2010年8月31日火曜日

書評: 日本人が誤解する英語

再び、戻ってグランドラピッズ。今回は、8月30日から9月4日までの滞在予定だ。

さてさて。いや~、久々にいい本に巡り会った

成田空港にある書店で、いつも持ち歩く”読みたい書籍リスト”を参考に、楽しく読めそうな本を探したのだが、本がどれも見つからず、かといって手ぶらで飛行機に乗る気にもならず、何気なしに機内で時間をつぶせそうな本を物色していた。その際にふと目にとまったのが、この本。

「日本人が誤解する英語」光文社(マーク・ピーターセン著) 724円

僕の仕事には、英語が必須と言っても過言ではない。クライアントの半分が、英語のネイティブスピーカーだからだ。そして彼らは、日本人のコンサルタントだからと言って、稚拙な英語で書かれた報告書に高いお金を払ってくれるはずもない。

そんなわけで、読める、書ける、話せる、聴ける、の4拍子そろうことがどうしても必要になる。英語にそれなりの自信はあるが、ネイティブが求めるレベルの正確性・・・という点になると「まだまだ」と言わざるを得ない。そんな悩みをおおいに手助けしてくれる

それがこの本だ。どのようなレベルの正確性についてのお話か・・・というと、たとえば

I like a dog(名前は言わないがある犬が好きだ)
I like dogs(犬が好きだ)
I like the dog(あの例の犬が好きだ)
I like the dogs(あの例の犬たちが好きだ)
I like dog(犬の肉が好きだ)

上記表現の違いについて正確に解説してくれるレベルだ。

これ以外にも

・will, be going to, will be ~ing
・have, make, get to, let
・would, will, could
などなど

高校受験のときには、同じものとして習うような単語が、実は全く用途が異なる、ということについて懇切丁寧に解説してくれている。

何よりも、この本が優れているのは、単に表現の違いを例をあげて説明するだけでなく「どうしてそんな正確性を求める必要があるのか」、その訳についてわかりやすく説明してくれている点だ。

たとえば、日本人にしてみれば、

I like a dog と表現しようが(間違えかも知れないと分かっていたとしても) I like dog と表現しようが、対して違いはないだろう・・・

と思うだろう。しかし、それは日本人にとってみれば、

とある建物の入り口(いりぐち)に、人口(じんこう)という張り紙をはっておくようなもの・・・ほどの違いがある・・・と著者は説明する。ちなみに、英和辞書の説明や高校での説明の仕方に大いに原因がある、と著者は提起している。著者が、英語のネイティブでありがながら日本人以上に日本語や日本文化に精通しているからこそこういった説明ができるのだと思う。

いやぁ、とてもためになった一冊。まさに、最近ずっとこのテーマについて考えていたので、自分がすごくパワーアップできた気がして、読み終わった後とても幸せになった。

なお、英語の勉強はまだこれから・・・という人や、英語は通じれば十分・・・というような人、には必要のない一冊。ターゲット読者は少ないだろうが、洗練された英語を求めたい人にとっては、ハマると感動する一冊になることは間違いない。

【類書】
 ・実践 日本人の英語(マーク・ピーターセン著)

2010年8月25日水曜日

アメリカ(ミシガン州)のお寿司屋さん

さる8月21日グランドラピッズ(ミシガン州)のお寿司屋さんに行ってみた。MIKADO(ミカド)という名前のレストランである。きっと”帝”をモジっているのだろう。

ぱっと見たお店の雰囲気は、

忍者タートルズ

の世界である。なんか、全て造りが大げさで、日本のように見えない。お店の中なのに、大きな瓦屋根のレプリカがある。障子のついたてが、わざとらしく見える。


アメリカの和食のお店がみんなこんななのではなくて、きっと、たまたま僕らの入ったお店がこんなだっただけなのかもしれない。そう思いたい。実際、レストランのオーナーは韓国人のようだった。

同僚が先日、お刺身を食べたみたいだが、上手くなかったとのこと。そんなわけで、寿司屋に入ったのに、寿司を頼む気にもならず、かわりに、よっぽどひどく料理をしてもまずくはならないだろうという勝手な直感で、親子丼を食べることにした。


そしたらこれが正解。決して、すごく上手いわけではないが、十分、かといってまずいわけでもない。ランチとして食べたがこれで7ドルは、海外にしては十分手頃だなと感じた。


ちなみに、この日、一緒に行った同僚はカツ丼を頼んでいたが、あまり上手くなかったと言っていた。

親子丼とカツ丼を並べて写真を撮ってみたが、まったく見分けがつかない(笑)


おまけ:同僚が食べていたトンカツ定食

2010年8月21日土曜日

アメリカのお寿司屋さん

さる8月21日グランドラピッズ(ミシガン州)のお寿司屋さんに行ってみた。MIKADO(ミカド)という名前のレストランである。きっと”帝”をモジっているのだろう。

ぱっと見たお店の雰囲気は、

忍者タートルズ

の世界である。なんか、全て造りが大げさで、日本のように見えない。お店の中なのに、大きな瓦屋根のレプリカがある。障子のついたてが、わざとらしく見える。


アメリカの和食のお店がみんなこんななのではなくて、きっと、たまたま僕らの入ったお店がこんなだっただけなのかもしれない。そう思いたい。実際、レストランのオーナーは韓国人のようだった。

同僚が先日、お刺身を食べたみたいだが、上手くなかったとのこと。そんなわけで、寿司屋に入ったのに、寿司を頼む気にもならず、かわりに、よっぽどひどく料理をしてもまずくはならないだろうという勝手な直感で、親子丼を食べることにした。


そしたらこれが正解。決して、すごく上手いわけではないが、十分、かといってまずいわけでもない。ランチとして食べたがこれで7ドルは、海外にしては十分手頃だなと感じた。


ちなみに、この日、一緒に行った同僚はカツ丼を頼んでいたが、あまり上手くなかったと言っていた。

親子丼とカツ丼を並べて写真を撮ってみたが、まったく見分けがつかない(笑)


おまけ:同僚が食べていたトンカツ定食

イスラム教・イン・アメリカ(続)

昨日、CNNで興味深いニュースをやっていたので取り上げておきたい。

さて、ここで質問。


「オバマ大統領の宗教は何だと思うか?」






仏教?・・・






イスラム教?・・・







そう、正解はキリスト教である。







では、次の質問。


「アメリカではこれまでイスラム教徒の大統領を持ったことがあるか?」







答えは、否である。






何をいいたいんだ? 当たり前の話をして・・・と言われるかも知れない。





CNNが「オバマ大統領は何教徒だと思うか?」というアンケート調査を国内で行ったところ、

イスラム教徒と回答した人・・・18%
キリスト教徒と回答した人・・・34%

だったそうだ。つまり、5人に1人が”オバマ大統領はイスラム教徒である”と誤解しているのである。では、何でそんな誤解が生まれたのか? 

CNN曰くメディアの影響が一番の要因であるとのこと。

たとえば、インターネットで「The president Obama is Muslim(オバマはイスラム教徒である)」というフレーズで検索をかけると、なんと約1,500万件もの記事がヒットする。有名な動画サイトのYouTube(ユーチューブ)でも、誤解を招く映像が編集されて公開されているとのことだ。

さらに興味深いのは、Time Magazineで、より詳しい意識調査をやっており、以下のような回答が得られたことだ。

イスラム教徒は、最高裁判官に不適任である・・・28%
イスラム教徒は、大統領選挙への参加を許されるべきでない・・・32%
イスラム教徒は、愛国心あるアメリカ人ではない・・・25%

この調査結果といい、「グラウンドゼロの近くにイスラム教センターを建設する」ことについての論争といい、911のテロ事件は、アメリカ人に暗い影を落としているようだ。

イスラム教・イン・アメリカ

今、アメリカが揺れている。

911のテロで倒壊したワールドトレードセンターの跡地、グラウンドゼロ。そこから数百メートル離れた場所に、イスラム教のモスクを建設するという話が浮上してきたためだ。

アメリカ国民の80%が、この建設に反対をしている。

反対の理由は色々あるが、一番の理由は、テロリスト達が崇める宗教のシンボルが、惨劇のあった場所のすぐ側に建てられるというのは心情的に耐えられない、というものだ。それ以外にも「イスラム教への信仰がアルカイーダという過激派グループを生み出したのは事実だ。だからイスラム教全体の問題であり、そのような宗教のシンボルの建設を許す訳にはいかない」と息巻く人もいる。先日のアメリカの議会では「建設費は100億ドル(8,500億円)がかかる。そんなお金はテロリストが支援しないと集まるお金じゃない。建設の裏には絶対テロリストがいるはずだ。調べるべきだ」と発言する国会議員もいた。

一方で、賛成する人たちは「あれはあくまでもアルカイーダという一組織(過激派グループ)が起こしたテロでしかない。あのテロの犠牲になった中にはイスラム教徒も多数いた。つまり、あの事件は、非イスラム教徒に対して起こされたテロではなく、(どの宗教に入っているかは関係なく)アメリカ国民全員に対して起こされたものだ。あの事件をもって、アメリカに住むイスラム教徒は悪であり、だから、モスクを建てるのは駄目だ、と決めてかかるのはナンセンスである」と主張する。さらに、モスクの建設がテロとつながっているかもしれないという証拠が全くないのに、推測だけで”調査をしろ”というのは宗教の自由の侵害、すなわち憲法違反である、と主張する。憲法を否定するということは、アメリカそのものを否定することに他ならない。

なお、ここで言う憲法とは、アメリカ合衆国憲法修正第1条(1st Amendment:ファーストアメンドメント)である。

【原文】
Congress shall make no law respecting an establishment of religion, or prohibiting the free exercise thereof; or abridging the freedom of speech, or of the press; or the right of the people peaceably to assemble, and to petition the Government for a redress of grievances.

【和訳】
評議会では、次に掲げる項目につながるような法律を制定してはならない。宗教の設立を促すこと、宗教の設立を妨げること、言論の自由または出版の自由を奪うこと、平和的な集会へ参加する権利に干渉すること、そして、政府に対して不公平となる救済措置を訴えること

先日の議会演説でオバマ大統領は「誰にでも、グラウンドゼロの近くにイスラム教のモスクを建てる権利がある」と明言した。80%以上の国民が建設反対を訴えている中で、勇気ある発言だと思う。日本の国会議員だったら、国民に色目を使う必要があるので、決して、白か黒か発言していなかっただろう。

今後の動向に注目したい。

2010年8月18日水曜日

書評: 日銀を知れば経済が分かる

私は現在、仕事でアメリカはグランドラピッズ(ミシガン州)にいる。今回の滞在予定は1週間だが、日本で1週間滞在したのち、また、すぐに、こちらにとんぼ返りの予定だ。

そんな中、今回の海外出張の際に、なけなしのお金を使って本を2冊買った。そのうちの1冊を読み終わったので、備忘録的な思いも込めて、ここに書いておきたい。

その1冊とは「日銀を知れば経済が分かる」(平凡新書出版) 池上彰 著だ。

池上彰氏と言えば、日本テレビの「世界一受けたい授業」でも良くみかける有名な人である。

難しい事柄をわかりやすく説明してくれる人

そんなイメージがある。だから、つい、この本に手が伸びた。

実際、中身はタイトルほどは堅苦しくなく、日本の中央銀行(日銀)の仕事について、わかりやすく解説してくれている。自分は記憶力はそれほどいいほうではないので、今回、この本を読むことで、薄かった記憶をリフレッシュすることができ、また、誤った記憶を訂正することもできた。さらには、時代の流れとともに、私が当時学んだこととは実態が大きく変わってきていることなどについての”気づき”もあった。

とにかく比較的心地よく読めた1冊である。

内容について触れておくと、日銀の生い立ちをはじめとし、その存在意義、その役割、日本政府との関係、アメリカが持つ中央銀行との違いや、うんちく的な話まで、様々な話題を幅広くカバーしている。

参考までに、単なる”うんちく”ではあるが、個人的に面白い!と思ったテーマを1つ2つばかり、挙げておく。

うんちく・その1) 「紙幣1枚あたりの製造コストはいくらか?」

紙幣1枚に、現在14円~15円の製造コストがかかっているらしい。面白いのは、これがアメリカだと1枚あたり4セント(約3円)という事実だ。いかに日本が偽造対策に注力しているのかが分かる。

うんちく・その2) 「市場に出回っているお金のうち、1万円札が占める割合はどの程度か?」

市場に出回っているお金は現在約76兆4,615億円(2008年時点)。このうち1万円札が占める割合は、54.1%。なんと半分以上が1万円札で占められている。1万円札というと高価なイメージがつきもので、全体に占める割合もさほど大きくはないかなと思ってしまいがちだが、事実はそうではないらしい。

と、こんな感じだ。

上記以外の、より具体的な中身について、その全てを書き写すわけにはいかないが、この本を読むことで、改めて頭の整理ができた”キーワード”を以下に列挙しておく。

日銀券、公定歩合、日銀考査、政策委員会、国債、基準貸付利率、買いオペ・売りオペ、政府紙幣、コールレート、日銀特別融資、国庫金、強制通用力、ゼロ金利政策、量的緩和政策、インフレ・デフレ、日銀短観、金融経済月報、展望リポート、さくらリポート


さて、最後に、このブログを読んでいる物珍しいみなさんにテストをしてみたい。



テスト: 「日銀の役割3つを、簡単に述べよ」






正解は...






「銀行の銀行」(銀行間取引の決済を行う)
「政府の銀行」(国庫金の管理を行う)
「日銀券の発行」(お金を発行する)



この3つである。経済に少しでも興味がある人で、上記質問の回答をすんなり思いつかなかった人、この人たちには、オススメの一冊になると思う。


2010年8月13日金曜日

書評: スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン

今回のタイトルは「スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン(人々を惹きつける18の法則) カーマイン・ガロ著」だ。意外と分厚くて400ページ近くある。

「何故、この本を知ったのか?」

それは、最近聞き始めたTBSのDig(ディグ)というラジオ番組での紹介がきっかけだ。僕は気になる書籍があるとすぐに携帯にメモをとるようにしている。この本の紹介を聞いたとき、気がつくとメモをとっていた。

「何故、この本を買ったのか?」

今思えば、この本を買う気になったのは「プレゼン」と「Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)」という2つのキーワードが心に響いたからだ。

「プレゼン」という言葉に心が向いた理由は、「仕事柄プレゼンをする機会が非常に多いため、どうやったら、今以上に上手にプレゼンをできるようになるのか」ここ数年来、そればかり考えていたからだ。実際、この本を読む前には、やはりプレゼンに関わるマッキンゼーの本を読んだばかりだった。

そして、「スティーブ・ジョブズ」。彼のプレゼンが多くの人々を魅了するものである、ということを僕はよく知っていた。彼の「スタンフォード大学での卒業式の祝辞」はあまりにも有名だ(ただしこれはプレゼンではなくスピーチだが・・・)。これ以外にも、様々な新製品の発表のときに、何気ないそぶりで最高の演出・プレゼンをする。

「読み始めてどう感じたか?」

正直、最初は「うーん」と(悪い意味で)唸ってしまった。というのも、もっともらしいことを述べてはいるのだが、よくよく読むと「ジョブズは、なにが凄いだの」「これが凄いだの」と書いてはあるのだが、著者のその表現の大半が単に大げさな比喩を使っているだけで、あまり目新しさを感じることができなかったからだ。たとえば、著者のプレゼン向上のテクニックの1つに「プレゼンには必ず悪役を登場させろ」という言い回しがある。なんのことはない、これは「必ずプレゼンの中で解決させたい課題を明確にしなさい」ということを言いたいだけだ。本当、大げさだ。

ところが・・・

である。初めは多少馬鹿にしながら読んでいたが、読み進めていくうちに自分の知らなかったポイントや、なんとなく知ってはいたけれども、そこまで明確に意識していなかったな、というポイントがポロポロと出てきた。

「何が心に残ったのか?」

そして400ページの本を一気に読み終えて、(本には一切目を通さずに)感じたことを振り返ってメモに書き出してみた。以下のようなことである。

・ストーリー作成に7割、資料作成に3割の時間を割くこと
・説明するポイントを3つに絞ること
・わかりやすい言葉を使い、具体的なイメージがわくように説明すること
・プレゼンは本当にシンプルにとどめること(箇条書きも極力使わない)
・10分同じ話し方をしていると人は飽きるという法則を念頭にいれておくこと
・事前に十分な時間をとってしゃべりの練習をすること

の6つだ。

なお、この中で”シンプル”という言葉を使っているが、ここでいう”シンプル”とは、本当の本当に「シンプルにする」という意味だ。1スライドにおける文章量を1行~2行程度におさえるくらいに、だ。スティーブ・ジョブズは、多くの場合、スライド上に絵を1つだけ描いて見せたり、新聞の見出し程度の文章しか出さない(箇条書きなどは使ったことがないらしい)。後はそれを見せながら必要なポイントをジェスチャーをまじえながら、しゃべるのである。著者いわく、プレゼンに情報をたっぷりいれる人は

「単に怠け者である」

つまり、しゃべりでカバーする自信がないからなんでもかんでもスライド上に書いてしまう・・・、それは怠惰以外の何者でもない、と言いたいのだ。

そしてもう1つ、「十分な時間をおってしゃべるパートの練習をすること」という教訓。これはさりげなく胸に響いた。ジョブズの何気ない格好で、友達に話しかけるかのようなしゃべり、でも、人々を魅了してやまない、あれは全部、緻密に計算して、ものすごい時間をかけて練習している成果、という著者の言葉には、「なるほど」という言葉以外、思い浮かばなかった。

「この本は誰にお勧めか?」

プレゼンする機会がある人、みんなに役立つ本であると思う。この本は、自分にとっても・・・・多少、値は張ったが・・・役立つ部分は多かった。役立つ分が多かったといっても実際に身につかなきゃ意味がない。

さて、実は10月初旬にプレゼンの機会があるのだが、ここで学んだいくつかはそのときに試せるかもしれない・・・。それによってはこの本の評価が変わったりして・・・(笑)

2010年8月12日木曜日

幼少期からはじまる人種差別

今日、CNNを見ていて目を引いたニュースがあったので、それについて少し書いておきたい。人種差別の話だ。それも、子供の人種差別の話だ。

遙か昔に遡って1947年頃、ある博士がアメリカの子供(白人も黒人も全て含めて)に対して「肌の色の違いを、どのように感じているか」について、テストを行った。このときのテスト結果を想像することは難しくないが、一言で言うと「White Bias(ホワイト・バイアス:白人が上位であるという偏見)」を誰もが強くもっている状態、であったとのこと。

そして半世紀以上が経過した2010年、同じようにアメリカに住む子供130人に対して、似たようなテストを行った。具体的には、5人の全く同じ女の子が並んだ絵(但し、色だけそれぞれ違う)を用意して、


「誰が、バカそうに見える?」
「誰が、賢そうに見える?」
「誰が、汚そうに見える?」

などといった質問を子供にする。

これが大人に対しての質問だったら「そんなのナンセンスだ」と言うのかも知れない。

ところが子供は正直で残酷だ。ほとんどの子供が指で絵を指して即答する。

結果、ほとんど白人の子供達が未だに「White Bias」であるということが分かったそうだ。私もその映像を見て愕然とした。みんな即答するのである。

「誰が、バカそうに見える?」

という質問に対して、子供は、一番、右端に描かれている黒人の女の子の絵を指す。そして

「なぜ、そう見えるの?」

と聞くと、

「だって、肌が黒いから」

と回答する。

悲しむべきは、この「White Bias」は白人の子供達だけにかかっているわけではないということだ。実は、黒人の子供達も「White Bias」がかかっている。つまり、黒人も、白人のほうが「頭が賢そう」とか「綺麗そう」とか、そういう劣等意識をもっているのだ(植え付けられている、といったほうが正しいのかもしれない)。

ちなみに子供と言っても年齢に幅があるが、インタビューの対象者は5歳の子供達だった。しかし、3歳の子供でも、既にそのような意識を持っていたことが判明したという。

誰がこんな意識を植え付けるのだろうか? テレビ? 家族? 先生? 友達?

アメリカでは、オバマ大統領が就任した。しかし、前回のテストから半世紀以上経過した今も、人種差別は根強く残っている。これは変わらぬ事実である


※参考リンク: Anderson Cooper's Blog (AC360)
http://ac360.blogs.cnn.com/2010/08/11/kids-on-race-doll-study-revisited/

2010年8月9日月曜日

為替差損

円高が進んでいる。1ドル85円台前半まで続伸した。


一消費者として、今まで気にしたことはなかった。むしろ、海外旅行するには都合がいいし、喜ばしいとさえ思っていた。

ところが・・・である。

一経営者としては、頭の痛い話である。我が社は、小さい会社であはるが海外との取引も発生している上に、全体の売上げに占める割合は決して小さくない。

現在走っているプロジェクトを契約したのは今年の1月、この時点では1ドル約93円だった。仮にこの時の契約金額が5千万円だったとすると、1ドル85円で430万円の損になる。

「零細企業で430万円を損するなんて、ありえない・・・」

トヨタのような大企業(2009年度の売上高19兆円)になると、そのインパクトは計り知れない。

「もう下がるのやめてくれ~!」

と叫びたくなる。政府や日銀の円高に対する対応の緩慢さに腹が立って仕方がない。今やどこの国も自国通貨を安くする誘導を行っているのに、日本はただ指をくわえて見ているだけだ。昨日の日経新聞によれば、せいぜい日本では「日銀は8月9日から2日間の日程で金融政策決定会合を開き、じりじりと進む円高が景気に及ぼす影響などについて慎重に議論する」と言っている程度だ。

「これ以上、慎重になってどうする」とつっこみをいれたくなる。

さて、まさか、85円以下になるなんてことは・・・と思う一方で、1995年4月19日に東京市場で円は史上最高値となる79円75銭を記録した事実が頭をよぎる。

リスクをヘッジするためにドルでお金を持ち続けるなんていう体力もないし、まさにトホホの状態である。

2010年8月4日水曜日

歌舞伎の壁、もとい、バカの壁

会社を立ち上げてから、3回ほど引っ越しをしたが常に最寄り駅は半蔵門。1982年に開業した駅で、近くには国立劇場がある。起業から約4年が経過し、これまで何百回と降り立ったこの駅で、今日、あることに気がついた。

そう「歌舞伎のモザイクタイル」だ。

改札口近辺に大きな歌舞伎のモザイク画が描かれている。あでやかな絵だ。とてもすばらしい絵だと思う。今日、気がついて、こんな絵があることにとてもびっくりした。

「あれ!? こんなすばらしい絵、最近、誰か工事でもしてたっけ?」

と考え込んでしまった。

その後、インターネットなどで良く調べてみると昔からあるとのこと。さらには、東京メトロでは千代田線の新御茶ノ水駅にもモザイク画があるらしい。

それにしても、「これまで何で気がつかなかったのか」、そして、「今日、何故、気がついたのか」。

全く、もって謎である。

歌舞伎の壁、いや、バカの壁・・・とは、まさにこのことなり。

書評: 3 行で撃つ <善く、生きる>ための文章塾

  「文章がうまくなりたけりゃ、常套句を使うのをやめろ」 どこかで聞いたようなフレーズ。自分のメモ帳をパラパラとめくる。あったあった。約一年前にニューズ・ウィークで読んだ「元CIAスパイに学ぶ最高のライティング技法※1」。そこに掲載されていた「うまい文章のシンプルな原則」という記...