2010年5月9日日曜日

なぜ、保守党は過半数をとれなかったのか? in イギリス選挙

はぁ、もうすぐゴールデンウィークが終わってしまう。しかし、今回ほど、充実した休みはなかったように思う。海外出張から戻ってきた直後から休みに入ったが、それから家族サービスをしつつ、書籍を5~6冊読んだ。読んだ上に、ほぼ全ての書籍に対して感想文を書いた(たいてい真夜中だが・・・)。

最近、本やホワイトペーパーを読むだけ(インプットするだけ)では物足りず、すぐにアウトプットしない我慢ならない性分になってきたようだ。

さて、2010年5月6日イギリスの選挙が終わった。投票率65.1%。結果は、保守党(デーヴィッド・キャメロン氏)306議席、労働党(ゴードン・ブラウン氏)258議席、自由民主党(ニック・クレッグ氏)57議席。どの党も過半数(全部で650議席のため326議席が過半数)をとれない、いわゆる”ハング・パーラメント”。つまり、日本の政府同様、連立政権になるわけだ。

個人的には、選挙前まで政権を握っていた労働党のゴードン・ブラウン氏は、近年の大きな失業率の責任追及を免れ得ず、かつ、選挙直前の有権者に対する暴言を暴露されて完全に地に落ちたものと思っていた。保守党がもっともっと躍進すると思いきや、意外や意外、20席足りず。

イギリスに住む知人に

「誰に投票したの?」

と聞いたところ

Yes labour did fail but so did the Tories really with such a hated PM they still couldn't get an over all majority! I voted for Labour because I remember what the Tories did to us last time, they are the reason we have no real industry left in this country Maggie sold it all abroad or closed it! That's why the Tories didn't win out right..to many of my generation just don't like or trust them. People don't really blame the government for the recession they blame the Americans and their banks and our banks for being to greedy! I also know and like our Labour MP who I voted for and he won his seat!

との返事。

簡単に意訳すると「・・・労働党さ。保守党が過去にどんなにひどい失政をやったかハッキリと覚えているからな。サッチャーは、外国企業に売り渡すか閉鎖するなどして、イギリスが誇れる産業を何も残さなかった・・・失業率が高いのは、労働党の政治が悪かったからではなく、強欲なアメリカやイギリスの金融機関のせいだから仕方がないと思っている。」となる。

なるほど。この見方が正しいかどうかの判断は別として、少なくとも、多くの国民がこのように思っている可能性は高いと思う。だからこその今回の選挙の結果だったのだろう。

もしかしたら、これは日本の政治にも当てはまるのだろうか、と、ふと思う。

日本の国民は、今、鳩山首相のリーダーシップのなさ、そして、民主党の数々の公約違反に辟易しはじめているが、だからと言って次の選挙で、自民党に票が戻るというわけではないのかもしれない。今回のイギリス選挙のように・・・。つまり、日本ではまだまだハングパーラメントが続くわけで・・・。

0 件のコメント:

書評: 3 行で撃つ <善く、生きる>ための文章塾

  「文章がうまくなりたけりゃ、常套句を使うのをやめろ」 どこかで聞いたようなフレーズ。自分のメモ帳をパラパラとめくる。あったあった。約一年前にニューズ・ウィークで読んだ「元CIAスパイに学ぶ最高のライティング技法※1」。そこに掲載されていた「うまい文章のシンプルな原則」という記...