2011年8月7日日曜日

苦悩する日本

アップル社の株価の推移(過去3年間)
アップルやGoogleが儲かっている。アップルの企業価値は約27兆円! 「さぞかし、アメリカの富みに貢献しているな」と思いきや、必ずしもそうではないゾ、とは今日の日経新聞国際面「苦悩するアメリカ」

アップルのビジネスモデルを良く考えてみれば、確かにそうかもしれない。ネットワーク機器の製造販売で有名なシスコ同様で、アップル社は戦略立案や設計、ソフト開発以外は、そのほとんどを他社に委託している。”創造力・企画力”の部分でお金を儲け、もの作りや販売といったあまり大きな利益を見込めない(低付加価値の)部分は他社(特に海外企業)に任せている、というワケだ。

ちなみに、アップル社がいかにおいしい旨みの部分を吸い上げているかは、営業利益率を見ると分かる。アップル社の2010年の営業利益率は驚愕の28%(売上総額約652億米ドル、営業利益約183億米ドル)。業種が異なるので、比較するのがはばかられるが、日本を代表するトヨタの2010年度の営業利益率は0.7%。

しかし、このアップル社のビジネスモデル、売上総額が必ずしも米国の富そのものと比例するわけではなさそうだ。海外で調達し、海外で生産し、海外で販売する・・・結局は、海外での雇用が増えるばかりで、国内にお金がまわるわけではないからだ。

この点については、国内の空洞化が進む日本の製造業と同じ構造だ。

「なんか企業の利益が上がっているのに、経済が良くなった気がしない・・・。」

この言葉を聞くようになって久しいが、その解決の糸口はいったいどこに・・・。

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