2011年2月22日火曜日

情報に溺れているのか、情報が足りないのか

2011年3月号のVOICEは、なかなか読み応えがあった。とりわけ、堀江貴文氏と江川達也氏という異色の二人の対談記事は印象に残った。堀江貴文氏は、言わずとしれた元ライブドア代表取締役、江川達也氏は「まじかる・タルるーとくん」や「東京大学物語」など有名な作品を数多く排出している日本を代表する漫画家だ。

対談の中で江川氏と堀江氏に次のようなやりとりがあった。


江川氏の「今の若者にどんなスキルの習得を薦めているのか」という質問に対して・・・

堀江氏「やはり、情報収集のスキルでしょうね・・・(省略)」
江川氏「しかし、もともと自分の中に確固たる指針がなければ、多くの人は情報を集めれば集めるほど、混乱するだけなのでは?」
堀江氏「それは情報が多すぎるからではなく、逆に足りていないからです。たくさんある情報の中から価値あるものを見つける術を身につけるのは、結局、情報処理の場数を踏むしかありません・・・(省略)・・・仮に本を情報源とするならば、小説だけでなく、経済書、ノンフィクション、歴史書など、あらゆるジャンルのものを読む。雑誌なら様々なジャンルの雑誌をとにかく全部読む。「iPhone」をもつ前は、僕は週20誌以上を読んでいました。WEBも時間を区切って読みまくる。」

堀江氏の「むしろ情報収集活動が足りてない」という視点は、面白いと思った。実は、自分も身に覚えがあるからだ。私は以前は、せいぜい1年に4~5冊程度の小説を読む程度、たまにインターネットからニュースを見る、新聞は週に2回程度、ましてビジネス書など一度も読んだことはない、という生活を送っていた・・・本当にそんな感じだった。そんなとき、当時興味深い人だな(ラジオパーソナリティの小島慶子さん)・・・と思った人物の行動に関心があり、その人が読んでいるといった雑誌や本を読んでみよう、と思ったことがあった。

一冊目に手を出し、二冊目に手を出し・・・以前の自分であれば絶対に手を出さないであろう分野の雑誌に目を通したり、本を読んだりするにつけ、加速度的に色々なことに興味がわくようになった。雑誌、ビジネス書、歴史書、小説・・・ニュース・・・様々なメディアの様々な情報を通して何が変わったのか?・・・”考える”機会が圧倒的に増えたのである。

”考える機会”が増えると、様々なことに対して自分自身の意見を持つ努力をするようになり、また、人との会話の話題も増えた。ただし、本の出費がかさむ・・・というデメリットもあったが。

このような生活を継続して、1年後、2年後の自分がどう磨かれているか(あるいは磨かれていないのか)、「単なる”頭でっかち”になっているのか?」「より人間性が向上しているのか?」・・・できればこのブログを通じて、自分自身の観察もしていければな、と思っている。

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