2011年9月20日火曜日

書評: 40歳の教科書 NEXT ~自分の人生を見つめ直す~

「子曰く、四十にして惑わず」なんてとんでもない。

40歳を前にして、この後どう進むべきか、迷いや不安は増える一方である。精神的・肉体的・家庭的・社会的・・・色々なプレッシャーや変化に迷いが生じる年齢なのではないかと思う。そんなわけで、ついつい、先人に教えを請おうとする自分がいたりする。

40歳の教科書 NEXT ~自分の人生を見つめ直す~ ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
編者: モーニング編集部&朝日新聞社
発行元: 講談社
発行日: 2011年4月21日 (880円)

■普段考えない観点から自分を見つめ直す

この本は、先週読んだ本「40歳の教科書」の続編にあたる。前作は、幼児から中学生くらいまでの子を持つ親が子育てにおいて考えておくべきテーマについて賛否両論、専門家の意見を一冊にまとめたものだった。今作は、2つの点で異なる。1つはテーマだ。前作が”子育て”であったのに対し、今作は”自分自身”がテーマだ。そしてもう1つは、テーマについて語る先輩達(人生のスペシャリスト)だ。前回も工藤公康投手や、漫画家の西原理恵子さん、ニトリ代表取締役の似鳥昭雄氏などそうそうたるメンバーだったが、今回も豪華ゲストがズラリ。プロゴルファーの青木功さんや映画監督の庵野秀明氏など、40代を激烈に駆け抜けた人達ばかり。

この本を通じて、誰もが「鬱になる可能性のあること」「突然、要介護者を抱える身になる可能性のあること」「子離れができない親になってしまう可能性のあること」など、実際は自分がそういう事態に陥るまであまり考えないようなことについて、改めて考える機会をもらった。

■スペシャリスト全員が口を揃えて言う”40代における精神的な衰え”

とりわけ、個人的に印象的だったことを1つ挙げておくと”40代における精神的な衰え”についてだ。この本は、それぞれのスペシャリストが自身の経験に照らし合わせて思うままに主張しているので、ぶつかる意見があることも少なくない。そうした中にあって皆が口を揃えて言っているのが精神的な衰えだ。いや、正確には肉体的な衰え、と言うべきか。

プロゴルファー青木功氏が次のように語っているのがとても印象的だった。

『40歳くらいになると、気力が衰えてくるよね。これって気持ちの問題と言うより、体力の問題なんだよ。・・・(中略)・・・だから俺「心技体」って言葉は大嫌いだな。あれは「体技心」と読み方を逆にしなくちゃいけない。』

今、私は健康管理のため、早朝ジョギングを続けて1年以上になるが、こうしたスペシャリストの言葉のお陰で、今後もこの活動を力強く継続できそうだ。

■自分が興味を持つテーマがあるかどうかで判断

さて、この本「40歳の教科書」と銘打っている以上、いわゆる”アラフォー”がターゲット読者層だ。しかし、40代の人に襲いかかってくる可能性のあるハードルばかりをテーマとして扱っているだけであって、中にはこれらハードルを30代で経験する人もいれば、50代・60代で経験する人もいるのだろうと思う。そういう意味では、”アラフォー”でなくとも、取り扱われているテーマを見て、自分が興味を持っているテーマがあるかどうかを持って、この本を読むかどうかを決めても良いと思う。

テーマ1) 40歳は人生の折り返し地点か?
テーマ2) 「心の危機」をいかに乗り越えるか」
テーマ3) 親との関係を問い直す
テーマ4) 経験を武器にするには、なにが必要か?

私のように、1つでも2つでも得られる気づきや勇気があれば、しめたものだ。そう思いませんか?






【関連リンク】 (40歳という年齢が強く関わる本)
40歳からの適応力(羽生善治)
やめないよ(三浦知良)

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