2011年12月29日木曜日

オリンパスと監査法人

もうカレコレ4週ぐらいだろうか。日経ビジネスは「オリンパス問題」の記事から始まる。これまで、そうした記事の大部分が「内部統制はどうして機能しなかったのか!?」といったテーマに割かれていたが、今週はちょっと違った。外部監査に関する記事である。

記事の趣旨はこうだ。

「内部統制、内部統制・・・というが、経営の根幹が腐っていたので、そんな状態で内部統制をどう強化するかを議論してもなかなか始まらない。しかし外部監査はどうだ。今回のように内部統制が機能しなかったときのためにあるのが外部監査じゃないか。外部監査で統制の完全な崩壊を防ぐ・・・それができたはずだ」と。

あからさまに、あずさ監査法人と新日本監査法人の名を挙げて非難している。

監査法人が善意(知らなくて見逃したのか)であれ悪意(知っていて見逃したのか)であれ、こうした本来の目的を実現できなかったことが大きな争点の1つであることは間違いない。成果だけを見れば、監査法人がもらう数千万円という対価は果たして本当に妥当なのか、と疑問を呈したくなる。

ただ、よく言われてきたことだが、企業が監査をしてもらう監査法人を選定し、その法人に対して監査報酬を払う・・・という仕組み自体に無理があるのかもしれない。監査法人してみれば厳しく監査を行う監査対象である企業は、お金を払ってくれる顧客でもある。強い利害関係がある以上、厳しい追及を行えないのもある意味仕方がないのでは、と思ってしまう。

そういった関係を断ち切るためには、企業は上場先に一定の上納金を納めて、上場先の会社が監査法人を選定・契約を結び、各会社に監査法人を派遣する・・・とか、そんなんじゃないと難しいんじゃないだろうか・・・と、かなり素人的でいい加減な意見を言ってみたくもなる・・・。

監査法人も信頼を取り戻すべく色々と活動中のようだが、もう少し抜本的に仕組みを見直す時期に来ているのではないだろうか。

日経ビジネス2011年12月26~1月2日合併号

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