2013年11月17日日曜日

書評: 不格好経営

本書を読んで、南場智子という人間に惚れた。はっきり言うが、これまで色々な本を何冊も読んできたが、このように感じることは滅多にないゾ。

不格好経営 ~チームDeNAの挑戦~
著者: 南場 智子(なんば ともこ)
発行元: 日本経済新聞出版社


■DeNA(ディー・エヌ・エー)の起業物語

本書は、オークションサイトやショッピングサイトを運営する株式会社DeNA(ディー・エヌ・エー)の創設者にして元社長、現在は同社取締役を担う南場智子氏が書いた、言わば”会社起業振り返り物語”だ。彼女が1999年に起業を決心してから、ディー・エヌ・エーを立ち上げ、社長の立場で東奔西走・活躍し、諸事情により役職を退くまでの密度の濃い10年間を振り返っている。

コンサルティング会社マッキンゼーを辞めて、ディー・エヌ・エー社立ち上げにいたった経緯や、資金集め・社名決めですったもんだした話、システム開発での大トラブル、競合他社に自社の広告を載せてしまった話、モバイルビジネスへのシフト、野球チーム買収、コンプライアンス問題、旦那の病気など、テーマはわんさかある。著者本人も認めているが、よくもまぁ10年の間に、これだけ色々な経験を詰め込んだものだ・・・と関心するほどだ。

■南場智子の言葉には勢いがある

本書の特徴は、2点ある。1点目は著者自身が述べている”とりわけ失敗体験に焦点を当てて書いた本である”ということだ。

『私はビジネス書をほとんど読まない。こうやって成功しました、と秘訣を語る本や話はすべて結果論に聞こえる。まったく同じことをして失敗する人がゴマンといる現実をどう説明してくれるのか。だから本書の執筆にあたっては、誰か遠い他人の仕業とおもいたいほど恥ずかしい失敗の経験こそ詳細に綴ることにした。』(本書 まえがきより)

ただしこの点については、特徴の1つではあるが本書最大の魅力とは言い難い・・・ということを付け加えておく。わたしの読書経験から言えば、たとえば柳井会長の「一勝九敗」や、渡邉美紀(ワタミ創設者)さんの「青年社長」、鈴木敏文セブン-イレブン創業者の「セブン-イレブン終わりなき革新・・・あるいは孫社長の半生を描いた「あんぽん」など・・・実は成功体験より苦労体験に触れている本の方が多いといったからだ。

2点目の特徴・・・これこそが本書最大の魅力だと思うが・・・「他人の仕業とおもいたい」と彼女が形容するほどの失敗に対する彼女なりの総括が、気持ちいいくらい”単純明快”であることだ。これは、南場さんのバックグラウンドが超一流会社のコンサルタントであったことも寄与しているのだろう。彼女の発言はロジカルなだけでなく、哲学というか魂というか信念というか、生き様に何かこうしっかりとした一本の筋がとおっており、感じたこと・思ったことを、常にブレない視点で、シンプルな言葉を使って、はっきりと言い切っているのだ。

『しかし、DeNAを立ち上げてすぐに、会社はロジカルな人間だけでは少しも前に進まないことがわかってくる。事実、マッキンゼーのエース(自称)3人が1年で黒字化させますと宣言して会社をつくり、実際は4年も赤字を垂れ流したわけだ。コンサルタントの言うことは信用しないほうがいい。』

『ビジネススクールに行くことで人脈ができるのでは、ともよく訊かれるが、そうも思わない。逃げずに壁に立ち向かう仕事ぶりを見せ合うなかで気づいた人脈意外は、仕事で早くに立たないと痛感している。』(第七章 人と組織より)

■偶然の一致か必然の一致か

そんな本書だが、個人的感想を言わしてもらうと”ひさしぶりに気分が高揚した”感がある。また、冒頭で触れたように著者の南場智子氏をとても魅力的な人物だと思った。

その理由は先述したとおりだ。加えて、起業時に経験している内容がわたしのものとすごく似ていたから、という理由もある。やや余談になるが、たとえば、南場さんがコンサルタント出身であり、MBA経験者であるということ。格は全然異なるが、私もそうだ。また、南場さんが起業してまだ間もない頃、寝起きする真横にサーバをおいていつでも再起動できる体制をとって寝ていたということ。わたしも、奈良でISP起業に参画したときは同じ経験をしている。さらに、社内で過激なダイエット競争を繰り広げていたという話。実は自分自身がダイエット競争に参加してたわけではないのだが、同僚が目の前で、全く同様の”やり過ぎ!”とも思える熾烈なダイエットバトルを行っていた。最後に、人の採用に関して、とある大きな誤解から、大切な人との間に大きな摩擦を生じさせてしまったという話。これも全く一緒の経験がある。

質と規模において南場氏のそれと比べるべくもないが、自分と驚くほど似た経験を持つことに、ものすごく親近感を覚えてしまうのだ。そのせいで本書については客観的な評価ができていないかもしれないので、その分は差し引いて評価していただいて構わない。

■失敗を追体験できる貴重な教科書

本書は当然、会社の経営者・・・とりわけ起業に興味がある人なら読むべきだ。起業について学びたければ、さっさと起業して自らが失敗経験をするのが一番いいわけだが、人生には終わりがあり、失敗を重ねられる回数にも限りがある。だからこそ、こうした先人たちの体験をフル活用すべきだと思うのだ。だから、読むことをお勧めする。

なお、時間に余裕があるのなら、他の起業家たちの本との読み比べをしてみてはいかがだろうか。そのほうが、起業家たちの特徴が際立つし、そこに新たな”気づき”が生まれることも少なくないからだ。たとえば、ファーストリテイリングの柳井さんの本を読んでいたときは、良くワンマン経営と揶揄されるように、柳井さんばかりが読者の視野に入る印象だった。が、南場さんの本では、南場さん本人だけでなく、固有名詞で語られる強く頼もしい仲間が頻繁に登場する。両起業人の信条の違い、アプローチの違いの現れなのだと感じる。かと思えば、起業時の金銭面での苦労や、人の採用における苦労なんかは、両者ともに非常に似ていたりする・・・。このように色々な気づきを得ることができる。

とにもかくにも、まずは失敗の追体験本として、南場智子氏のディー・エヌ・エー起業物語を対象に選んでみてはいかがだろうか。わたしのイチオシ本だ。


【著名な経営者の体験を描いた本という観点での類書】

2013年11月10日日曜日

努力は運を支配する

日経ビジネス2013年11月11日号を読んだ。以下、感想。


現行法では東電を破綻処理した場合、賠償より社債の償還が優先される。
(原発対策、「国主導」の行方より)

(感想)これが国が東電破綻の道を選択しない理由だそうだ。が、結局は、都合の良い言い訳に聞こえる。現行法を尊重して、社債の償還を優先させて、仮に賠償が滞った場合には、国がその分を負担する・・・とすればいいだけの話では?・・・と思ってしまう。いずれにしても、要するに、全ては”国のやる気次第”だと思うのだが。やはり、その覚悟ができていないのか。


『立花が懇意にしていた三井住友銀行取締役にしてラグビー日本代表監督だった宿澤広朗は、生前こんな言葉を残している。”努力は運を支配する”。立花は来年も”日本一”でそれを証明するつもりだ。』
(日本の革新者たち 立花陽三より)

(感想)努力は運を支配する・・・いい言葉だ。


『2013年のイノベーターはこんな人・・・エナジャイザー(チームを鼓舞する力)、インテグレーター(組み合わせで革新する力)、ビジョナリ-(ゴールを設定する力)、ソーシャル・チェンジャー(社会を変える志)、ノン・ギバー・アッパー(あきらめない心)
(イノベーション生む5つの力より)

(感想)2013年の・・・という冠がついているが、この5つの力は、今回雑誌で取りあげられた日本人たちだけでなく、日本の外でも、いつの時代でも、イノベーションを生むのに必要なもの、と思う。振り返ってみれば、今年9月に読んだ『静かなるイノベーション(ビバリー・シュワルツ著)』で登場した社会起業家たちにも当てはまる。個人的には、「ゴールを設定する力」「あきらめない心」がこの5つの中でも重要なのだと感じる。「何かをやり遂げたい」という気持ちが、チームを鼓舞するだろうし、社会を変える志につながるだろうし、ほかの全てにつながるんじゃないかと思う。



2013年11月9日土曜日

書評: 戦略プロフェッショナル

こんなことを言う人がいる。

『日本で成功する人の一般的なパターンは、20代でたくさん恥をかき、30代で一度は自信過剰になって失敗し、40代では謙虚に努力して、50代で花開く、といったところではなかろうか。これが米国の場合だと、10年以上も前倒しの速いスピードで駆け抜けるスターがたくさんいる。それがあの国の魅力をつくっている。日本でも、これからは若い世代からそうしたパターンをたどる人が多くなってくるだろう。』

本ブログのタイトルにもなっているように、わたし自身も、人生をかなり全速力で駆け抜けてきたつもりだったが上には上がいる、と驚かされる。冒頭の言を発っしたのは、自らも非日本流のスピードで駆け抜けてきた三枝匡(さえぐさただし)氏だ。三井石油化学、ボストンコンサルティングを経て、MBA(スタンフォード大学)を取得し、30代にして、赤字会社再建やベンチャー投資など3社の代表取締役を歴任した経歴を持つ。本日は、その三枝氏が書いた戦略本を紹介したい。

戦略プロフェッショナル ~シェア逆転の企業変革ドラマ~
著者:三枝匡
発行元:日経ビジネス文庫


■シェア逆転の企業変革ドラマに見る戦略指南書

本書は、企業における戦略的アプローチの実践を、物語調に示した指南書だ

主人公は、日本有数の鉄鋼メーカーに勤めるMBAあがりの36歳、広川洋一。広川の会社は、新事業開発部の活動を全社的に広げて脱鉄鋼の戦略をさらに展開しようという想いがあった。そんな矢先、会社は、一見、本業の鉄鋼とは無縁に見える米国発医療機器販売の代理店販売を行っている会社、新日本メディカルに出資を決める。広川が勤める鉄鋼会社から全体の売り上げからすれば微々たるものだったが、それよりもなによりも、新日本メディカルの成長が芳しくない。物語は、広川は、そんな新日本メディカルに常務取締役として出向を決意したところから始まる。いったい新日本メディカルの何が悪いのか、そもそも勝機はあるのか、そして広川は会社を建て直すことができるのか・・・。

・・・物語のあらすじはざっとこんな感じだ。

■あの「ザ・ゴール」を彷彿とさせる本

この「戦略プロフェッショナル」の類書は?と聞かれれば、エリヤフ・ゴールドラット氏の「ザ・ゴール」を挙げたい。経営理論を、物語形式で伝えるところが、まさにそっくりだ。読み物語形式でありながら、技術理論をしっかりとカバーしており、興味をもって集中して読める良さがある。具体的にはたとえば、目標設定の話だとか、セグメンテーションの話、プライシングの話・・・などが登場するが、とてもわかりやすい。

なお、「ザ・ゴール」の場合は、隅から隅まで小説の体をなしており、ともすればビジネス書と気がつかないほど、良く練り込まれたストーリーが秀逸だった。そんな「ザ・ゴール」と本書が異なるのは、ストーリーそのものがほぼ1つの”実話に基づいている”という点と、物語の章の合間合間に「戦略ノート」と呼ばれる解説が差し込まれている点だろう。実は、こうした著者の解説が意外に馬鹿にならない。物語と解説の両方があって初めてわれわれ読者の腹にストンと落ちる・・・そんな感じだ。

「朝礼暮改がある会社は決して悪いことではない。むしろ、元気の裏返しでもある」という言。「社員への礼儀作法とか社内の清掃への感覚がお粗末な会社は成績もともなっていないことが多い」という言。「失敗の疑似体験をするための前提は、しっかりしたプラニングです」という言。「元来が人間志向の(人間性・包容力に重きをおく)人は戦略志向に、戦略志向の人は人間志向にと、互いに同じ壁を反対側に超える努力をしないと経営者として明日への成長がないようだ」との言。

このように・・・心に響いた著者の言葉を挙げればきりがない。

■追体験を通じた戦略理論の学習

まとめると本書は、”MBAで習う戦略論の数クラス分の授業を一冊に集約させた本”と言うことができる。ただし、MBAで使うケーススタディ教材とは一線を画する。MBAで扱うケーススタディにはほとんどの場合、結論が描かれていないが、本書には物語としての結論・・・主人公の広川洋一がどうなったかの結論がある。これは前者が、生徒同士が自らの意見をぶつけあう・・・ディスカッションを通じて、理論の実践を学ぶことに目的があるのに対し、後者は読者が主人公、広川洋一の人生を追体験することを通じて、理論の実践を学ぶことに目的があるためだ。

すなわち、MBAで身につけるような戦略理論を、一人からでもスパっと学習できる・・・これこそが、本書最大の意議であるように思うのだ。そんな意議に共感できる人はぜひ。


【物語を通じて理論を学習できるという観点での類書】
書評: ザ・ゴール(The Goal)
書評: ザ・ゴール2 (It's Not Luck)
書評: V字回復の経営(三枝 匡)

2013年11月4日月曜日

本当に尊大になっていないか?

『(会社が伸び続けている)秘訣と呼べるものはありませんが、挙げるとすれば2つ。会社の調子がいい時に経営者自身が尊大にならないこと、そして問題を先送りにしないで早めに手を打つことです。』 (編集長インタビュー 藤田晋サイバーエージェント社長 課題は全部「合宿」で潰す、より)

(感想)
結果を残してきた社長さんみんなが口を揃えるのが、まさにこの藤田晋社長の言。会社の大きさも残してきた実績も、比べるべくもないが、我が社も会社の歴史から言えば、比較的順調な時期と言える。つまり、今のまさにこの順調な時期が、これまで以上に謙虚な姿勢を持って、ことに臨まなければいけない時期である、とも言える。「本当に尊大になってないか? 問題を先送りにしてないか?」と自分に問いかけると、それを全く否定することはできない、と思うのである。忙しさをいいわけに、手をつけられてないことがたくさんある。

来年から・・・いや、明日から、いや、今この瞬間から改めて態度をいれかえて、ことに臨みたい・・・そう思った。

日経ビジネス2013年11月4日号

2013年11月2日土曜日

書評: 死の淵を見た男

かの東国原(ひがしこくばる)氏は、宮崎県知事だった時、鳥インフルエンザ問題に直面した。現場に足を運び、自ら現状を把握し、指示を出していった。周りの評価は高かったようだ。他方、管元首相。3・11にて福島第一原発の事故に直面した。やはり、自ら現場に駆けつけたが、そのときの評価はさんざんなものだ。危機時にトップ自らが現場に足を運ぶ・・・ここに共通点を見いだせるが、評価は真反対。この違いはいったい何なのだろうか。もちろん、「県のトップと国のトップでは立場が異なる」・・・そう、一蹴してしまうのは簡単だが、わたしはここに”学び”があるような気がしてならない。それを知るためには、やはり当時、現場で何が起きたのかを次の本を通して、正確に知るべきだと思うのだ。

死の淵を見た男
著者: 門田 正隆
発行元: PHP研究所

■福島原発・・・報道されなかった裏舞台を描いた本

東日本大震災で起きた福島第一原発の事故。事故を収束させるための一連の活動の中で起きた騒動は、まだ記憶に新しい。あのとき、報道の裏側で、いったい何が起きたのか? 福島第一原発の現場で必死になって闘った人たちは? 彼らの家族は? 周辺に住む住民は? 駆けつけた自衛隊員は? 首相官邸にいた人々は? 東電の経営陣は?・・・そのとき何を考えてどう動いたのか? 本書は、東日本大震災が起きた2011年3月11日から約9ヶ月後の2011年11月頃までの時間軸の中で、福島第一原発の事故が悪化の一途をたどっていく状況とそのときの人間模様を物語調に描いた本である。

ただし、物語調と言っても、事実を脚色するような書き方をしているわけではない。

『私はあの時、ただ何が起き、現場が何を思い、どう闘ったか、その事実だけを描きたいと思う。』(死の淵を見た男 「はじめに」より)

これは本書の冒頭にある著者の言葉だが、容易に推察されるように、本書は当時の状況を読者にわかりやすく伝えるために当事者中心の視点で描かれてはいるが、文中に登場する会話などは、聞いた事実がほぼそのまま反映されたものと思われる。

■2つの”凄まじさ”

本書を読み、頭にパッと浮かぶのは”なんと、凄まじいことか”という想いだ。ここには2つの意味がある。

1つは”現場力の凄さ”という意味での凄まじさだ。管元首相のことが色々と取り沙汰されてきたが、誤解を恐れずに言えば、結局のところ、当時のトップが管首相であってもなくても、(多少の違いはあったかもしれないが)あの現場の人たちがいたかいなかったか・・・それが全てだったんじゃないかと思う。それほど現場力は凄まじいものだったと感じるのだ。実際、「注水」だとか「ベント」だとか・・・当時、東京にいた首相官邸や東電の対策本部にいたお偉いさんたちが、現場に指示をだそうと必死に動いていたようだが、本書を読むと、東京側で考えつくことは全て、現場でも早々に検討されていたことが良くわかる。つまり、指示がなくても彼ら・彼女らは立派に動けていたのだ。

もう1つは”なんと過酷なことだったのか”という意味での凄まじさだ。海外からはフクシマフィフティと言う言葉でたたえられた現場の人たち。自らの命をも省みず、家族・・・いや、日本のために、必死で闘った人たちのことだ。本書を読むと、彼ら・彼女らに降りかかった肉体的・精神的な負担が、いかに過酷なものだったのかが、はっきりと伝わってくる。胸をえぐられるようだ。

『(現場を仕切る責任者として)何人を残して、どうしようかというのを、その時に考えましたよね。ひとりひとりの顔を思い浮かべてね。・・・(中略)・・・極論すれば、私自身はもう、どんな状態になっても、ここを離れられないと思ってますからね。その私と一緒に死んでくれる人間の顔を思い浮かべたわけです。・・・(中略)・・・こいつなら一緒に死んでくれる、こいつも死んでくれるだろう、と、それぞれの顔を吉田(所長)は思い浮かべていた。』(死の淵を見た男・・・「第15章 一緒に死ぬ人間とは」より)

ちなみに、こうした現場の過酷さを知るにつけ、やはり原発は廃止すべきなんじゃないかと思った。目に見えている以上に多くの犠牲を払っているのだとしたら・・・原発事故に最悪の事態を想定したとき(たとえば関東一帯が居住不能になる・・・など)、それを受け入れられる覚悟があるのだろうか?と疑問に思うのだ。受け入れられる覚悟がないなら、私はやってはいけないと思う。

■原子力の恩恵を享受する人たち全員が読むべき本

原発の恩恵を享受する国民一人一人が、原発廃止の是非を判断する前に、当時報道されなかった”見えなかった犠牲”というものを知るために本書を手に取るべきだということはもちろんだが、加えて、組織のトップこそ、ぜひ読むべきだと思った。

なぜなら、本書を通じて、災害時における組織のトップのあり方を理解することができるからだ。災害時には現場こそが一番機能する・・・これは9・11からも、3・11を描いた本書からも見て取れるが、組織のトップがその事実を改めてしっかりと理解しておくことで、自分のあるべき真の役割を見いだせるのではないかと思うのだ。たとえば私なら、トップは結局、「現場がより円滑に機能できるように後方からサポートをしてあげること・・・決して邪魔をしない・・・それにつきる」という答えを出すんじゃないかと思う。そうやって考えると、冒頭に触れた東国原元知事と管元首相の評価の違いの理由も見えてくる。現場を混乱させないように休暇という体をとって、単身現場に乗り込んだ東国原元知事と、一国の首相という体のまま現場に乗り込み、現場の手を止めさせたという管元首相。まぁ、この考察が正しい、正しくないは別にしても、こうした思考をめぐらせることは、非常に大事なことだと思う。その意味でも、本書の意議は大きいと思うのだ。


2013年10月29日火曜日

納得のいくスマフォ用ヘッドフォン

いやー、ここにたどりつくまでに時間がかかった。なにかって? 自分が納得のいくヘッドセットを見つけるまでの道のりのことだ。

自分はPodcastやラジオ、音楽などを移動中に聞くことが多いからヘッドセットは必需品だ。ただ、ヘッドセットの種類にこだわり始めた一番のきっかけは、iPhone用(5s)のケースをフリップ型(下図参照)のものに変えたこと。このフリップ型を採用したのはつい最近だが、これが割と便利。カード2~3枚程度なら入れておけるから、いちいち、改札をとおるときにポケットから財布を出さなくても、フリップケースのついたスマフォを手に持っておけば、かざすだけで簡単に通過できる。もちろん、iPhoneを損傷から守ることにもつながる。また、机の上に、見やすい角度で立てることもできる。他方、唯一の難点が、裸の状態のときに比べ、通話がしにくくなること。ケースをいちち開いて手に持って話すことになるので、この動作がなかなか面倒くさい。


そこでひらめいた。そう、ワイヤレスヘッドセットだ。それもブルートゥース型。ワイヤレスなら、スマフォを持ち帰るときやポケットから出すときにケーブルの絡みを気にすることから解放される。さらに、ヘッドセットの仕様によっては、着信したときに、フリップカバーすら開かずにヘッドセットについたボタンを軽く押すだけで、通話を開始できるのだ。

そこで調べに調べた。自分のニーズにマッチしたモノはないかと。そこでたどり着いたのが、Platronics社のBackBeat Go2という製品。ソニー製など他の製品をみまくったが、この製品が一番シンプルで、操作性も良さそう・・・そう結論づけた(※わたしは別にPlatronics社のまわし者ではござんせん)。

早速、注文。先日、届いたので使ってみた。


ひと言で言うと、とても満足。ケーブルが絡む煩わしさから解放され、携帯電話を持ちながら話す手間から解放され、その結果として、フリップ型カバーをつけたスマフォのデメリットから解放された。右耳のイヤフォンの下に小さいコントローラーがついているが、そこにマイクがついているようで、フリーハンドで話す際にも、そこで声を拾ってくれる。ビジネスシーンで使ってみたが、十分に耐えられるクオリティだ。8台まで登録が可能で、わたしは主としてスマフォとPCに接続して使っているが、接続・切り替えも極めて簡単だ。なんで、早くこのタイプの製品に気が回らなかったと、後悔しているほどだ。

難点を言えば、音質とバッテリー。音質は、やや安めのケーブルタイプのヘッドセットといった感がある。音が軽い。音楽を純粋に音で楽しみたい人には厳しいだろう。なお、私は音楽もラジオも聞いているが、そこまであまり気にならない。また、バッテリーだが、USBなので、簡単に充電できるが、サイズを小さめに抑えるために充電量を犠牲にしているようだ。最大4.5時間。

念のため、メリット・デメリットをもう一度、以下にまとめておく。

【メリット】
・ケーブルが絡む煩わしさから解放される(ケーブルが短く収まり、かつ、携帯電話とつなぐ必要がなくなるため)
・完全フリーハンドで通話ができる
・一般的なUSBケーブルを使っての充電なので、わりと簡単に充電ができる
・フリップ型スマフォケースのデメリットを除去してくれる

【デメリット】
・バッテリーの持ちがやや悪い
・音質がやや悪い


    


====充電ケーブルもナイス====
使ってみて2週間近くが経過。やはりバッテリーがもう少し持ってくれると嬉しい(まぁ、許せる程度ではあるが)。また、同梱の充電ケーブルがわりと便利だということに気がついた。写真のように、イヤフォンとスマフォの充電を一緒にできるようなUSBソケットになっている。(2013年11月4日追記)


2013年10月27日日曜日

自らを家の外に閉め出してしまった事件

先日、財布をなくした・・・わけだが、その約2週間後の今日、待ってましたとばかりに次の事件が起きた。いったい、どうしたことだろう。厄年のせいか・・・。

自分で自分のことを自宅から閉め出してしまった。

我が家の自宅の鍵は、利便性を追求して、ホテルのようにオートロック式になっている。つまり、開け方によっては油断をすると、自動で閉まってしまうため、中に入れなくなってしまうのだ(ちなみに、ホテルと違い、電動カギを使って扉を開けて外に出たときには自動で閉まるが、マニュアルで開けて外に出た場合には、自動では勝手に閉まらないようになっている)。

今の家に住むようになって、2年超・・・。平穏無事に過ごしてきたが、ついに今日・・・やってしまった。こういうときに限って、窓は全てしっかりと閉まっている。そう、残された道は一つ。鍵屋に電話して開けてもらうこと。

幸い、携帯電話だけは手元にあったので、鍵屋をググって、すぐに電話。そして、1時間後・・・。鍵屋さんが到着。どうも、うちの鍵は難易度の高い?タイプのものだったらしく、壊すしかないとのこと。そして破壊料は、1つあたり25,000円。扉には鍵が2つついていたので合計5万円。うーん・・・。ほかに選択肢はないようだ。

加えて、新しい鍵に取り替えるのに、1つあたり20,000円。つまり、破壊料と新しい鍵の取り付け料で合計9万円。一瞬の油断が、9万円の損失・・・。ああぁ、財布をなくしたときのような喪失感が私を襲う。

鍵屋さん、鍵を破壊中
もう、今年の嫌な出来事は・・・これが最後になって欲しい・・・。

財布を落とした事件

実は、2週間ほど前、財布をなくした。中には、現金7万円と身分証明の類、クレジットカードの類が全て入っていた。

  • 現金7万円
  • 身分証明書の類
    • 免許証
    • 保険証
  • カードの類
    • クレジットカード兼キャッシュカード1枚
    • クレジットカード2枚
    • JR東海のICカード
    • ANAのマイレージカード
    • JALのマイレージカード
    • SUICA/PASMOの類
    • 会社のセキュリティカード
  • その他
    • 会社に経費精算する領収書
    • 会社のEmergencyカード
    • お守り

ポジティブシンキング術にも限界があることを知った。どう思考をめぐらせても、気分の落ち込みを止めることができなかった。

カード類を止めるのには、ものすごく苦労した。特にオートチャージ機能がついたPASMOは曲者で、なんと電話一本では止められない。PASMOとひもづいているクレジットカード会社(ちなみに東急のカードで、クレジットカード自体は紛失していない)に連絡したら「それは駅の窓口に行け」という。仕方なく大雨の中、窓口に行ったが、「免許証か保険証などの身分照明がないと止められない」という。「いずれも財布の中だったので、紛失してしまってありません。クレジットカード会社みたいに口頭ベースの本人確認でせめて停止処理くらいなんとかなりませんか?」と言ったところ、何処かで聞いたことがあるようなフレーズがこだまする。「規則ですから」。

結局パスポートを取りに自宅に戻ってなんとか停止。直後に駅員さんが「クレジットカード会社に言わないと、カードも同時に止まっちゃう可能性あるから電話して」と指摘を受ける。さっき電話した時にはカード会社の人は駅に行けと言っただけでそんなこと言ってなかったのにな」と不満を抱えつつ、再び、カード会社に電話。無情に「ただいま電話が大変混み合っています。」の自動応答。10分経ってようやく繋がって、事情を説明したところ「いや、カード会社側では何も処理する必要ありません」とのこと。止めるのを待たせるってどういうこっちゃ!三菱UFJもAMEXもCEDYNAもそんなことなかったのに・・・( ;´Д`)

クレジットカード機能付きキャッシュカードも、当然だが、別々の窓口のかけて同じような本人確認をして時間をかけて止めなきゃならない。カード数枚の紛失だが、数倍にに膨れ上がることを改めて知った。

・名前は?
・生年月日は?
・住所は?
・電話番号は?
・紛失か?盗難か?
・無くした時間は?
・無くした場所は?
・最近カードを使ったのはいつ?
・警察に電話した?

ちなみに、それだけ苦労して処理した財布だが、今朝、車の運転席の右下に落ちていたところを発見した。事件起きてもう2週間近くが経過するが、まだまだ、再発行処理に奔走中・・・(´Д` ) もうこんな経験はこりごりだ。

・・・と思っていたのに、2週間後の今日・・・ふたたび事件は起きた・・・。さて、それは・・・。

2013年10月14日月曜日

コーポレートガバナンスの強化がイノベーションを生み出す!?


2013年10月7日号
ソフトバンクが徹底的にこだわっているのは、「社員と全く同じ環境を体験してもらうこと」。学生には社員と同じように社員証や業務用のタブレットを配布し、営業部門に配属された学生には名刺を持たせて企業訪問にも同行してもらう。経営層が集まる会議に参加し、議事録をまとめた学生の1人は「僕がこんなところにいてよかったのでしょうか」という感想を漏らしたほどだ。(企業と学生のシューカツ革命-1 ”3年いないの退職を絶つ”より)

感想)
やっぱりそこに行き着くかぁ~という想い。我が社も若手社員の雇用を検討中だが、会社を知ってもらうためにはどうしたらいいだろう、採用される側と採用する側のギャップを埋めるためにはどうしたらいいだろう・・・と考えている。同じようなことを考えたが「同行させてもワケがわからないだろう」とか「お客様の印象が悪くなるかもしれない」など、できなり理由ばかりが頭をもたげていたが、こういった事例を聞くにつけ、見習わなきゃイケナイ部分もあるなと強く思った次第。


2013年10月14日号

インターネット上で、米ハーバード大学や米マサチューセッツ工科大学(MIT)など、世界の著名大学の講義を配信している「エデックス」によって、ホセインさんの「お茶の間留学」は可能になった(ネット講義配信の衝撃より)

感想)
このエデックスは、MOOC(ムーク)と呼ばれるウェブサイト上での無料講義配信の1つらしい。ネット環境さえあれば、どこからでも受講できるとある。純粋に興味がわいた。ぜひ受講してみたい。


なぜイノベーティブな経営者が企業の中から出てこないのか。それはコーポレートガバナンス(企業統治)が機能していないからです。(オリックス宮内義彦の経営教室より)

感想)
コーポレートガバナンスが強いと、規則ばかりが先行し、企業としての効果的・効率的な動きが抑制され、イノベーティブな動きにつながらない・・・という印象が強かったので、この宮内CEOの発言が新鮮で目にとまった。宮内氏曰く、日本の経営者はプレッシャーが少ない、というのである。プレッシャーが少ないから、「何かを生み出さなければならない」という想いが生まれにくく、結果的に競争力を失っていく・・・というストーリーだ。でも、どうだろうか。たとえばGoogleは、週のうちの2割を自分の好きなことにつかっていいという20%ルール(今はもう有名無実化しているらしいが、少なくとも、以前はこれでイノベーティブな発想をしていたのは事実だ)は、これとは逆の発想だ。やはり結局は程度の問題ではなかろうか。適度のプレッシャーと適度のゆとりと・・・。スポーツの世界でも、ビジネスの世界でも、その両方があって初めて、イノベーティブな動きができるのではなかろうか。

2013年10月12日土曜日

書評: 選択の科学

選択の科学 ~コロンビア大学ビジネススクール特別講義~
著者:シーナ・アイエンガー(櫻井祐子訳)
出版社: 文藝春秋


■「選択」という行為の研究の集大成本


「ぎりぎりまで寝てようか。いや、今起きるか。」「今日のランチはカレーにしようか。ラーメンにしようか。」「顔を洗ってから歯を磨こうか、歯を磨いてから顔を洗おうか」「ここで部下に助け船を出そうか、もう少し我慢しようか」・・・このように、我々が意識・無意識のうちに行う「選択」という行為には、実は何かしら見えない法則があるんじゃないか。いやあるはずだ。そして、それが(選択の自由を持つことを大事にする傾向が強い)アメリカの強さの源になっているんじゃなかろうか。そう信じ、幅広い分野にわたり20年以上もの研究を続けてきた著者が、その成果をまとめた本だ。

とは言え、ただの小難しい研究本ではない。副題に「コロンビア大学ビジネススクール特別講義」とあるように、著者の研究内容と成果を、誰もが興味を持って読み、そして良く理解できるように、我々が大学時代に見た教授のテキストとは比べものにならないくらいわかりやすく、上手に、まとめられている。

■「選択」という行為に、かくも多くの発見があるのかという驚き


本書を読んでみて感じるのは、とにかく新鮮な発見が多い、ということだ。「選択」という身近な行為に、かくも奥深い発見があるのかとただただ舌を巻く。

1つ例を挙げよう。わたしは「運命は自分で切り開くもの。だから人に選んでもらった人生より、自分で選んだ人生の方がきっと幸せになれる」・・・そう単純に信じていた。著者は、この点についてある実験を行った。恋愛結婚と親同士が決めた者同士の結婚とで幸福度調査をしたのだ。新婚のケースでは、恋愛結婚をしたカップルのほうが幸福度数が高かったが、結婚から10年以上経ったカップルでは、これが逆転した、という。この結果を聞いたからといって「恋愛結婚より許嫁同士の結婚のほうがいい」とは思わないが、「許嫁同士の結婚は、ナンセンス」と考えることが、ナンセンスだ、と気づかされた。

もう1つだけ例を挙げよう。わたしは「何かを選ぶとき、その選択肢が多ければ、それにこしたことはない」と単純にそう思っていた。たとえば車を買いたいと思ったとき、選べる車種が多ければ多いほど、自分の用途に見合ったモノを発見できる可能性が高くなるハズ・・・とそう思うからだ。著者は、この点に対して、あるスーパーで実験を行った。店頭に数種類のジャムを並べた場合と、数十のジャムを並べた場合とで、顧客の対応にどのような違いがでるのかを観察したのだ。その結果はどうだったのか。非常に興味深いものだった。ぜひ、本書を読んで欲しい。

数々の偏見をとっぱらってくれること請け合いである。

■著者が引き合いに出す例示の数々


驚きの多さもさることながら、本書の魅力をさらに引き立てているのが、著者の紹介する実験話や例示の多さだ。動物や人間に行った実験の話はもちろんのこと、政治、社会、文学、歴史、数学、人間科学など・・・実験やたとえ話は、ありとあらゆる分野に及ぶ。お陰で、400ページ近い本だが、飽きることなく読むことができた。

動物忍耐力実験の話、幼稚園児の反応実験の話、マシュマロお預け実験の話、今の100ドルと将来の120ドルの実験の話、延命治療の選択・決定の話、ミネラルウォーターと水道水の話、コーラとペプシの話、アルゴアとブッシュ元大統領の選挙戦の話、宗教がもたらす影響の話、動物園の動物の寿命の話、京都でお茶に砂糖を入れてくれと頼んだときの店員との押し合いへし合い事件の話、大和銀行の11億ドル損失事件の話、シンデレラやタージマハル、ロミオとジュリエットの話。ギリシャの叙事詩「オデュッセイア」の話。ピクサー映画「ウォーリー」の話、ポーカーゲームの話・・・などなど、これだけ列挙しても、著者が本書の中で引き合いに出す例示のごくごく一部だ。

著者が、とんでもない量の文献を読み、実験し、研究を続けてきたことが良く分かる。しかも、これを全盲の著者が成し遂げたというのだから、畏敬の念を禁じ得ない。

■人間心理を愉快に学びたい人たちへ


というわけで、本書を読むと「選択」という1つの行為の裏に隠されたアメリカの強さ・・・いや、人間心理というものを、愉快に、学ぶことができる。

人間心理に触れることができるという点に鑑みれば、会社でマーケティング活動をしている方々、教育者の立場にある人たち、つまり、先生やコンサルタント、あるいは部下を持つマネジメントの方々、そして日々多くの判断を求められる子を持つ親たち・・・そういった人たちであれば、単に面白い本・・・というだけでなく、視野を広げ、何かを得る一冊になるだろう。


【講義という観点での類書】

2013年9月29日日曜日

シリコンバレーですら、90%の人が新しいものに反対する・・・

日経ビジネス2013年9月30日号の特集はビッグデータ。以下、特集に関係ある・なしに関わらず気になった記事をピックアップ。


『(東京メトロの)2013年3月期の売上高営業利益率は23%。鉄道会社ではトップクラスだ。高収益体質で知られるコマツや「ユニクロ」のファーストリテイリングを上回る。』(東京メトロ、再燃する「上場」期待より)

感想)
営業利益率23%って・・・とんでもなく高数値だ。上場企業の利益率を調べてみたら、たとえばソフトバンクが22.1%、漢方薬で有名なツムラで21.9%程度だ。23%という数字の高さがうかがい知れる。交通手段はいってみれば生活必需品なわけだし、よっぽどのことがない限り、この数字は続くわけだ。そこまで競争原理の働かない市場ゆえ、動機は薄いだろうが、逆に、もっとサービス向上にお金をかけられる・・・いや、かけるべきではないだろうか。ちなみに、上には上がいるものだ。上場企業の営業利益率トップは極東証券の57.4%、国際帝石の57%、グリーが52.3%、カカクコムが49.9%、キーエンスが46.1%・・・。経常で見たらもっと変わるだろうが、それにしても凄い。


『清川を支えたのは、古原からアドバイスを受けて聴講したグーグルのエリック・シュミットの言葉だ。ベンチャーの誕生を歓迎するシリコンバレーですら、90%の人が新しいものに反対する』(清川忠康 めがね販売の常識を覆すより)

感想)
企業アイデアが多くの反対されたら、逆にそれはチャンスだと考えるべき・・・とは良く言ったものだ。清川氏の記事を読んでいると、この言葉を地でいく印象だ。起業を目指す人にとって、とても重要なケーススタディになると思う。


『ハウステンボスの抱える問題は3つありました。1つ目は規模の大きさです。東京ディズニーランド(TDL)と同じくらいの投資をしていましたが、お客さんが来る地域から計算すると、TDLには関東の2000万人者市場規模があるのに対し、ハウステンボスは福岡まで入れても200万人。10分の1ですよ。それなのに、TDLの1.6倍の敷地面積をもつこと自体が間違いでした・・・(中略)・・・あとはイベント力です・・・(中略)・・・イベントはオンリーワンかナンバーワンの企画をやるしかありません。いろんなイベントを仕掛けて、それでお客さんを増やしただけ。あんまり難しくないから話したくないんだけど』(澤田 秀雄エイチ・アイ・エス会長、ハウステンボス社長 アジア大航海時代が来る より)

感想)
「ハウステンボスは、色々な人が努力してもダメだったのだから、今更エイチアイエスが頑張っても難しそう。」・・・くらいにしか思っていなかったが、澤田社長の言を聞くと明瞭完結。まさにこれが”現状にもとづく有効な戦略”ってやつと言えるのだろう。こうした戦略論が、なぜ、エイチ・アイ・エス以前に生まれなかったのか。澤田社長が圧倒的に有能だから、ということなのか。前の組織が硬直化していたからなのか。その理由をぜひ知りたかった。


たった99ドル(約9900円)であなたの遺伝情報を解析します」今年8月、全米でこんなテレビコマーシャルが始まった。提供するのは遺伝子解析を手がける米シリコンバレーのベンチャー、23andMe(23アンド・ミー)だ。検査キットに唾液を入れて送ると、4~6週間で遺伝病のリスクなどの分析結果が分かる』(遺伝子解析が激安に より)

感想)
ただ単にWow(わぁお)という気持ち。法的問題がネックで日本ではまだこうしたサービスが行われていないらしいが、個人的なリスク管理の一環として、始まったら飛びついちゃうかも。この商売を始めたら、その会社はとんでもなく儲かるだろうなー。

書評: 3 行で撃つ <善く、生きる>ための文章塾

  「文章がうまくなりたけりゃ、常套句を使うのをやめろ」 どこかで聞いたようなフレーズ。自分のメモ帳をパラパラとめくる。あったあった。約一年前にニューズ・ウィークで読んだ「元CIAスパイに学ぶ最高のライティング技法※1」。そこに掲載されていた「うまい文章のシンプルな原則」という記...