2011年12月8日木曜日

POSからPOCへ

今週号の日経ビジネスで2つ印象に残った記事がある。

■「POS」より「POC」が重要に

シニア層マーケットには、従来のPOSシステムではなく、POCに基づいた分析・アプローチをしないとリーチできない、というお話だ。POSがPoint of Salesであるのに対し、POCはPoint of Contact・・・すなわち、金銭的なやりとりが発生する(セールス)場面はもちろんのこと、それ以外の場面でのシニア層との接点をStudyすることが重要になるという意味だ。

ところで、これはわたし個人の経験だが以前、シニア層への娯楽サービス提供を生業にしている会社の方が「”シニア=お金を持っている”と聞いて、市場に攻めたけど、払ってくれないんだよね・・・。実際はシニアはお金なんて持ってないんですよ、きっと。」とボヤいていた。販売時点(POS)ばかりを観察していると、確かにマーケットがそのように見えてしまうのかもしれない。

しかし、実際はどうだろうか。記事はシニア層の購買行動をよく観察してみると一定の法則が見えてくる」と述べている。

具体的には、シニア層は「まだ使えるものを捨てるのはもったいない、と考える世代であり、一般的には、もはや衣料品やファッションにお金を掛けたくないという気持ちが強い・・・その一方で自分が強い興味を持つ活動や体験のためにお金をかけることには躊躇しない」とある。

これが正しいとすれば、先にわたしが挙げた娯楽サービスを提供されている会社の事例では「”シニア=お金を持っていない”から売れない」ではなく「”シニアのニーズ”=”売っている商品がマッチしていない”から売れない」といった論理が見えてくる。

「人や組織は失敗に多くのことを学ぶ」とは言うが、ただし、それは正しい学び方があって初めて達成されることなんだ、ということを示す良い例だ。

■アメリカでは法人による球団所有を良しとしない

NFL(アメフトのプロリーグ)では、なんと法人による球団保有を禁止しているのだそうだ。知らなかった・・・。メジャーリーグ(MLB)ではそのような正式な縛りはないらしいが、やはり個人所有が推奨されているとのこと。

理由は、アメリカでは、球団を保有する人・組織は、球団経営を第一義とし、ことに全力で集中すべきだと考える風土があるかららしい。日本ではどちらかといえば、コマーシャルの延長線上でありコストセンターに近い扱いだが、アメリカではプロフィットセンターとしてとらえている・・・ということもできるのだろうか。日経ビジネスの記事では、異論反論あるかもしれないが、それで良い結果をもたらしているのは日本よりもアメリカのほうだ・・・と言っている。

なるほどねー。アメリカと日本の球団経営って似ているようで全然似ていなんだねー。しかし、球団を保有できるほど裕福な人ってなかなかいないような・・・。しかも、横並びを良しとする日本において、そういった突出した裕福さを他人に見せるような行為は日本ではなかなか受け入れられなさそう。

日経ビジネス 2011年12月5日号

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