小島慶子 女子アナ以前 ~あのころのわたしと、いま考えていること。~
著者: 小島慶子
発行元: 大和書房
発行日: 2011年8月5日
著者の小島慶子氏は、わたしが大好きで、かつ、尊敬するラジオパーソナリティだ。今から1年ほど前、ふと「なんかラジオ聞きたいなぁ~。面白い番組ないかな~」と探していた時、アクセスランキング1位だった番組「小島慶子キラ☆キラ」が目に止まったのが彼女の存在を知った瞬間だ。
「なぜ好きなのか?なぜ尊敬しているのか?」
彼女は「最近、周りに見ないタイプの人」「自分に持っていないものを持っている人」・・・自問自答してみるとこの2つの答えが見えてくる。物怖じせず、思ったことをズバっと言う。喜怒哀楽の感情を恥ずかしがらずに出す・・・わたしの目にはそんな人に映る。
「知らないよ、小島慶子なんて・・・」と言う人もいるだろうが、彼女はまさに近年注目すべき日本女性の一人だ。事実、ここ一年で「えっ!?これにも出てるの!?」「えっ!?あれにも!?」と、驚くほど多くの番組に出演するようになった(もちろん、その全てを見ているわけではないが)。
■飛ぶ鳥を落とす勢いの小島慶子氏の半生に迫る
本書はそんな飛ぶ鳥を落とす勢いを持つ小島慶子氏の自叙伝である。今でこそ大活躍する彼女だが、その半生は常に順風満帆だったのか? どんな苦しみがあったのか? どうやって抜け出せたのか? 二次の母親として、仕事をする女性として、一人の人間として・・・これまでに彼女が経験し、感じたことを赤裸々に語っている。
■子育てと仕事の両立に苦しむ女性に
男女問わず小島慶子という人間に興味を持っている人であれば本書を読むことは有意義なことだろうが、ところどころで彼女が出すアドバイスは女性・・・とりわけ子育てと仕事の両立に懸命に生きている女性に向けたものだ。
たとえば彼女がとりあげるテーマには次のようなものがある。
「お受験コンシャスなママたち」
「”ママ友”って必要ですか?」
「結婚して良かったと思えるとき」
「大人の女の友達関係」など
※わたしはなんにも考えっずに買ってしまった(-_-;)
■一人の女性として人間として懸命に生きてきた彼女の人生に光を見出す
何事にも歯に衣着せぬ発言をする小島慶子氏。本書を読んで見えてきたのは、決して生まれつき奔放な性格であったわけではなく、また、解放感溢れる中に育ってきたわけでもない、むしろ抑圧され続けてきた半生だ。上下関係を強く意識させる駐在員の娘としての海外生活。常に答えを押し付けようとする昔ながらの母親の存在。人間は生まれながらにして平等ではないということを嫌というほど思い知らされる学習院での学校生活。社会人になってからは摂食障害・・・果てはパニック障害までを経験し、苦しんだことがあるという。
彼女を照らす光の明暗・・・そのギャップの大きさに驚く。今の小島慶子は過去の抑圧の反動なのだろうか。
いずれにせよ、間違いなく言えるのは、そのような苦しみから抜け出すために懸命に生き、そして抜け出してきた彼女の体験談は、きっと同じように苦しんでいる多くの女性に光を与えてくれるのではないだろうか、ということだ。
【関連リンク(自叙伝という観点で)】
・書評: やめないよ(著者:三浦知良)
・書評: 40歳からの適応力(著者: 羽生善治)
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