そんな中、今回の海外出張の際に、なけなしのお金を使って本を2冊買った。そのうちの1冊を読み終わったので、備忘録的な思いも込めて、ここに書いておきたい。
その1冊とは「日銀を知れば経済が分かる」(平凡新書出版) 池上彰 著だ。
池上彰氏と言えば、日本テレビの「世界一受けたい授業」でも良くみかける有名な人である。
難しい事柄をわかりやすく説明してくれる人
そんなイメージがある。だから、つい、この本に手が伸びた。
実際、中身はタイトルほどは堅苦しくなく、日本の中央銀行(日銀)の仕事について、わかりやすく解説してくれている。自分は記憶力はそれほどいいほうではないので、今回、この本を読むことで、薄かった記憶をリフレッシュすることができ、また、誤った記憶を訂正することもできた。さらには、時代の流れとともに、私が当時学んだこととは実態が大きく変わってきていることなどについての”気づき”もあった。
とにかく比較的心地よく読めた1冊である。
内容について触れておくと、日銀の生い立ちをはじめとし、その存在意義、その役割、日本政府との関係、アメリカが持つ中央銀行との違いや、うんちく的な話まで、様々な話題を幅広くカバーしている。
参考までに、単なる”うんちく”ではあるが、個人的に面白い!と思ったテーマを1つ2つばかり、挙げておく。
うんちく・その1) 「紙幣1枚あたりの製造コストはいくらか?」
紙幣1枚に、現在14円~15円の製造コストがかかっているらしい。面白いのは、これがアメリカだと1枚あたり4セント(約3円)という事実だ。いかに日本が偽造対策に注力しているのかが分かる。
うんちく・その2) 「市場に出回っているお金のうち、1万円札が占める割合はどの程度か?」
市場に出回っているお金は現在約76兆4,615億円(2008年時点)。このうち1万円札が占める割合は、54.1%。なんと半分以上が1万円札で占められている。1万円札というと高価なイメージがつきもので、全体に占める割合もさほど大きくはないかなと思ってしまいがちだが、事実はそうではないらしい。
と、こんな感じだ。
上記以外の、より具体的な中身について、その全てを書き写すわけにはいかないが、この本を読むことで、改めて頭の整理ができた”キーワード”を以下に列挙しておく。
日銀券、公定歩合、日銀考査、政策委員会、国債、基準貸付利率、買いオペ・売りオペ、政府紙幣、コールレート、日銀特別融資、国庫金、強制通用力、ゼロ金利政策、量的緩和政策、インフレ・デフレ、日銀短観、金融経済月報、展望リポート、さくらリポート
さて、最後に、このブログを読んでいる物珍しいみなさんにテストをしてみたい。
テスト: 「日銀の役割3つを、簡単に述べよ」
正解は...
「銀行の銀行」(銀行間取引の決済を行う)
「政府の銀行」(国庫金の管理を行う)
「日銀券の発行」(お金を発行する)
この3つである。経済に少しでも興味がある人で、上記質問の回答をすんなり思いつかなかった人、この人たちには、オススメの一冊になると思う。
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