2013年10月29日火曜日

納得のいくスマフォ用ヘッドフォン

いやー、ここにたどりつくまでに時間がかかった。なにかって? 自分が納得のいくヘッドセットを見つけるまでの道のりのことだ。

自分はPodcastやラジオ、音楽などを移動中に聞くことが多いからヘッドセットは必需品だ。ただ、ヘッドセットの種類にこだわり始めた一番のきっかけは、iPhone用(5s)のケースをフリップ型(下図参照)のものに変えたこと。このフリップ型を採用したのはつい最近だが、これが割と便利。カード2~3枚程度なら入れておけるから、いちいち、改札をとおるときにポケットから財布を出さなくても、フリップケースのついたスマフォを手に持っておけば、かざすだけで簡単に通過できる。もちろん、iPhoneを損傷から守ることにもつながる。また、机の上に、見やすい角度で立てることもできる。他方、唯一の難点が、裸の状態のときに比べ、通話がしにくくなること。ケースをいちち開いて手に持って話すことになるので、この動作がなかなか面倒くさい。


そこでひらめいた。そう、ワイヤレスヘッドセットだ。それもブルートゥース型。ワイヤレスなら、スマフォを持ち帰るときやポケットから出すときにケーブルの絡みを気にすることから解放される。さらに、ヘッドセットの仕様によっては、着信したときに、フリップカバーすら開かずにヘッドセットについたボタンを軽く押すだけで、通話を開始できるのだ。

そこで調べに調べた。自分のニーズにマッチしたモノはないかと。そこでたどり着いたのが、Platronics社のBackBeat Go2という製品。ソニー製など他の製品をみまくったが、この製品が一番シンプルで、操作性も良さそう・・・そう結論づけた(※わたしは別にPlatronics社のまわし者ではござんせん)。

早速、注文。先日、届いたので使ってみた。


ひと言で言うと、とても満足。ケーブルが絡む煩わしさから解放され、携帯電話を持ちながら話す手間から解放され、その結果として、フリップ型カバーをつけたスマフォのデメリットから解放された。右耳のイヤフォンの下に小さいコントローラーがついているが、そこにマイクがついているようで、フリーハンドで話す際にも、そこで声を拾ってくれる。ビジネスシーンで使ってみたが、十分に耐えられるクオリティだ。8台まで登録が可能で、わたしは主としてスマフォとPCに接続して使っているが、接続・切り替えも極めて簡単だ。なんで、早くこのタイプの製品に気が回らなかったと、後悔しているほどだ。

難点を言えば、音質とバッテリー。音質は、やや安めのケーブルタイプのヘッドセットといった感がある。音が軽い。音楽を純粋に音で楽しみたい人には厳しいだろう。なお、私は音楽もラジオも聞いているが、そこまであまり気にならない。また、バッテリーだが、USBなので、簡単に充電できるが、サイズを小さめに抑えるために充電量を犠牲にしているようだ。最大4.5時間。

念のため、メリット・デメリットをもう一度、以下にまとめておく。

【メリット】
・ケーブルが絡む煩わしさから解放される(ケーブルが短く収まり、かつ、携帯電話とつなぐ必要がなくなるため)
・完全フリーハンドで通話ができる
・一般的なUSBケーブルを使っての充電なので、わりと簡単に充電ができる
・フリップ型スマフォケースのデメリットを除去してくれる

【デメリット】
・バッテリーの持ちがやや悪い
・音質がやや悪い


    


====充電ケーブルもナイス====
使ってみて2週間近くが経過。やはりバッテリーがもう少し持ってくれると嬉しい(まぁ、許せる程度ではあるが)。また、同梱の充電ケーブルがわりと便利だということに気がついた。写真のように、イヤフォンとスマフォの充電を一緒にできるようなUSBソケットになっている。(2013年11月4日追記)


2013年10月27日日曜日

自らを家の外に閉め出してしまった事件

先日、財布をなくした・・・わけだが、その約2週間後の今日、待ってましたとばかりに次の事件が起きた。いったい、どうしたことだろう。厄年のせいか・・・。

自分で自分のことを自宅から閉め出してしまった。

我が家の自宅の鍵は、利便性を追求して、ホテルのようにオートロック式になっている。つまり、開け方によっては油断をすると、自動で閉まってしまうため、中に入れなくなってしまうのだ(ちなみに、ホテルと違い、電動カギを使って扉を開けて外に出たときには自動で閉まるが、マニュアルで開けて外に出た場合には、自動では勝手に閉まらないようになっている)。

今の家に住むようになって、2年超・・・。平穏無事に過ごしてきたが、ついに今日・・・やってしまった。こういうときに限って、窓は全てしっかりと閉まっている。そう、残された道は一つ。鍵屋に電話して開けてもらうこと。

幸い、携帯電話だけは手元にあったので、鍵屋をググって、すぐに電話。そして、1時間後・・・。鍵屋さんが到着。どうも、うちの鍵は難易度の高い?タイプのものだったらしく、壊すしかないとのこと。そして破壊料は、1つあたり25,000円。扉には鍵が2つついていたので合計5万円。うーん・・・。ほかに選択肢はないようだ。

加えて、新しい鍵に取り替えるのに、1つあたり20,000円。つまり、破壊料と新しい鍵の取り付け料で合計9万円。一瞬の油断が、9万円の損失・・・。ああぁ、財布をなくしたときのような喪失感が私を襲う。

鍵屋さん、鍵を破壊中
もう、今年の嫌な出来事は・・・これが最後になって欲しい・・・。

財布を落とした事件

実は、2週間ほど前、財布をなくした。中には、現金7万円と身分証明の類、クレジットカードの類が全て入っていた。

  • 現金7万円
  • 身分証明書の類
    • 免許証
    • 保険証
  • カードの類
    • クレジットカード兼キャッシュカード1枚
    • クレジットカード2枚
    • JR東海のICカード
    • ANAのマイレージカード
    • JALのマイレージカード
    • SUICA/PASMOの類
    • 会社のセキュリティカード
  • その他
    • 会社に経費精算する領収書
    • 会社のEmergencyカード
    • お守り

ポジティブシンキング術にも限界があることを知った。どう思考をめぐらせても、気分の落ち込みを止めることができなかった。

カード類を止めるのには、ものすごく苦労した。特にオートチャージ機能がついたPASMOは曲者で、なんと電話一本では止められない。PASMOとひもづいているクレジットカード会社(ちなみに東急のカードで、クレジットカード自体は紛失していない)に連絡したら「それは駅の窓口に行け」という。仕方なく大雨の中、窓口に行ったが、「免許証か保険証などの身分照明がないと止められない」という。「いずれも財布の中だったので、紛失してしまってありません。クレジットカード会社みたいに口頭ベースの本人確認でせめて停止処理くらいなんとかなりませんか?」と言ったところ、何処かで聞いたことがあるようなフレーズがこだまする。「規則ですから」。

結局パスポートを取りに自宅に戻ってなんとか停止。直後に駅員さんが「クレジットカード会社に言わないと、カードも同時に止まっちゃう可能性あるから電話して」と指摘を受ける。さっき電話した時にはカード会社の人は駅に行けと言っただけでそんなこと言ってなかったのにな」と不満を抱えつつ、再び、カード会社に電話。無情に「ただいま電話が大変混み合っています。」の自動応答。10分経ってようやく繋がって、事情を説明したところ「いや、カード会社側では何も処理する必要ありません」とのこと。止めるのを待たせるってどういうこっちゃ!三菱UFJもAMEXもCEDYNAもそんなことなかったのに・・・( ;´Д`)

クレジットカード機能付きキャッシュカードも、当然だが、別々の窓口のかけて同じような本人確認をして時間をかけて止めなきゃならない。カード数枚の紛失だが、数倍にに膨れ上がることを改めて知った。

・名前は?
・生年月日は?
・住所は?
・電話番号は?
・紛失か?盗難か?
・無くした時間は?
・無くした場所は?
・最近カードを使ったのはいつ?
・警察に電話した?

ちなみに、それだけ苦労して処理した財布だが、今朝、車の運転席の右下に落ちていたところを発見した。事件起きてもう2週間近くが経過するが、まだまだ、再発行処理に奔走中・・・(´Д` ) もうこんな経験はこりごりだ。

・・・と思っていたのに、2週間後の今日・・・ふたたび事件は起きた・・・。さて、それは・・・。

2013年10月14日月曜日

コーポレートガバナンスの強化がイノベーションを生み出す!?


2013年10月7日号
ソフトバンクが徹底的にこだわっているのは、「社員と全く同じ環境を体験してもらうこと」。学生には社員と同じように社員証や業務用のタブレットを配布し、営業部門に配属された学生には名刺を持たせて企業訪問にも同行してもらう。経営層が集まる会議に参加し、議事録をまとめた学生の1人は「僕がこんなところにいてよかったのでしょうか」という感想を漏らしたほどだ。(企業と学生のシューカツ革命-1 ”3年いないの退職を絶つ”より)

感想)
やっぱりそこに行き着くかぁ~という想い。我が社も若手社員の雇用を検討中だが、会社を知ってもらうためにはどうしたらいいだろう、採用される側と採用する側のギャップを埋めるためにはどうしたらいいだろう・・・と考えている。同じようなことを考えたが「同行させてもワケがわからないだろう」とか「お客様の印象が悪くなるかもしれない」など、できなり理由ばかりが頭をもたげていたが、こういった事例を聞くにつけ、見習わなきゃイケナイ部分もあるなと強く思った次第。


2013年10月14日号

インターネット上で、米ハーバード大学や米マサチューセッツ工科大学(MIT)など、世界の著名大学の講義を配信している「エデックス」によって、ホセインさんの「お茶の間留学」は可能になった(ネット講義配信の衝撃より)

感想)
このエデックスは、MOOC(ムーク)と呼ばれるウェブサイト上での無料講義配信の1つらしい。ネット環境さえあれば、どこからでも受講できるとある。純粋に興味がわいた。ぜひ受講してみたい。


なぜイノベーティブな経営者が企業の中から出てこないのか。それはコーポレートガバナンス(企業統治)が機能していないからです。(オリックス宮内義彦の経営教室より)

感想)
コーポレートガバナンスが強いと、規則ばかりが先行し、企業としての効果的・効率的な動きが抑制され、イノベーティブな動きにつながらない・・・という印象が強かったので、この宮内CEOの発言が新鮮で目にとまった。宮内氏曰く、日本の経営者はプレッシャーが少ない、というのである。プレッシャーが少ないから、「何かを生み出さなければならない」という想いが生まれにくく、結果的に競争力を失っていく・・・というストーリーだ。でも、どうだろうか。たとえばGoogleは、週のうちの2割を自分の好きなことにつかっていいという20%ルール(今はもう有名無実化しているらしいが、少なくとも、以前はこれでイノベーティブな発想をしていたのは事実だ)は、これとは逆の発想だ。やはり結局は程度の問題ではなかろうか。適度のプレッシャーと適度のゆとりと・・・。スポーツの世界でも、ビジネスの世界でも、その両方があって初めて、イノベーティブな動きができるのではなかろうか。

2013年10月12日土曜日

書評: 選択の科学

選択の科学 ~コロンビア大学ビジネススクール特別講義~
著者:シーナ・アイエンガー(櫻井祐子訳)
出版社: 文藝春秋


■「選択」という行為の研究の集大成本


「ぎりぎりまで寝てようか。いや、今起きるか。」「今日のランチはカレーにしようか。ラーメンにしようか。」「顔を洗ってから歯を磨こうか、歯を磨いてから顔を洗おうか」「ここで部下に助け船を出そうか、もう少し我慢しようか」・・・このように、我々が意識・無意識のうちに行う「選択」という行為には、実は何かしら見えない法則があるんじゃないか。いやあるはずだ。そして、それが(選択の自由を持つことを大事にする傾向が強い)アメリカの強さの源になっているんじゃなかろうか。そう信じ、幅広い分野にわたり20年以上もの研究を続けてきた著者が、その成果をまとめた本だ。

とは言え、ただの小難しい研究本ではない。副題に「コロンビア大学ビジネススクール特別講義」とあるように、著者の研究内容と成果を、誰もが興味を持って読み、そして良く理解できるように、我々が大学時代に見た教授のテキストとは比べものにならないくらいわかりやすく、上手に、まとめられている。

■「選択」という行為に、かくも多くの発見があるのかという驚き


本書を読んでみて感じるのは、とにかく新鮮な発見が多い、ということだ。「選択」という身近な行為に、かくも奥深い発見があるのかとただただ舌を巻く。

1つ例を挙げよう。わたしは「運命は自分で切り開くもの。だから人に選んでもらった人生より、自分で選んだ人生の方がきっと幸せになれる」・・・そう単純に信じていた。著者は、この点についてある実験を行った。恋愛結婚と親同士が決めた者同士の結婚とで幸福度調査をしたのだ。新婚のケースでは、恋愛結婚をしたカップルのほうが幸福度数が高かったが、結婚から10年以上経ったカップルでは、これが逆転した、という。この結果を聞いたからといって「恋愛結婚より許嫁同士の結婚のほうがいい」とは思わないが、「許嫁同士の結婚は、ナンセンス」と考えることが、ナンセンスだ、と気づかされた。

もう1つだけ例を挙げよう。わたしは「何かを選ぶとき、その選択肢が多ければ、それにこしたことはない」と単純にそう思っていた。たとえば車を買いたいと思ったとき、選べる車種が多ければ多いほど、自分の用途に見合ったモノを発見できる可能性が高くなるハズ・・・とそう思うからだ。著者は、この点に対して、あるスーパーで実験を行った。店頭に数種類のジャムを並べた場合と、数十のジャムを並べた場合とで、顧客の対応にどのような違いがでるのかを観察したのだ。その結果はどうだったのか。非常に興味深いものだった。ぜひ、本書を読んで欲しい。

数々の偏見をとっぱらってくれること請け合いである。

■著者が引き合いに出す例示の数々


驚きの多さもさることながら、本書の魅力をさらに引き立てているのが、著者の紹介する実験話や例示の多さだ。動物や人間に行った実験の話はもちろんのこと、政治、社会、文学、歴史、数学、人間科学など・・・実験やたとえ話は、ありとあらゆる分野に及ぶ。お陰で、400ページ近い本だが、飽きることなく読むことができた。

動物忍耐力実験の話、幼稚園児の反応実験の話、マシュマロお預け実験の話、今の100ドルと将来の120ドルの実験の話、延命治療の選択・決定の話、ミネラルウォーターと水道水の話、コーラとペプシの話、アルゴアとブッシュ元大統領の選挙戦の話、宗教がもたらす影響の話、動物園の動物の寿命の話、京都でお茶に砂糖を入れてくれと頼んだときの店員との押し合いへし合い事件の話、大和銀行の11億ドル損失事件の話、シンデレラやタージマハル、ロミオとジュリエットの話。ギリシャの叙事詩「オデュッセイア」の話。ピクサー映画「ウォーリー」の話、ポーカーゲームの話・・・などなど、これだけ列挙しても、著者が本書の中で引き合いに出す例示のごくごく一部だ。

著者が、とんでもない量の文献を読み、実験し、研究を続けてきたことが良く分かる。しかも、これを全盲の著者が成し遂げたというのだから、畏敬の念を禁じ得ない。

■人間心理を愉快に学びたい人たちへ


というわけで、本書を読むと「選択」という1つの行為の裏に隠されたアメリカの強さ・・・いや、人間心理というものを、愉快に、学ぶことができる。

人間心理に触れることができるという点に鑑みれば、会社でマーケティング活動をしている方々、教育者の立場にある人たち、つまり、先生やコンサルタント、あるいは部下を持つマネジメントの方々、そして日々多くの判断を求められる子を持つ親たち・・・そういった人たちであれば、単に面白い本・・・というだけでなく、視野を広げ、何かを得る一冊になるだろう。


【講義という観点での類書】

2013年9月29日日曜日

シリコンバレーですら、90%の人が新しいものに反対する・・・

日経ビジネス2013年9月30日号の特集はビッグデータ。以下、特集に関係ある・なしに関わらず気になった記事をピックアップ。


『(東京メトロの)2013年3月期の売上高営業利益率は23%。鉄道会社ではトップクラスだ。高収益体質で知られるコマツや「ユニクロ」のファーストリテイリングを上回る。』(東京メトロ、再燃する「上場」期待より)

感想)
営業利益率23%って・・・とんでもなく高数値だ。上場企業の利益率を調べてみたら、たとえばソフトバンクが22.1%、漢方薬で有名なツムラで21.9%程度だ。23%という数字の高さがうかがい知れる。交通手段はいってみれば生活必需品なわけだし、よっぽどのことがない限り、この数字は続くわけだ。そこまで競争原理の働かない市場ゆえ、動機は薄いだろうが、逆に、もっとサービス向上にお金をかけられる・・・いや、かけるべきではないだろうか。ちなみに、上には上がいるものだ。上場企業の営業利益率トップは極東証券の57.4%、国際帝石の57%、グリーが52.3%、カカクコムが49.9%、キーエンスが46.1%・・・。経常で見たらもっと変わるだろうが、それにしても凄い。


『清川を支えたのは、古原からアドバイスを受けて聴講したグーグルのエリック・シュミットの言葉だ。ベンチャーの誕生を歓迎するシリコンバレーですら、90%の人が新しいものに反対する』(清川忠康 めがね販売の常識を覆すより)

感想)
企業アイデアが多くの反対されたら、逆にそれはチャンスだと考えるべき・・・とは良く言ったものだ。清川氏の記事を読んでいると、この言葉を地でいく印象だ。起業を目指す人にとって、とても重要なケーススタディになると思う。


『ハウステンボスの抱える問題は3つありました。1つ目は規模の大きさです。東京ディズニーランド(TDL)と同じくらいの投資をしていましたが、お客さんが来る地域から計算すると、TDLには関東の2000万人者市場規模があるのに対し、ハウステンボスは福岡まで入れても200万人。10分の1ですよ。それなのに、TDLの1.6倍の敷地面積をもつこと自体が間違いでした・・・(中略)・・・あとはイベント力です・・・(中略)・・・イベントはオンリーワンかナンバーワンの企画をやるしかありません。いろんなイベントを仕掛けて、それでお客さんを増やしただけ。あんまり難しくないから話したくないんだけど』(澤田 秀雄エイチ・アイ・エス会長、ハウステンボス社長 アジア大航海時代が来る より)

感想)
「ハウステンボスは、色々な人が努力してもダメだったのだから、今更エイチアイエスが頑張っても難しそう。」・・・くらいにしか思っていなかったが、澤田社長の言を聞くと明瞭完結。まさにこれが”現状にもとづく有効な戦略”ってやつと言えるのだろう。こうした戦略論が、なぜ、エイチ・アイ・エス以前に生まれなかったのか。澤田社長が圧倒的に有能だから、ということなのか。前の組織が硬直化していたからなのか。その理由をぜひ知りたかった。


たった99ドル(約9900円)であなたの遺伝情報を解析します」今年8月、全米でこんなテレビコマーシャルが始まった。提供するのは遺伝子解析を手がける米シリコンバレーのベンチャー、23andMe(23アンド・ミー)だ。検査キットに唾液を入れて送ると、4~6週間で遺伝病のリスクなどの分析結果が分かる』(遺伝子解析が激安に より)

感想)
ただ単にWow(わぁお)という気持ち。法的問題がネックで日本ではまだこうしたサービスが行われていないらしいが、個人的なリスク管理の一環として、始まったら飛びついちゃうかも。この商売を始めたら、その会社はとんでもなく儲かるだろうなー。

書評: 静かなるイノベーション

静かなるイノベーション ~私が世界の社会起業家たちに学んだこと~
著者: ビバリー・シュワルツ(藤崎香里 訳)
出版社: 英治出版


■What's this book about?(何の本だろう?)

社会人または、これから社会人になろうとする者に、人生の新たな選択肢を示してくれる本だ。その選択肢とは"社会起業家(ソーシャルアントレナーシップ)"だ。

社会企業家とは、本書の言葉を借りれば、公正を重視し重要な社会変革を起こすためにシステムを破壊してつくりかえる人々のことだ。一瞬、「政治家のことか?」とも思うが、”起業家”という言葉がつくことからも分かるように、もっと簡単に言えば、世の中をより良くするための活動をビジネスとして成り立たせてしまおうという人々のことだ。お金が絡めば勢いがつくし、それによって半永久的な活動となりやすいからだ。従来、「世の中に役立つことをしたい」という人は、活動家や提唱者、医者や人権弁護士、教授、研究所、学者などになるという道を選んできた。そこに現実的な選択肢が加わった。それが社会起業家なのである。ちなみに、わたしがMBAを習得した2005年頃には既に”社会起業家”という言葉が登場していたが、当時は今ほどの注目度はなかった。ところが2008年~9年頃から「先輩が行った大学院では、社会起業家についてどんな学びを得られるのか・・・教えてください」と頻繁に聞かれるようになった。社会起業家は、まさにトレンドといえるのだろう。

とはいえ、社会起業家が何であるのか、まだイメージがわきづらい。まして、どうやったらなれるのか、わからない。著者もまさにその一人だったようである。そんな著者が、世界最大の社会企業ネットワークを持つアショカグループの存在を知った。そこで、社会に大きな変革をもたらすことに成功している人たちがたくさんいることを目の当たりにしたのである。彼らを突き動かしたモチベーションは何なのか。そこに共通点はないのか。本書は、世界中で大きな成功を収めたアショカフェロー18人に直接インタビューを行った結果がまとめられている。

■What's so good about it?(この本の何がいいのか?)

社会起業家をテーマにした本は数多くある。Amazon.co.jpで検索したら、700件以上もヒットがあった。そんな中で本書が特徴的なのは、世界最大の社会企業ネットワークアショカグループで大きな成功を遂げているメンバー達に直接インタビューを敢行した結果が反映されている点だろう。ドイツで人々が所有する電力会社を作り上げたウアズラ・スラーデク、グアテマラの農村への物流革命をもたらす小規模委託販売モデルを作り上げたグレッグ・ヴァン・カーク、新しい仕事を創出することでペルーの町を美しくする仕組みを作り上げたアルビナイ・ルイス・・・など、文字通り、世界中で成功した人たちの生きた事例を読むことができる。

そして、もう1つ特徴的なのは、本書の構成だ。事例を5種類に分類し、それをそのまま章立てとしている。具体的には「時代遅れの考え方をつくりかえる」「市場の力学を変える」「市場の力で社会的価値をつくる」「完全な市民権を追求する」「共感力を育む」という5つだ。この分類は、読者が「どんな社会起業家になれるか?」を考える際のヒントになる。社会起業家に共通するものとして、身近な生活に感じた不満がきっかけになっていることが多いと本書は指摘するが、たとえば私に置き換えて考えてみると「通勤電車の混雑具合、孤独死、自殺・・・」などがパッと思いつく。ではそれらがこれら5つの章のどれに当てはまるのか・・・それを見つけてページを開くと、そこには具体的な事例が載っている。こんな感じでヒントになるのだ。

それと意外に気がつかないことだが、敢闘賞だと思うのが翻訳だ。和訳された文章というものは一般的に堅苦しく、どこか、ぎこちがない。内容が内容だけに、読みづらくなるのが常であるが、本書の本の文章はスムーズで、読みやすかった。

■To whom do you recommend this book? (で、誰にお勧めの本なのか?)

いいことばかり書き連ねたが、留意点も挙げておきたい。別の視点から見れば、社会起業家の事例が載っているだけの本・・・と言えなくもない。(どんな本を読むときにも当てはまることだが、本書を読むときは特に)何の意識もせずただボーッと読んでいると、頭には何も残らない可能性がある。一回目は軽く流し読みするとして、二回目からは、自らのケースを当てはめて読むといいだろう。自分が感じている社会の不満などを列挙してみて、それが本書のどの章立てに当てはまるかを考え、自分ができる身近なことってなんだろうかと考えてみる・・・。そうすると、本書が生きてくる。

というわけで、人生に選択肢を増やしたい人、社会起業家に強い興味がある人にはぜひお勧めしたい。また、会社の中に起業家マインドを醸成したいという人・・・会社で本書を配るというのもアリかもしれない。


2013年9月21日土曜日

雑誌「韓国を叱る」を読んで

今回は月刊VOICE2013年10月号から。印象に残った言葉、文章を、以下にクリッピング。


『(高橋)是清という人物はものすごい数の失敗をして、そのたびに学びを得て乗り越えています。』
(高橋是清に学ぶ「命懸け」の出口戦略 幸田真音より)

感想)
高橋是清・・・昔、学校で習ったけど、実はほとんど覚えていない。この記事を読んで、40歳にして突如、この人物に強い興味がわいた。ちなみに、記事中に出ていた「明治五年に太陰暦から太陽暦に変更した理由」・・・っていうのが、なんか突拍子なくて面食らった。ちなみに、その理由とは「それによって月数が一つ減ることになり、役人の人件費(月給制)を一ヶ月分削減できたから」だそうΣ(゚д゚;)


『いま、現代自動車の社員の平均年棒が約900万円ですね。トヨタより多く、生産性はトヨタよりずっと落ちるのに、8月20日から二日間、賃上げ要求のストに入った。このあたりがおそらく韓国経済のターニングポイントだと思う。』
(中国属国化で自滅する韓国 屋山太郎&室谷克実より)

『サムスン電子の利益は、あまりにも「スマートフォン依存」になってしまっている・・・(中略)・・・サムスン電子の売り上げ(利益ではない)が韓国のGDPに締める割合は、20%に達しているのだ。現在の韓国は、「サムスン電子が販売するスマートフォンの売り上げ」に国民経済が左右されてしまう、異様な構造を持つに至ったのだ。』
(サムスン共和国の崩壊が始まった 三橋貴明より)


感想)
ぶっちゃけ感じたのは「他人の芝は青く見える」ということ。もともと、韓国はパッと見、勢いある国というイメージが強く、(今でこそ勢いがでてきたがつい最近まで)日本は、勢いがない国というイメージが強かった。しかし、ふたを開けてみれば、どこの国もそれなりに大きな問題を抱えているんだな、と。いや、日本と韓国のケースでは、むしろ、韓国の方が大変そうですらある。韓国は、日本以上に、財閥がものすごく力を持ち、限られたごく一部のものばかりが得をする社会になっている・・・といいつつ、その代表格であるサムスンが資本の過半数を外国勢に握られている・・・わたしが朴大統領だったら、何ができるんだろう。


『政治犯の場合は(日本・韓国間の)引き渡し対象から除外されるわけだが、「ソウル高裁は「放火犯」にすぎない劉容疑者について、”靖国神社をたんなる宗教施設でなく、過去の侵略戦争を正当化する政治秩序の象徴とみなした犯行で、政治的大義を実現するために行われた」と指摘し、劉容疑者を「政治犯」と認定したのである。』
(サムスン共和国の崩壊が始まった 三橋貴明より)

感想)
感情論を抜きにして、放火はダメだと思う。明らかに犯罪。人の命を奪いかねない。政治的解決手段として人命を奪う行為を容認するのは、どう差し引いても納得がいかない(ちなみに、私は韓国人が好きだし、友達もいっぱいおります・・・)。


『私は元中国人だから知っていますけど、ある意味で中国ほど韓国を嫌う国はありません。中国人の日本に対する「嫌い」という感情と、韓国に対する「嫌い」という感情はまったく異なります。日本への「嫌い」は過去の「歴史問題」いわゆる「軍国主義」に対するもので、抽象的なものです。一方で、韓国に対する「嫌い」はより具体的なモノで、はっきりいってしまえば、韓国人が「嫌い」だということです。中国の半日には、日本に対するある種の尊敬やコンプレックスも含んだ複雑なところがある。一方で中国は朝鮮半島国家を完全に見下しています。』
(中国も呆れる熱狂ファシズム 呉善花&石平 より)

感想)
全く知らない事実に気づかされた・・・ということでとりあげた。本当なのだろうか。今度、中国の友達にあったら聞いてみたい。世の中のこと、隣国のこと、理解できているようで、実は本当に何も知らない自分に気づかされる。


『消費税引き上げの代償として財政出動するのは最悪で、なぜなら、自民党議員に象徴されるように、財政支出にたかりたい利害関係者はこのチャンスを待っているからだ。ほとんどの支出は無駄なので、それなら減税をした方がよい。消費税引き上げ率を抑え、消費者にカネをもたせるべきだろう。政府が無理をして捻出する財政支出で生じる需要よりも、質の高い需要となるからだ。』
(消費増税延期論は単なるポピュリズム 小幡績 より)

財政出動は最悪・・・というこの記事の理由には賛同したい。東日本大震災の復興増税の流用事件を忘れてはいけない。こうした財政出動により落ちてくるお金を自分たちのところにひきよせるのが得意なシロアリさんたちがたくさんいる。それが日本の景気刺激にどうつながるのか。まぁ、1万歩譲歩したとして、自堕落なシロアリさんたちがその金を得たとして、国内でお金をしっかりと使ってくれれば(最終的には他のひたちにお金がまわり・・・良いのだろうが、それが海外旅行などを通じて、日本の外に流れているばかりだとしたら、あるいはひたすら貯金になっているのだとしたら・・・それはもう・・・悲しくて悲しくて・・・。

月刊VOICE2013年10月号

2013年9月16日月曜日

物流コストを引き上げる大きな要因

日経ビジネス2013年9月16日号の特集は「アベノリンピクスの行方」。ただし、やや後付け感が否めず、どちらかというと、もう1つの特集「物流」の記事が面白かった。


今、物流コストを引き上げる大きな要因となっているのが、再配達の増加だ。Amazonでは徹底した効率化でスピード物流に磨きをかけてきたが、唯一、コントロールしきれず流れが滞る場所がある。それが、購入者の受け取り時だ。(「独走アマゾンの執念 王者と組んだ王者」より)

感想)
Amazonや楽天が、当日配送エリアの拡大にしのぎを削るなど、物流スピードも来るところまで来たか・・・といった印象を持ったが、記事が指摘するように消費者の受け取りがボトルネックになるとは、確かにそのとおりだ。数年前からヤマトが、女性の配達ドライバーを増やすことで、警戒感の強い女性が居留守を使わずに荷物を速やかに受け取ってくれるような工夫をしている・・・という番組特集を観た記憶があるが、なるほど、ああしたことも、まさにこの指摘を克服するための取り組みだったというわけだ。記事では、解決策としてコンビニ受け取りを拡大させる・・・とあったが、コンビニもスペースは限られるし、さらなる工夫が求められるのだろう。

日経ビジネス2013年9月16日号

2013年9月7日土曜日

商品やサービスの背後にあるもの

日経ビジネス2013年9月9日号の特集は、「スクエア・インパクト」。スクエアとは、会社の名前だ。モバイル端末で、簡単に決済できる仕組みをゼロ円で導入できるサービスを提供している。創業者のジャック・ドーシーCEOは、ツイッターの発明者でもある。


ツイッターもスクエアも、コミュニケーションと顧客体験に焦点を当てているところで哲学が共通している。スクエアは単なる決済サービスを提供するだけの会社じゃない。ツイッターが140文字でコミュニケーションをシンプルにしたように、店舗と顧客のコミュニケーションを単純化するためにスクエアがある・・・(中略)・・・スクエアの「魂」はソフトウエアやサービスの背後にあるものであり、コピーできるものではない。(「特集 スクエア・インパクト 魂はコピーさせない」より)

感想)
ソフトウエアやサービスの背後にあるもの・・・この表現がすごく心に残った。ごく平凡に表現すれば、経営理念やミッションみたいなもの・・・もっと平凡に言えば、会社が目指す究極の目的・・・といえるだろうか。スクエア社ではこれが明確であり、かつ、しっかりと共有できている・・・それがジャック・ドーシーCEOの魂というものではなかろうか。ツイッターやモバイル決済はその魂から生まれたイチ手段に過ぎず、スクエア社に真に根付いている”魂”さえしっかりしていれば、顧客に受け入れられるモノを作れる・・・そういうことじゃないかと思った。

「世界中の情報を整理しアクセスできるようにするという」使命をかかげるGoogleにしても、「自由でみずみずしい発想を原動力に すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供する」という使命をかかげるディズニーにしても、本当に強い会社は、その「背後にあるもの」を大事にしており、品質の高い経営理念やミッション・・・言わば、目に見えないひもで、経営とスタッフ一人一人をしっかりと結びつけているのだと感じた。我が社に足りないものだ。


僕は以前、ソニーにいました。・・・(中略)・・・「ソニーの持つ技術がこう入っているから他社に勝てる」というプレゼンが求められました。もちろんその視点の大事さは知っています。でも、差別化にこだわるが故に、ユーザの顔が見えなくなる場合もある。僕はユーザーが求めるものの中で、「良いものをいち早く出す」というシンプルなことがビジネスとして非常に意味があると思っています。(「失敗なくして運は来ない 森川亮 LINE社長インタビュー記事」より)

感想)
差別化と顧客ニーズ・・・結論から言えば、どちらも必要なわけだ。ただし優先順位のつけかたが問題なのだろう。そもそも差別化と顧客ニーズ・・・見てる方向が異なる。差別化は競合を意識したものだし、顧客ニーズは顧客を意識したものだ。差別化・・・すなわち、競合他社を意識し過ぎると、本当に顧客が欲しいものを見失う・・・そういうことなのだろう。

日経ビジネス2013年9月9日号

===2013年10月14日追記(スクエアとユニクロの提携)===
2013年10月14日号の日経ビジネスに、ユニクロがスクエアに急接近の記事が・・・。店舗の機動力向上と小スペース化・・・が採用の理由とのこと。特に機動力向上という観点では、店員一人一人をレジ化することにより、混雑時にお客様が行列に並ぶストレスから解放できる=機会損失を減らせる・・・ということだが、さて、どれだけの効果があるのか、興味がわく。確かに並ばないのは有り難いが、それが理由で買い物をあきらめる・・・ってのはそんなにあるものなんだろうか。ぜひ、効果のほどを知りたい。

2013年9月6日金曜日

書評: 井沢元彦の学校では教えてくれない日本史の授業3 悪人英雄論

井沢元彦の学校では教えてくれない日本史の授業3 悪人英雄論
著者: 井沢元彦
発行元: PHP研究所


■歴史の裏教科書 第3弾


本書は、シリーズ3作目。何のシリーズかというと、歴史学という見地のみならず、宗教学や考古学、言語学など複合的かつ斬新な見地から、日本史をひもとき解説してくれるシリーズだ。シリーズ第3弾にあたる今作は、題して「悪人英雄論」。日本の歴史に登場する誰もが知る・・・英雄と謳われた人、悪人と謳われた人たち・・・を井沢元彦の流儀でぶったぎった本である。

具体的に登場人物の名を挙げると、天智天皇、持統天皇、中臣鎌足と藤原不比等、藤原仲麻呂と道鏡、平将門、源頼義と頼家、源頼朝と義経、後醍醐天皇、足利尊氏、足利義満、北条早雲、斎藤道三、毛利元就、である。この名前を見ただけでも、本書が日本史の中のどのあたりの時代をターゲットにしているか、自分が興味を持って読めそうな本か・・・ある程度、判断がつくだろう。

■日本史の点と点を線にしてくれる魅力は相変わらず


前々作前作の書評でも触れたが、本書最大の特徴は、我々が学校で習ったときには点でしかなかった歴史上のイベントを、みごとに線でつなげてくれる点にある。この特徴は本書でも健在だ。具体例を挙げてみたい。以下は、学校の歴史教科書に登場する解説文だ。足利義満が造った金閣寺についての解説文だ。

『義満が京都北山の山荘(のちの鹿苑寺)にもうけた金閣は、1層(初層)が伝統的な寝殿造、2層が和洋の仏堂、3層が禅宗様式という建築様式で、この文化の特徴をよく示していることから、室町時代初期の文化を北山文化とよんでいる(日本史B 改訂版)三省堂122ページ)』

正直、年くった今読んでも、お世辞にも「おー、すごいっ!」とか「へぇー!」という感想は出ない。せいぜい「金閣寺ね。あー、あの黄金の。おれわりと好きだな・・・」くらいだろうか。学生時代、文意を理解することよりも、ただイベントを丸暗記しようとしていたことしか記憶にない。足利義満、金閣寺、北山文化・・・というキーワードを必死で暗記していたような気がする。

この解説が、井沢元彦にかかるとどうだろう。彼は次のようにひもとく。「なぜ、金閣寺を3層違う様式で建築したのか。そこには足利義満の隠れた想いが反映されている。1層の寝殿造りに住むのはもともと天皇だ・・・貴族だ・・・すなわち朝廷勢力だ、2層の仏堂は武家造りを表している・・・すなわち武士、3層の禅宗様式は中国人の禅僧・・・ただし、中国人とは中国で生まれたかどうかなどDNAのことではなく、中華の思想・・・世界の中心・・・という意味での中国(中心)人・・・のこと、つまり、これは足利義満自身を指す。つまり、金閣寺は、足利義満がすべてのトップに君臨したいという彼の野望の象徴そのものである。」・・・とこんな感じである。金閣寺の公式ホームページの歴史解説を読んでも、このような解説は出てこない。あくまでも井沢氏の持論にとどまる話なのかもしれないが、「3種類の様式で造られている。北山文化だ。足利義満が建てたんだ」と教えられるよりも、はるかに印象的で、ものすごく魅力的だ。もっと当時の歴史を知りたい・・・心が動かされる。これが、本書・・・いや、本シリーズの魅力なのだ。

■かめばかむほど味が出るスルメ本


一点、注意点を挙げるとすれば、読むのにややエネルギーがいる、という点だろうか。歴史に家系の話はつきものだ。天皇が登場するならなおさらである。また、昔の人の名前には似たものが多い。そこに輪をかけるように、もともと聞き覚えの薄い天皇や武将の名前も登場するので、著者のいわんとすることを正しく理解するために、何度もページをひっくり返して、家系図と解説を確認しながら読むことになる。だから、一気に読み進めるのが難しい。

一方で、そうしたハードルを乗り越えると・・・つまり、著者の趣旨を理解できると、ぱっと目の前が開けたような発見がある。ある意味、かめばかむほど味が出るスルメ・・・と同じ楽しみ方ができるとも言える。1回目は、”ちなみに・・・”的な解説文はどんどん読み飛ばし、理解できる範囲でさらっとながして楽しみ、2回目はさらに深く読み込む・・・そんな読み方もアリだと思う。実際、私もそうした口だ。

■誰が読むべきか


「悪人英雄論」と題しているものの、前作前々作と類似した年代を切っているので、内容には重複する箇所もある。たとえば、「後醍醐天皇と楠木正成をつなげた思想とは」というテーマが第2弾に登場するが、これと同じ話は第3弾にも登場する。裏を返せば、シリーズのどの本から手をつけても、話を理解できるようになっている、とも言える。なので、歴史本に少しでも興味がある方は、まず自分が興味を持てそうな一冊を手にとり、もし、それでハマったなら、残りの2冊に手を出す・・・そんな本書・・・いや、本シリーズにはそのようなアプローチが最適だろう。

なお、勝手な推測だが、著者がときおりこきおろす歴史専門家・・・彼らからすると本書の内容には反論したいところもたくさんあるのではないかと思う。ただ、井沢元彦氏の解説は説得力がある。そして何より面白い。それは先述したとおりだ。賛否両論分かれるのだろうが、わたしは好奇心を刺激してくれる本書を強く推したい。


【面白い切り口で歴史をひもとくという観点での類書】
学校では教えてくれない日本史の授業(井沢元彦著)
学校では教えてくれない日本史の授業2 天皇編(井沢元彦著)
地図から読む歴史(足利健亮著)
戦国の軍隊(西股総生著)

書評: 3 行で撃つ <善く、生きる>ための文章塾

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