2010年5月1日土曜日

映画: KICK-A** (キックアス)

アメリカ滞在最終日の今日、つい先日からアメリカで公開されている映画『KICK-ASS(キックアス)』を観てきた。

この映画は、普段聞いている『小島慶子のキラキラ』に毎週ゲスト出演されている町山智浩さんが2010年4月23日の放送で取り上げてくれたもの。自分は、アメリカ渡米直前にポドキャストで聞いた。町山智浩さんが薦める映画作品は僕の感性とピッタリ合うものが多い。加えて紹介の仕方が非常に上手。映画のネタについてほどよい加減で触れて、聴く者の気を実に上手に惹く。以前『ハングオーバー』という映画の紹介を聴いていたときも、彼の解説を聞いて「ぜひ、観たい!」と強く思ったものだ。

さて、そんな町山さんが紹介してくれた『キックアス』だが、日本での公開は全く未定らしい。そして、R18(18歳以上じゃないと観てはいけない映画)なので、余計に観たくなったとも言える。アメリカに来た今この機会を逃す手はない・・・。で、この映画、

一言で言うと「凄い映画」。

色々と考えてみたが、これ以外の形容詞が見あたらない。

そして、もし二言目の感想を付け加えられるのなら「自分の倫理観が問われる映画」と言うことができるかもしれない。


【原作の本がある模様】

あまり映画の中身を触れずに説明すると、アメコミに出てくるヒーローにあこがれる青年が「自分も変わるぞ」と意気込んでヒーローを目指すお話。しかし、ストーリーはこれまでのX-MENやファンタスティック4、スパイダーマンやバットマンといった絶対的な強さを持ったヒーロー者とは全然違う。アメコミの世界とは全然違う厳しい現実と向かい合いつつも、彼の行動が徐々にまわりに変化をもたらしていく。そしてその変化は大きな渦となり、自身が巻き込まれていく・・・。

「倫理観が問われる」と言ったのは、「楽しんでいいのか?」と自問自答してしまうシーンがたくさんあるからだ。ところどころに出てくるユーモラスなシーンは観客の笑いを誘わずにはいられない。僕も何度も爆笑。でも、その多くがブラックユーモアで、なおかつ、11歳の少女が殺戮を繰り返すシーンがたくさん出てくる。キルビルも真っ青。でもその真っ青さをジョークと絡めている・・・観る者の心を試しているかのような恐ろしい映画。この映画を作った監督はすごいと思う。

この映画を賞賛すると、人格を疑われそうな気がする。が、正直に認める。個人的にはすごく楽しめた。観に来て良かったと思っている。アメリカでDVD発売されたら買っちゃうかもしれない・・・。

※IMDBでの紹介はこちら

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