ)
上記表現の違いについて正確に解説してくれるレベルだ。
これ以外にも
・will, be going to, will be ~ing
・have, make, get to, let
・would, will, could
などなど
高校受験のときには、同じものとして習うような単語が、実は全く用途が異なる、ということについて懇切丁寧に解説してくれている。
何よりも、この本が優れているのは、単に表現の違いを例をあげて説明するだけでなく「どうしてそんな正確性を求める必要があるのか」、その訳についてわかりやすく説明してくれている点だ。
たとえば、日本人にしてみれば、
I like a dog と表現しようが(間違えかも知れないと分かっていたとしても) I like dog と表現しようが、対して違いはないだろう・・・
と思うだろう。しかし、それは日本人にとってみれば、
とある建物の入り口(いりぐち)に、人口(じんこう)という張り紙をはっておくようなもの・・・ほどの違いがある・・・と著者は説明する。ちなみに、英和辞書の説明や高校での説明の仕方に大いに原因がある、と著者は提起している。著者が、英語のネイティブでありがながら日本人以上に日本語や日本文化に精通しているからこそこういった説明ができるのだと思う。
いやぁ、とてもためになった一冊。まさに、最近ずっとこのテーマについて考えていたので、自分がすごくパワーアップできた気がして、読み終わった後とても幸せになった。
なお、英語の勉強はまだこれから・・・という人や、英語は通じれば十分・・・というような人、には必要のない一冊。ターゲット読者は少ないだろうが、洗練された英語を求めたい人にとっては、ハマると感動する一冊になることは間違いない。
・実践 日本人の英語(マーク・ピーターセン著)