その答えを指し示すのが本書である。
書評: 実践、タイムマネジメント 研究
より少ない時間で高い成果を出すために
著者: 坂本健
きっかけはアマゾンKindleプライムだった。本書が、あまりに直接的なタイトル、いや、面白くなさそうなタイトルで気が引けたが、「無料」だし、たまにはこう言うのもよかろうというノリだった。だからなのか、実際に本書を開いたのは買ってから2ヶ月後。私がいかに本書に期待していなかったがお分かりいただけると思う。
開いてみると、あら、読みやすい。小説形式なのだ。「さては、エリヤフ・ゴールドラット氏のザ・ゴールを真似して書いたな」。だが、「イコール悪い」という意味ではない。二番煎じ的な印象が否めなかったが、読み進めてみても、なかなかどうして。質は悪くない。
* 無駄な時間の使い方がどこで生まれているのか
* どうして生まれているのか
* どうやったら解決できるのか
それが講義のテーマだ。最初の2章程度を読んで、「そう言えば」と思ったことがある。
自分で言うのも(本当に)なんだが、ここ数年の仕事のスピードが倍以上速くなった実感を持っている。なぜなのだろう・・・と自らに問いかけたところ、出てきた答えの一つは、隙間時間の有効活用だった。昨年末に出版した自著「世界一わかりやすい リスクマネジメント集中講座」 にしても隙間時間で書き上げた本だ。電車移動中に携帯電話などを使って書き溜め、最後にパソコンでとりまとめた。
そう、本書の講義の一つ目のテーマはまさにその隙間時間だった。ストンと落ちる・・・とはこう言うことを言うのだろう。まさに腑に落ちた瞬間だった。こうした「隙間時間の有効活用」のほか、「コミュニケーション時の罠」「目的に立ち返ることの重要性」など、企業で誰もが陥る罠について、紐解いている。ちなみに、個人的に印象に残ったものの一つは、「指示出しの際の禁句」だ。禁句にすべき文句の中身そのものが、ではなく、「禁句」という手段そのものが、だ。なるほど、このように禁句(たとえば、「とりあえず・・・してみて」)を命じするとお互いが強く意識するようになるので実効性が高い。いい方法だと思う。
本書をまずは自分で読んでみる。私同様にいい本だと思たら、次は自分が講師にたって本に書いてある内容をミドルマネジメントクラスに教育するのもいいだろう。もっと簡単に済ませたければ、本書を買ってミドルマネジメントに配るというのもありかもしれない。この本を手に取った経緯が経緯だけに、この本の良質さに驚いた。意外な良書というのはこういう本を言うのだろう。
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