「なんだなんだ!!?? 美味い!! これは美味いじゃないか!!!」 気がつくとあっという間に平らげていた。自分のその様が、まるで漫画によくある一シーンを見ているようで、思わず苦笑してしまった。
きっかけは、実は中学二年生の息子が読んでいた本をチラ見したことだ。「まだ中二なのに、大人っぽい本を読んでやがるなぁ。何を大人ぶってるのかな。どれ少し見てやれ。どうせ大した本じゃないだろう」と、小馬鹿にしていた結果がこれだ。
本書は、コミュニケーションスキルをアップさせるための指南書だ。どう伝えたら、人の心を動かすことができるかについてのノウハウが書かれている。
「この領収書、落とせますか?」ではなく、「いつもありがとう、山田さん。この領収書、落とせますか?」
「デートしてください」ではなく、「驚くほど旨いパスタの店があるんだけど、行かない?」
こうした技法がたくさん、しかも体系的に紹介されている。なお、本書でカバーしているのは次の5つだ(いずれも著者のネーミング)。
・サプライズ法
・ギャップ法
・赤裸々法
・リピート法
・クライマックス法
「伝え方」を指南する本だけあって、本書自体とてつもなくわかりやすい。ウソではなく、20分で読めた。読めただけではなく、20分で消化できた。
ところで、後から知ったのだが、著者はどうやら情熱大陸にも出演されたようだ。それだけに本は飛ぶように売れている。「伝え方が9割」の続編、「伝え方が9割②」も出版されている。
では、この2冊、何が違うのか?両方とも読んだほうがいいのだろうか? 答えはイエスだ。「伝え方が9割②」の位置づけは、漢字ドリル②的な感じだ。「伝え方が9割」の内容をなぞりつつ、異なる事例を使い、読者自身がトレーニングできるようになっている。技法も、先に紹介した5つのに加え、新たに3つの技法がカバーされている。
・ナンバー法
・合体法
・頂上法
つまり、復習ができ、かつプラスアルファのスキルを学べる・・・それが「伝え方が9割②」の位置づけだ。
本書を、一言で語るなら「コミュニケーションバイブル」。そう呼べると思う。この本の内容を知るのと知らないのとでは雲泥の差があるし、できればふとしたときに見返したい本だからだ。私が本書に出会えたきっかけは・・・まぁ、偶然だが、出会えてラッキーだったと思う。 やはりなんでも興味を持って手を出してみるものだなぁ。
【コミュニケーションに関する類書】
・企画は、ひと言(石田章洋)
・聞く力(阿川佐和子)
・超一流の雑談力(安田正)
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