2018年3月31日土曜日

記事評: 永守重の働き方改革

今週号の日経ビジネス特集は、働き方改革。日本電産創業者の永守重信氏が表紙を飾る。

『「そうは言われても残業手当が減るんです」みたいな話に戻るわけ。鶏が先か卵が先かの話になっちゃって、まず収入増やしてくれ、そうすれば残業は辞めますと。それでは会社は業績が一気に悪化する。だから両方とも大事なので同時進行しかない。「結局、これはトップが強い信念でやらないといけないわけです。(作業手当が減っても)年収は減らしませんよと言う信念、必ずこの運動を成功させると言う信念。みんなの意識がそんなにころっと変わるもんじゃないし、お金もずいぶんかかる』(日経ビジネス2018年4月2日号より)

結局働いてるのは人間だし、生活がかかっているし、正論だけでは物事が前に進まない。ステークホルダーのニーズを汲み取り、どうやってみんなが納得できる落としどころを見つけ、前に進めることができるのか。それにはアイデアとお金と時間がかかる。お金と時間がかかる場合、中長期的視点が持てるトップこそが積極関与していくしかない。これは、やってもすぐに結果が出ない、お金に直結しないリスクマネジメントと一緒だと思う。

では、そのトップの意識を変えるためにはどうすればいいのか。永守重信氏の場合は買収を通じて海外の成功企業の文化を勉強する中で、生産性を上げることが重要だということに気づけたそうだ。生の成功事例がトリガーだ。私が携わるリスクマネジメントの世界においても、いかにたくさんの成功事例を作れるかが鍵というわけだ。難題だが、チャレンジしていきたい。

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