ここで「異変」とは、商社各社の収益が資源ビジネスへ大きく依存している・・・その反動のことだ。そして「反動」とは、「掘れば売れる」という資源バブルの上にあぐらをかいてきたせいで、商社マン達の鋭敏な感が鈍ってしまったということと、そもそもその資源バブルが崩壊しつつあるということ・・・を指す。
記事では、そんな異変を乗り切るため、商社の様々な取り組みが紹介されている。中でも、印象的だったのは、三井物産の事例だ。投資を行う際の判断基準を見直した、という。その新たな投資基準とは・・・
①収益の柱になる事業性があること
②特定の市場で重要なニーズがあること
③予測困難な不確実要因があえて存在すること
の3つだが、③番目の「予測困難な不確実要因があえて存在すること」がユニークだ。不確実性はできる限り排除しろ・・・が一般的なアプローチだが、そこをあえて好め!と宣言しているようなものだ。
リスクマネジメントの世界ではよく、経営が「リスク受容基準(企業としてどこまでリスクを受け入れるのか)」を現場がわかる言葉で示すべし、と言われるが、具体的にどのように現場に示せばいいか、なかなかイメージを持ちづらい。三井物産の例のように「予測困難な不確実要因があえて存在すること」という基準の示し方も1つの解だと思う。
参考にしたい。
日経ビジネス2013.3.18号 |
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