素晴らしい・・・の一言につきる。最近はこういった本に立て続けて出会うことができてラッキーだ。
本書は、成功する企業と失敗する企業の組織内に具体的に何が起きていたのかについて、明快に答えを出しているものだ。本書が出している答えは、3つの業界の七つの企業から26のプロジェクトチーム合計238名に対して平均4ヶ月間にわたり、調査した結果に基づいている。
本書はいう。組織を動かすのはインナーワークだと。インナーワークは人の基本要素で、感情、認識、モチベーションのことだ。
そしてインナーワークに影響を与えるのが、進捗の法則、触媒ファクター、栄養ファクターの3つ。進捗の法則とは、要は進捗を実感できているかどうかということ。人は進捗した事実から得られる効用が一番大きいのだそうだ。触媒ファクターとは、仕事をサポートするもの。具体的にはたとえば、目標、仕事の手助け、自主性の尊重、活発なアイデア交換。栄養ファクターとは、人をサポートする出来事であり、励ましや尊重、友好的サポートなどだ。
本書を読んで最も印象に残ったのは、タイトルにもあるとおり「進捗」がもたらす効用の大きさ。当たり前そうでありながら「当人が進捗を感じることができるようにすることが何よりも大切」ということを多くのリーダーが軽視しているという事実は意外だった。
本書には失敗企業の事例、すなわちそのときにプロジェクトチーム内でどんな声があがっていたのか・・・生々しい事例が紹介されているのだが、それを読んでいると他人事ではいられなくなる。自分にも心当たりがあるからだ。とにかく自分に足りない点が多くあることに気づかされる。
このように思わせてくれる本書が魅力的なのは、なんといっても、実際に起きた企業内での出来事について、数百人にも及ぶ現場の数ヶ月間にわたる毎日の声から積み上げてきたものであるという点だ。ここで述べられていることは疑うことなき事実。
ここに書いてあること全てが役に立つと思って過言ではない。声を大にして言いたい。すごい研究成果だ。
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