2012年9月号のVOICEで取り上げられている大きな論点だ。
国の借金は1000兆円を突破。このままでは財政が破綻してしまうからと、野田首相は消費税増税法案成立に命?をかける。法案の正式可決は時間の問題のようだ。しかし、時を同じくして、次の事項がその成立に向け(※正確には、整備新幹線については既にゴーサインが出ている)動きはじめている。
- 整備新幹線の未着工区間の建設(3兆円の7割を国と自治体が負担;民主党)
- 国土強靱化基本法案(10年間で100兆円;自民党)
- 防災・減災ニューディール(10年間で100兆円;公明党)
国家破綻から免れるためと・・・それでも揉めに揉めた消費税5%アップで得られる税収はやっとこさの13.5兆円。そんな中で、こんな巨額の公共事業投資を認めようとしているってどういうことなのか・・・という点をめぐって、著名人が意見を対立させている。
【反対派】
柳井正(ファーストリテイリング会長兼社長)
『・・・整備新幹線の話以上に、ある意味で私を驚かせ、また呆れさせたのは、自民党が提出した「国土強靱化基本法案」である。・・・消費増税による税収増は1%につき、たったの約2.5兆円。こんな法案(国土強靱化基本法案)が通ってしまえば、もはや増税する意味などどこにもなくなってしまう』
江田憲司(みんなの党)
『変動相場制のもとでは、公共事業のために財政支出を行なっても、金利の上昇→円高→輸出減が起こり、その効果が吸収されるというものだ。つまり公共事業は、ほとんど景気浮揚に寄与しないのである』
【賛成派】
谷垣禎一(自由民主党総裁)
『連動地震など)そうした国民の潜在的不安を取り除くことも、政治の役割だと思います。・・・さらに「国土強靱化基本法案」にはもう1つ、別の狙いもあります。消費増税を行うと、どうしても経済成長にマイナスの影響が出る恐れがある。そこで投資をして、成長を刺激すると言う政策が必要なのです。決してバラマキではありません。』
前原誠司(民主党政策調査会長)
『まず消費増税分の5%は、すべて社会保障費に回します。これは、区分管理して、ほかには転用できないとなっているので、間違いありません。また整備新幹線についてですが、私が国土交通大臣を勤めていたとき、整備新幹線の新規着工について5条件を満たさなければ認可しないとしました。・・・それが整ったのです。・・・国の公共事業費は、一貫して下がり続けています。増税分が公共事業に使われるということはありません』
こうした方々の主張のポイントを見ると、個人的には【賛成派】の部が悪いように思う。
理由は、谷垣氏の主張する公共事業投資が景気浮揚に貢献する・・・という主張を支える論拠が見当たらないからだ。
また、前原氏の主張する「国の公共事業費は、一貫して下がり続けています。(だから、こうした法案を通すことは別に問題ではないんです)」は、そもそも主張のポイントがズレている。目的は国の公共事業費を減らすことではなく、国の借金を減らすことだ。「国の公共事業費が下がっているから、と主張しても、借金は増え続けている」のだから、公共事業費が下がっていることを根拠に、こうした公共事業投資を正当化するのはおかしい。
元公務員が、小難しい名前の会社をたちあげて、政府から適当に予算をとって、実際は何の経験も技術も持たない自分の身内を数時間働く振りさせて、年収1000万円を超える収入を渡している・・・なぁんてシロアリがいる話を聞いたこともある(あくまでも、噂)。
野田首相の主張していたシロアリ退治はいずこへ・・・。柳井会長の焦りも分かる。いや、資産の少ない我々がもっと焦らなければいけないのに・・・。
っというふうに、まぁ、今月号VOICEを読んでいると、こんな感じで色々と考えさせられるわけで・・・。
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