2012年2月7日火曜日

SNS情報漏えい対策

今週の日経ビジネスの特集は「忍び寄るSNS疲れ ~思わぬ失敗、続々~」。SNSとは、ツイッターやFacebook、Mixiなどに代表されるネット上の交流コミュニティシステムのことだ。

企業において、決して軽視できないSNSにまつわる事故が数多く起きている。有名なのは、アディダス社の事例だ。社員が店舗に来店したお客様(有名人・・・しかもアディダス社がスポンサー契約を結んでいる選手)について、不愉快な投稿をして大炎上した。個人のつぶやきが会社・・・いや、社会レベルの問題に発展した例だ。

企業はいまこうした問題への対応に頭を悩ませている。人のプライバシー・・・ましてや自社のお客様のプライバシーを人にあけっぴろげにしたり、誹謗中傷をしない・・・ということは、”常識”の話である。この常識を社員に徹底させる・・・ということを企業はどうやって実現するのか。

今トレンドの対策は、大きく2つだ。1つ目はSNSツール利用方針の徹底、つまり常識の教育。そして2つ目は、対処的対策だ。すなわち、IT技術を駆使して自社に関するつぶやきをしている社員を監視し、何か問題のある発言が見つかれば即座に対応するというものである。

きっと、わたしのこういう書き込みを見て、年配の方々はこう言うのだろう。

「また変な世の中になったものだな・・・。常識をツールなどで管理しようとするなんて・・・。」

そのとおりである。そのとおりであるが、目に見える形で被害が出ているのもまた事実である。こうした被害への有効な対策を考えるのはなかなか難しい。

ただ、記事では1つ面白い対策例を紹介していた。

「社員にこうしたSNSを使わない、あるいは、使っても余計な情報発信をしないように周知徹底しようとするのではなく、むしろ、そういった活動は許容する・・・ただし、発信する際には必ず社名を記載しろ・・・を徹底させる」といったものだ。

効果の程は定かではないが、理解はできる。「会社名を記載させることで、忘れがちな意識・・・すなわち、会社の代表として社外に情報発信をしているのだ」という意識をもたせることで不用意な発言を回避させるというものだろう。

これは逆の見方をすれば、問題発言をする人たちの多くは、自分が会社の代表として情報を発信したことになってしまうのだ・・・ということを忘れてしまいがち、ということになる。いやもっと言えば、自分の発言がどういう結果をもたらすか、ちょっとした未来を想像する力を欠如してしまっているということか。

想像力を回復させるためにはやはり教育・・・あるいは一回大失敗をしてみるしかないのだろうか。

【関連リンク】
 ・ツイッターの副作用(過去のブログ)


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