HBR 2012年12月号 |
例によってINNOVATION(革新)に関する記事が多いが、今回の号で(遅まきながら?)キヴァという会社の存在を教えてくれたことに感謝したい。
タイトルは Kiva the Disrupter (破壊者 キヴァ)。訳し方が誤解を招くかもしれないが、要は、既存の技術を覆す技術革新を行ったキヴァ社について、その劇的な成功を手中に収めるまでのプロセスを描いた記事だ。
どんな技術革新を行ったかというと、倉庫でのピッキング作業を自動化させるロボット(システム)を開発したのだ。「そんなの前からあるじゃん!?」と思うかもしれないが、驚く無かれ、従来の技術やプロセスは作業員自身が、該当アイテムが保管された場所に出向いて取りに行くことが前提だったが、キヴァ社の技術(Kiva Systemと呼ぶらしい)では、ロボットが何百何千何万というアイテムの中から該当するものを特定し、それが保管された棚そのものを作業員のところまで運んで来てくれるのだ。
あの有名な家庭用掃除ロボット”ルンバ”の知恵が進化し、その背中に高い棚を持ち、動き回っているような感じ・・・・そんな場面を想像してもらえればいい。百聞は一見にしかず・・・以下の動画を見れば、言っている意味が一発でわかるはずだ。感動してしまった。
記事で特に参考になるのは、従来の(”作業員が取りに行く”という)前提を覆したこの技術・・・をどのように潜在顧客に受け入れさせたか・・・といった点だろう。イノベーティブな商品は、一般的にそのあまりの革新さゆえ、顧客がかえって「本当に大丈夫なの?そんな技術、動くの?」不信感を持ってしまうことが多い。記事ではキヴァ社が、価格設定や支払い条件など様々な工夫をこらし、いかにして、そうした顧客のアレルギーを下げることに腐心したかについて触れている。
ちなみに、このキヴァ社・・・その価値をいち早く見出したAmazon社により買収されたとのこと。
Amazon’s $775 Million Acquisition of Kiva Systems Could Shift How Businesses See Robots!
うーん、それにしてもロボットといえば日本!というイメージがあるが、ルンバといい、キヴァといい、そんな優れた技術を持つ日本が、どうしてこのようなイノベーションにつなげられないんだろう・・・。
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