送り火
著者:高橋弘希
晃に歪んだ感情を感じつつも、それにしたって中学生はそんな面もあるだろう・・・と、サスペンスやホラーでもなく、何気ない中学生の日常を読み進めていたのだが、物語は衝撃的なシーンで終わる。「えっ、ここで終わり!?」というのが読み終えた直後の率直な感想。だが、噛めば噛むほど味がでるスルメのように、、、反芻してみると、ジワッ、ジワッ・・・とこみ上げてくるものがあった。
「えっ、ここで終わり!?」が、読み終えて30分後には「あー、こういうのあるわ、ある、ある。」というのが感想に変わった。そして、晃や稔が持っていた感情や、性格というものが初めて腑に落ちた。
シンプルな物語の中に、シンプルじゃない人間性を見事に描ききっている。しかも、印象に残るストーリーで。
0 件のコメント:
コメントを投稿