2011年2月23日水曜日

タイヤのパンクが教えてくれたこと


先週末に自家用車で熱海に行った。2月20日(日)の夜9:00頃に帰途についたが小田原厚木有料道路上で、突然、右後輪のタイヤがパンク。路側帯に緊急停止した。

普通の車なら、そのままジャッキで車体を持ち上げてタイヤ交換を行うところだ。ところが、私が乗っているのはホンダのフリードである。この車は仕様上、広いスペースを確保するために、なんとスペアタイヤを犠牲にしていた。パンクを一時的に直す修理材は入っているが、完全に破裂したタイヤには何の意味ももたなかった。

さて、どうしよう・・・。搭乗者は、子供2人。大人4人。夜の9:00。ダッシュボードをのぞくも、車検証以外のめぼしい資料がない。

情けない話だが、保険証が見つからなかった。慌てて携帯を駆使して過去のメールをあさる。契約先は三井ダイレクト。すぐにWEBページにアクセスして、なんとか連絡先電話番号を見つけた。

電話をした結果、以下のことが分かった。

・事故・故障で路側帯に止まった旨、すぐに道路公団に連絡をしなければならないこと
・スペアタイヤなんて、誰も(道路公団も保険会社が提携している業者も)持っていないこと
・通常の保険契約では、最寄りのタイヤ修理屋までレッカー移動しかしてくれないこと
・レッカー移動時に、牽引される我々の車には最大で2名しか乗れないこと
・レッカー車が現場に到着するまでに15分はかかること


しとしとと雨が降っていた。ソフトバンクは電波受信状態が悪い。このため雨の中、社外に出て、色々なところに電話をかけてアレンジを行った。

ぐずぐずしている時間はなかった。のんびりしていると、日曜日中の移動手段を全て奪われてしまうリスクがあった。同乗者のうち、私の家族は横浜方面。もう一家族は千葉のほうまで戻る必要があった。すぐさま携帯で、最寄り駅を検索。そこから、最終電車が何時に出るのかを特定した。タイムリミットは10:30と表示された・・・。レッカー車など、色々とアレンジしているとなんだかんだでギリギリ間に合うかどうかの時間だった。

運の悪いことに、レッカー車の到着する時間(日曜日の夜10:00頃)にタイヤ交換をしてくれる店がなかった。業者にも直接そのことを尋ねたが、アテがないと言う。結局、保険契約会社が提携している業者にきてもらい、その業者に一晩、車を保管してもらうほかなかった。移動手段を奪われた我々は、レッカー車が到着するのを待っている間、タクシー会社に電話(タクシー会社の電話番号は保険会社に調べて教えてもらったものだ; ちなに道路公団の人にタクシー会社をどこか紹介してくれ・・・と聞いたところ「知らない」との答え。イギリスじゃあるまいし、これには少しビックリした。)。タクシー会社に路側帯の詳細な情報を伝え、車の中で待った。

待つこと15分。最初に到着したのはタクシーだった。その2分後、まるではかったかのようにレッカー車も到着。レッカー車の方にキーを渡し、全てを一任。我々はおもい荷物と共に全員タクシーに乗り込み、最寄駅へ。Google Mapによれば、最寄り駅は鴨宮駅(かものみやえき)というところで、路側帯から3キロほど離れた場所だった。そこまでの移動代金は約1,300円。

ところで子供達は、車で家に到着したらそのまますぐにベッドに潜り込めるようパジャマで車に乗っていた。これもある意味運が悪かった。彼らはパジャマの上にジャンパーをはおる形で我々とともに電車に乗り込んだ。幸いだったと言えるのは、日曜日の夜・・・ということで、そんな時間に上り電車に乗る人たちは圧倒的に少なかった、ということだろうか。

結局、自宅に到着したのは夜の12時過ぎだった。

翌朝、私は予定通りに会社に出勤。子供は風邪気味だったので幼稚園を欠席させ、自宅療養。午前中に私の携帯に保険会社から電話が入った。

「昨晩預かった車ですが、弊社と契約しているタイヤ交換業者が近くにあります。よろしければ、そこまで無償でレッカー移動させていただきますが、万が一、お客様ご指定の業者へのレッカー移動となりますと、昨晩一晩の車の保管料金と、そのご指定の業者までのレッカー移動代は有料とさせていただきます。」

なんか、親切な言い方で強力な脅し。こちらが指定した業者に移動する場合、そこまでの距離を保険会社がコントロールできなくなるので、有償にするのはわかるにしても、なぜ一晩の保管代金まで有料にするのか!?。険会社指定の業者にレッカー移動してもらうほかないような迫りようだ。

気持ちの中でイライラしつつも抗う術もなく、そのまま保険会社指定のタイヤ修理業者へ移動してもらうこととなった。なお、その場所だが、”開成”・・・というところだ。地図で調べると、東京からでも2時間強かかる場所にある。ドアツードアで間違いなく2時間半はかかる。


「いつ、誰が取りに行くんだよ・・・」

思わず天を仰いだ。おまけにタイヤ修理業者と電話で話したところ、すぐに交換できる替えのパーツがないとのことで、3日待ってくれ・・・とのこと。

「そうまでして、僕らに、スペアタイヤを持たないことのリスクを伝えたいのか!?」

さて、タイヤの一件には全く関係のない話題だが、その次の朝、ホンダの一部の車がエンジンが再点火しなくなる不具合があるとのことで、リコールのアナウンスを全国に出した。

その対象車に僕の車が含まれていたことは、・・・このストーリーの流れ以上・・・もちろん言うまでもない。今回の費用は、移動代金含めて約2万円。

得たモノはきっとそれ以上だと思いたい。本当、人生は色々ある。

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