日経ビジネス2013年9月30日号の特集はビッグデータ。以下、特集に関係ある・なしに関わらず気になった記事をピックアップ。
『(東京メトロの)2013年3月期の売上高営業利益率は23%。鉄道会社ではトップクラスだ。高収益体質で知られるコマツや「ユニクロ」のファーストリテイリングを上回る。』(東京メトロ、再燃する「上場」期待より)
感想)
営業利益率23%って・・・とんでもなく高数値だ。上場企業の利益率を調べてみたら、たとえばソフトバンクが22.1%、漢方薬で有名なツムラで21.9%程度だ。23%という数字の高さがうかがい知れる。交通手段はいってみれば生活必需品なわけだし、よっぽどのことがない限り、この数字は続くわけだ。そこまで競争原理の働かない市場ゆえ、動機は薄いだろうが、逆に、もっとサービス向上にお金をかけられる・・・いや、かけるべきではないだろうか。ちなみに、上には上がいるものだ。上場企業の営業利益率トップは極東証券の57.4%、国際帝石の57%、グリーが52.3%、カカクコムが49.9%、キーエンスが46.1%・・・。経常で見たらもっと変わるだろうが、それにしても凄い。
『清川を支えたのは、古原からアドバイスを受けて聴講したグーグルのエリック・シュミットの言葉だ。ベンチャーの誕生を歓迎するシリコンバレーですら、90%の人が新しいものに反対する』(清川忠康 めがね販売の常識を覆すより)
感想)
企業アイデアが多くの反対されたら、逆にそれはチャンスだと考えるべき・・・とは良く言ったものだ。清川氏の記事を読んでいると、この言葉を地でいく印象だ。起業を目指す人にとって、とても重要なケーススタディになると思う。
『ハウステンボスの抱える問題は3つありました。1つ目は規模の大きさです。東京ディズニーランド(TDL)と同じくらいの投資をしていましたが、お客さんが来る地域から計算すると、TDLには関東の2000万人者市場規模があるのに対し、ハウステンボスは福岡まで入れても200万人。10分の1ですよ。それなのに、TDLの1.6倍の敷地面積をもつこと自体が間違いでした・・・(中略)・・・あとはイベント力です・・・(中略)・・・イベントはオンリーワンかナンバーワンの企画をやるしかありません。いろんなイベントを仕掛けて、それでお客さんを増やしただけ。あんまり難しくないから話したくないんだけど』(澤田 秀雄エイチ・アイ・エス会長、ハウステンボス社長 アジア大航海時代が来る より)
感想)
「ハウステンボスは、色々な人が努力してもダメだったのだから、今更エイチアイエスが頑張っても難しそう。」・・・くらいにしか思っていなかったが、澤田社長の言を聞くと明瞭完結。まさにこれが”現状にもとづく有効な戦略”ってやつと言えるのだろう。こうした戦略論が、なぜ、エイチ・アイ・エス以前に生まれなかったのか。澤田社長が圧倒的に有能だから、ということなのか。前の組織が硬直化していたからなのか。その理由をぜひ知りたかった。
『たった99ドル(約9900円)であなたの遺伝情報を解析します」今年8月、全米でこんなテレビコマーシャルが始まった。提供するのは遺伝子解析を手がける米シリコンバレーのベンチャー、23andMe(23アンド・ミー)だ。検査キットに唾液を入れて送ると、4~6週間で遺伝病のリスクなどの分析結果が分かる』(遺伝子解析が激安に より)
感想)
ただ単にWow(わぁお)という気持ち。法的問題がネックで日本ではまだこうしたサービスが行われていないらしいが、個人的なリスク管理の一環として、始まったら飛びついちゃうかも。この商売を始めたら、その会社はとんでもなく儲かるだろうなー。
20代後半から、今日にいたるまで毎日を全速力で駆け抜けてきました。疾走するスピードは毎年加速度的に増えています。 そんな自分の足跡を残したい、考えを整理したい、自分の学びの場としたい・・・こういった思いからこのブログを立ち上げました。とりわけ、読んだ本や雑誌、観た映画、その他遭遇した事件・・・などなど、思いの丈を吐露しています。
2013年9月29日日曜日
書評: 静かなるイノベーション
静かなるイノベーション ~私が世界の社会起業家たちに学んだこと~
著者: ビバリー・シュワルツ(藤崎香里 訳)
出版社: 英治出版
■What's this book about?(何の本だろう?)
社会人または、これから社会人になろうとする者に、人生の新たな選択肢を示してくれる本だ。その選択肢とは"社会起業家(ソーシャルアントレナーシップ)"だ。
社会企業家とは、本書の言葉を借りれば、公正を重視し重要な社会変革を起こすためにシステムを破壊してつくりかえる人々のことだ。一瞬、「政治家のことか?」とも思うが、”起業家”という言葉がつくことからも分かるように、もっと簡単に言えば、世の中をより良くするための活動をビジネスとして成り立たせてしまおうという人々のことだ。お金が絡めば勢いがつくし、それによって半永久的な活動となりやすいからだ。従来、「世の中に役立つことをしたい」という人は、活動家や提唱者、医者や人権弁護士、教授、研究所、学者などになるという道を選んできた。そこに現実的な選択肢が加わった。それが社会起業家なのである。ちなみに、わたしがMBAを習得した2005年頃には既に”社会起業家”という言葉が登場していたが、当時は今ほどの注目度はなかった。ところが2008年~9年頃から「先輩が行った大学院では、社会起業家についてどんな学びを得られるのか・・・教えてください」と頻繁に聞かれるようになった。社会起業家は、まさにトレンドといえるのだろう。
とはいえ、社会起業家が何であるのか、まだイメージがわきづらい。まして、どうやったらなれるのか、わからない。著者もまさにその一人だったようである。そんな著者が、世界最大の社会企業ネットワークを持つアショカグループの存在を知った。そこで、社会に大きな変革をもたらすことに成功している人たちがたくさんいることを目の当たりにしたのである。彼らを突き動かしたモチベーションは何なのか。そこに共通点はないのか。本書は、世界中で大きな成功を収めたアショカフェロー18人に直接インタビューを行った結果がまとめられている。
■What's so good about it?(この本の何がいいのか?)
社会起業家をテーマにした本は数多くある。Amazon.co.jpで検索したら、700件以上もヒットがあった。そんな中で本書が特徴的なのは、世界最大の社会企業ネットワークアショカグループで大きな成功を遂げているメンバー達に直接インタビューを敢行した結果が反映されている点だろう。ドイツで人々が所有する電力会社を作り上げたウアズラ・スラーデク、グアテマラの農村への物流革命をもたらす小規模委託販売モデルを作り上げたグレッグ・ヴァン・カーク、新しい仕事を創出することでペルーの町を美しくする仕組みを作り上げたアルビナイ・ルイス・・・など、文字通り、世界中で成功した人たちの生きた事例を読むことができる。
そして、もう1つ特徴的なのは、本書の構成だ。事例を5種類に分類し、それをそのまま章立てとしている。具体的には「時代遅れの考え方をつくりかえる」「市場の力学を変える」「市場の力で社会的価値をつくる」「完全な市民権を追求する」「共感力を育む」という5つだ。この分類は、読者が「どんな社会起業家になれるか?」を考える際のヒントになる。社会起業家に共通するものとして、身近な生活に感じた不満がきっかけになっていることが多いと本書は指摘するが、たとえば私に置き換えて考えてみると「通勤電車の混雑具合、孤独死、自殺・・・」などがパッと思いつく。ではそれらがこれら5つの章のどれに当てはまるのか・・・それを見つけてページを開くと、そこには具体的な事例が載っている。こんな感じでヒントになるのだ。
それと意外に気がつかないことだが、敢闘賞だと思うのが翻訳だ。和訳された文章というものは一般的に堅苦しく、どこか、ぎこちがない。内容が内容だけに、読みづらくなるのが常であるが、本書の本の文章はスムーズで、読みやすかった。
■To whom do you recommend this book? (で、誰にお勧めの本なのか?)
いいことばかり書き連ねたが、留意点も挙げておきたい。別の視点から見れば、社会起業家の事例が載っているだけの本・・・と言えなくもない。(どんな本を読むときにも当てはまることだが、本書を読むときは特に)何の意識もせずただボーッと読んでいると、頭には何も残らない可能性がある。一回目は軽く流し読みするとして、二回目からは、自らのケースを当てはめて読むといいだろう。自分が感じている社会の不満などを列挙してみて、それが本書のどの章立てに当てはまるかを考え、自分ができる身近なことってなんだろうかと考えてみる・・・。そうすると、本書が生きてくる。
というわけで、人生に選択肢を増やしたい人、社会起業家に強い興味がある人にはぜひお勧めしたい。また、会社の中に起業家マインドを醸成したいという人・・・会社で本書を配るというのもアリかもしれない。
著者: ビバリー・シュワルツ(藤崎香里 訳)
出版社: 英治出版
■What's this book about?(何の本だろう?)
社会人または、これから社会人になろうとする者に、人生の新たな選択肢を示してくれる本だ。その選択肢とは"社会起業家(ソーシャルアントレナーシップ)"だ。
社会企業家とは、本書の言葉を借りれば、公正を重視し重要な社会変革を起こすためにシステムを破壊してつくりかえる人々のことだ。一瞬、「政治家のことか?」とも思うが、”起業家”という言葉がつくことからも分かるように、もっと簡単に言えば、世の中をより良くするための活動をビジネスとして成り立たせてしまおうという人々のことだ。お金が絡めば勢いがつくし、それによって半永久的な活動となりやすいからだ。従来、「世の中に役立つことをしたい」という人は、活動家や提唱者、医者や人権弁護士、教授、研究所、学者などになるという道を選んできた。そこに現実的な選択肢が加わった。それが社会起業家なのである。ちなみに、わたしがMBAを習得した2005年頃には既に”社会起業家”という言葉が登場していたが、当時は今ほどの注目度はなかった。ところが2008年~9年頃から「先輩が行った大学院では、社会起業家についてどんな学びを得られるのか・・・教えてください」と頻繁に聞かれるようになった。社会起業家は、まさにトレンドといえるのだろう。
とはいえ、社会起業家が何であるのか、まだイメージがわきづらい。まして、どうやったらなれるのか、わからない。著者もまさにその一人だったようである。そんな著者が、世界最大の社会企業ネットワークを持つアショカグループの存在を知った。そこで、社会に大きな変革をもたらすことに成功している人たちがたくさんいることを目の当たりにしたのである。彼らを突き動かしたモチベーションは何なのか。そこに共通点はないのか。本書は、世界中で大きな成功を収めたアショカフェロー18人に直接インタビューを行った結果がまとめられている。
■What's so good about it?(この本の何がいいのか?)
社会起業家をテーマにした本は数多くある。Amazon.co.jpで検索したら、700件以上もヒットがあった。そんな中で本書が特徴的なのは、世界最大の社会企業ネットワークアショカグループで大きな成功を遂げているメンバー達に直接インタビューを敢行した結果が反映されている点だろう。ドイツで人々が所有する電力会社を作り上げたウアズラ・スラーデク、グアテマラの農村への物流革命をもたらす小規模委託販売モデルを作り上げたグレッグ・ヴァン・カーク、新しい仕事を創出することでペルーの町を美しくする仕組みを作り上げたアルビナイ・ルイス・・・など、文字通り、世界中で成功した人たちの生きた事例を読むことができる。
そして、もう1つ特徴的なのは、本書の構成だ。事例を5種類に分類し、それをそのまま章立てとしている。具体的には「時代遅れの考え方をつくりかえる」「市場の力学を変える」「市場の力で社会的価値をつくる」「完全な市民権を追求する」「共感力を育む」という5つだ。この分類は、読者が「どんな社会起業家になれるか?」を考える際のヒントになる。社会起業家に共通するものとして、身近な生活に感じた不満がきっかけになっていることが多いと本書は指摘するが、たとえば私に置き換えて考えてみると「通勤電車の混雑具合、孤独死、自殺・・・」などがパッと思いつく。ではそれらがこれら5つの章のどれに当てはまるのか・・・それを見つけてページを開くと、そこには具体的な事例が載っている。こんな感じでヒントになるのだ。
それと意外に気がつかないことだが、敢闘賞だと思うのが翻訳だ。和訳された文章というものは一般的に堅苦しく、どこか、ぎこちがない。内容が内容だけに、読みづらくなるのが常であるが、本書の本の文章はスムーズで、読みやすかった。
■To whom do you recommend this book? (で、誰にお勧めの本なのか?)
いいことばかり書き連ねたが、留意点も挙げておきたい。別の視点から見れば、社会起業家の事例が載っているだけの本・・・と言えなくもない。(どんな本を読むときにも当てはまることだが、本書を読むときは特に)何の意識もせずただボーッと読んでいると、頭には何も残らない可能性がある。一回目は軽く流し読みするとして、二回目からは、自らのケースを当てはめて読むといいだろう。自分が感じている社会の不満などを列挙してみて、それが本書のどの章立てに当てはまるかを考え、自分ができる身近なことってなんだろうかと考えてみる・・・。そうすると、本書が生きてくる。
というわけで、人生に選択肢を増やしたい人、社会起業家に強い興味がある人にはぜひお勧めしたい。また、会社の中に起業家マインドを醸成したいという人・・・会社で本書を配るというのもアリかもしれない。
2013年9月21日土曜日
雑誌「韓国を叱る」を読んで
今回は月刊VOICE2013年10月号から。印象に残った言葉、文章を、以下にクリッピング。
『(高橋)是清という人物はものすごい数の失敗をして、そのたびに学びを得て乗り越えています。』
(高橋是清に学ぶ「命懸け」の出口戦略 幸田真音より)
感想)
高橋是清・・・昔、学校で習ったけど、実はほとんど覚えていない。この記事を読んで、40歳にして突如、この人物に強い興味がわいた。ちなみに、記事中に出ていた「明治五年に太陰暦から太陽暦に変更した理由」・・・っていうのが、なんか突拍子なくて面食らった。ちなみに、その理由とは「それによって月数が一つ減ることになり、役人の人件費(月給制)を一ヶ月分削減できたから」だそうΣ(゚д゚;)
『いま、現代自動車の社員の平均年棒が約900万円ですね。トヨタより多く、生産性はトヨタよりずっと落ちるのに、8月20日から二日間、賃上げ要求のストに入った。このあたりがおそらく韓国経済のターニングポイントだと思う。』
(中国属国化で自滅する韓国 屋山太郎&室谷克実より)
『サムスン電子の利益は、あまりにも「スマートフォン依存」になってしまっている・・・(中略)・・・サムスン電子の売り上げ(利益ではない)が韓国のGDPに締める割合は、20%に達しているのだ。現在の韓国は、「サムスン電子が販売するスマートフォンの売り上げ」に国民経済が左右されてしまう、異様な構造を持つに至ったのだ。』
(サムスン共和国の崩壊が始まった 三橋貴明より)
感想)
ぶっちゃけ感じたのは「他人の芝は青く見える」ということ。もともと、韓国はパッと見、勢いある国というイメージが強く、(今でこそ勢いがでてきたがつい最近まで)日本は、勢いがない国というイメージが強かった。しかし、ふたを開けてみれば、どこの国もそれなりに大きな問題を抱えているんだな、と。いや、日本と韓国のケースでは、むしろ、韓国の方が大変そうですらある。韓国は、日本以上に、財閥がものすごく力を持ち、限られたごく一部のものばかりが得をする社会になっている・・・といいつつ、その代表格であるサムスンが資本の過半数を外国勢に握られている・・・わたしが朴大統領だったら、何ができるんだろう。
『政治犯の場合は(日本・韓国間の)引き渡し対象から除外されるわけだが、「ソウル高裁は「放火犯」にすぎない劉容疑者について、”靖国神社をたんなる宗教施設でなく、過去の侵略戦争を正当化する政治秩序の象徴とみなした犯行で、政治的大義を実現するために行われた」と指摘し、劉容疑者を「政治犯」と認定したのである。』
(サムスン共和国の崩壊が始まった 三橋貴明より)
感想)
感情論を抜きにして、放火はダメだと思う。明らかに犯罪。人の命を奪いかねない。政治的解決手段として人命を奪う行為を容認するのは、どう差し引いても納得がいかない(ちなみに、私は韓国人が好きだし、友達もいっぱいおります・・・)。
『私は元中国人だから知っていますけど、ある意味で中国ほど韓国を嫌う国はありません。中国人の日本に対する「嫌い」という感情と、韓国に対する「嫌い」という感情はまったく異なります。日本への「嫌い」は過去の「歴史問題」いわゆる「軍国主義」に対するもので、抽象的なものです。一方で、韓国に対する「嫌い」はより具体的なモノで、はっきりいってしまえば、韓国人が「嫌い」だということです。中国の半日には、日本に対するある種の尊敬やコンプレックスも含んだ複雑なところがある。一方で中国は朝鮮半島国家を完全に見下しています。』
(中国も呆れる熱狂ファシズム 呉善花&石平 より)
感想)
全く知らない事実に気づかされた・・・ということでとりあげた。本当なのだろうか。今度、中国の友達にあったら聞いてみたい。世の中のこと、隣国のこと、理解できているようで、実は本当に何も知らない自分に気づかされる。
『消費税引き上げの代償として財政出動するのは最悪で、なぜなら、自民党議員に象徴されるように、財政支出にたかりたい利害関係者はこのチャンスを待っているからだ。ほとんどの支出は無駄なので、それなら減税をした方がよい。消費税引き上げ率を抑え、消費者にカネをもたせるべきだろう。政府が無理をして捻出する財政支出で生じる需要よりも、質の高い需要となるからだ。』
(消費増税延期論は単なるポピュリズム 小幡績 より)
財政出動は最悪・・・というこの記事の理由には賛同したい。東日本大震災の復興増税の流用事件を忘れてはいけない。こうした財政出動により落ちてくるお金を自分たちのところにひきよせるのが得意なシロアリさんたちがたくさんいる。それが日本の景気刺激にどうつながるのか。まぁ、1万歩譲歩したとして、自堕落なシロアリさんたちがその金を得たとして、国内でお金をしっかりと使ってくれれば(最終的には他のひたちにお金がまわり・・・良いのだろうが、それが海外旅行などを通じて、日本の外に流れているばかりだとしたら、あるいはひたすら貯金になっているのだとしたら・・・それはもう・・・悲しくて悲しくて・・・。
『(高橋)是清という人物はものすごい数の失敗をして、そのたびに学びを得て乗り越えています。』
(高橋是清に学ぶ「命懸け」の出口戦略 幸田真音より)
感想)
高橋是清・・・昔、学校で習ったけど、実はほとんど覚えていない。この記事を読んで、40歳にして突如、この人物に強い興味がわいた。ちなみに、記事中に出ていた「明治五年に太陰暦から太陽暦に変更した理由」・・・っていうのが、なんか突拍子なくて面食らった。ちなみに、その理由とは「それによって月数が一つ減ることになり、役人の人件費(月給制)を一ヶ月分削減できたから」だそうΣ(゚д゚;)
『いま、現代自動車の社員の平均年棒が約900万円ですね。トヨタより多く、生産性はトヨタよりずっと落ちるのに、8月20日から二日間、賃上げ要求のストに入った。このあたりがおそらく韓国経済のターニングポイントだと思う。』
(中国属国化で自滅する韓国 屋山太郎&室谷克実より)
『サムスン電子の利益は、あまりにも「スマートフォン依存」になってしまっている・・・(中略)・・・サムスン電子の売り上げ(利益ではない)が韓国のGDPに締める割合は、20%に達しているのだ。現在の韓国は、「サムスン電子が販売するスマートフォンの売り上げ」に国民経済が左右されてしまう、異様な構造を持つに至ったのだ。』
(サムスン共和国の崩壊が始まった 三橋貴明より)
感想)
ぶっちゃけ感じたのは「他人の芝は青く見える」ということ。もともと、韓国はパッと見、勢いある国というイメージが強く、(今でこそ勢いがでてきたがつい最近まで)日本は、勢いがない国というイメージが強かった。しかし、ふたを開けてみれば、どこの国もそれなりに大きな問題を抱えているんだな、と。いや、日本と韓国のケースでは、むしろ、韓国の方が大変そうですらある。韓国は、日本以上に、財閥がものすごく力を持ち、限られたごく一部のものばかりが得をする社会になっている・・・といいつつ、その代表格であるサムスンが資本の過半数を外国勢に握られている・・・わたしが朴大統領だったら、何ができるんだろう。
『政治犯の場合は(日本・韓国間の)引き渡し対象から除外されるわけだが、「ソウル高裁は「放火犯」にすぎない劉容疑者について、”靖国神社をたんなる宗教施設でなく、過去の侵略戦争を正当化する政治秩序の象徴とみなした犯行で、政治的大義を実現するために行われた」と指摘し、劉容疑者を「政治犯」と認定したのである。』
(サムスン共和国の崩壊が始まった 三橋貴明より)
感想)
感情論を抜きにして、放火はダメだと思う。明らかに犯罪。人の命を奪いかねない。政治的解決手段として人命を奪う行為を容認するのは、どう差し引いても納得がいかない(ちなみに、私は韓国人が好きだし、友達もいっぱいおります・・・)。
『私は元中国人だから知っていますけど、ある意味で中国ほど韓国を嫌う国はありません。中国人の日本に対する「嫌い」という感情と、韓国に対する「嫌い」という感情はまったく異なります。日本への「嫌い」は過去の「歴史問題」いわゆる「軍国主義」に対するもので、抽象的なものです。一方で、韓国に対する「嫌い」はより具体的なモノで、はっきりいってしまえば、韓国人が「嫌い」だということです。中国の半日には、日本に対するある種の尊敬やコンプレックスも含んだ複雑なところがある。一方で中国は朝鮮半島国家を完全に見下しています。』
(中国も呆れる熱狂ファシズム 呉善花&石平 より)
感想)
全く知らない事実に気づかされた・・・ということでとりあげた。本当なのだろうか。今度、中国の友達にあったら聞いてみたい。世の中のこと、隣国のこと、理解できているようで、実は本当に何も知らない自分に気づかされる。
『消費税引き上げの代償として財政出動するのは最悪で、なぜなら、自民党議員に象徴されるように、財政支出にたかりたい利害関係者はこのチャンスを待っているからだ。ほとんどの支出は無駄なので、それなら減税をした方がよい。消費税引き上げ率を抑え、消費者にカネをもたせるべきだろう。政府が無理をして捻出する財政支出で生じる需要よりも、質の高い需要となるからだ。』
(消費増税延期論は単なるポピュリズム 小幡績 より)
財政出動は最悪・・・というこの記事の理由には賛同したい。東日本大震災の復興増税の流用事件を忘れてはいけない。こうした財政出動により落ちてくるお金を自分たちのところにひきよせるのが得意なシロアリさんたちがたくさんいる。それが日本の景気刺激にどうつながるのか。まぁ、1万歩譲歩したとして、自堕落なシロアリさんたちがその金を得たとして、国内でお金をしっかりと使ってくれれば(最終的には他のひたちにお金がまわり・・・良いのだろうが、それが海外旅行などを通じて、日本の外に流れているばかりだとしたら、あるいはひたすら貯金になっているのだとしたら・・・それはもう・・・悲しくて悲しくて・・・。
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月刊VOICE2013年10月号 |
2013年9月16日月曜日
物流コストを引き上げる大きな要因
日経ビジネス2013年9月16日号の特集は「アベノリンピクスの行方」。ただし、やや後付け感が否めず、どちらかというと、もう1つの特集「物流」の記事が面白かった。
今、物流コストを引き上げる大きな要因となっているのが、再配達の増加だ。Amazonでは徹底した効率化でスピード物流に磨きをかけてきたが、唯一、コントロールしきれず流れが滞る場所がある。それが、購入者の受け取り時だ。(「独走アマゾンの執念 王者と組んだ王者」より)
感想)
Amazonや楽天が、当日配送エリアの拡大にしのぎを削るなど、物流スピードも来るところまで来たか・・・といった印象を持ったが、記事が指摘するように消費者の受け取りがボトルネックになるとは、確かにそのとおりだ。数年前からヤマトが、女性の配達ドライバーを増やすことで、警戒感の強い女性が居留守を使わずに荷物を速やかに受け取ってくれるような工夫をしている・・・という番組特集を観た記憶があるが、なるほど、ああしたことも、まさにこの指摘を克服するための取り組みだったというわけだ。記事では、解決策としてコンビニ受け取りを拡大させる・・・とあったが、コンビニもスペースは限られるし、さらなる工夫が求められるのだろう。
今、物流コストを引き上げる大きな要因となっているのが、再配達の増加だ。Amazonでは徹底した効率化でスピード物流に磨きをかけてきたが、唯一、コントロールしきれず流れが滞る場所がある。それが、購入者の受け取り時だ。(「独走アマゾンの執念 王者と組んだ王者」より)
感想)
Amazonや楽天が、当日配送エリアの拡大にしのぎを削るなど、物流スピードも来るところまで来たか・・・といった印象を持ったが、記事が指摘するように消費者の受け取りがボトルネックになるとは、確かにそのとおりだ。数年前からヤマトが、女性の配達ドライバーを増やすことで、警戒感の強い女性が居留守を使わずに荷物を速やかに受け取ってくれるような工夫をしている・・・という番組特集を観た記憶があるが、なるほど、ああしたことも、まさにこの指摘を克服するための取り組みだったというわけだ。記事では、解決策としてコンビニ受け取りを拡大させる・・・とあったが、コンビニもスペースは限られるし、さらなる工夫が求められるのだろう。
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日経ビジネス2013年9月16日号 |
2013年9月7日土曜日
商品やサービスの背後にあるもの
日経ビジネス2013年9月9日号の特集は、「スクエア・インパクト」。スクエアとは、会社の名前だ。モバイル端末で、簡単に決済できる仕組みをゼロ円で導入できるサービスを提供している。創業者のジャック・ドーシーCEOは、ツイッターの発明者でもある。
ツイッターもスクエアも、コミュニケーションと顧客体験に焦点を当てているところで哲学が共通している。スクエアは単なる決済サービスを提供するだけの会社じゃない。ツイッターが140文字でコミュニケーションをシンプルにしたように、店舗と顧客のコミュニケーションを単純化するためにスクエアがある・・・(中略)・・・スクエアの「魂」はソフトウエアやサービスの背後にあるものであり、コピーできるものではない。(「特集 スクエア・インパクト 魂はコピーさせない」より)
感想)
ソフトウエアやサービスの背後にあるもの・・・この表現がすごく心に残った。ごく平凡に表現すれば、経営理念やミッションみたいなもの・・・もっと平凡に言えば、会社が目指す究極の目的・・・といえるだろうか。スクエア社ではこれが明確であり、かつ、しっかりと共有できている・・・それがジャック・ドーシーCEOの魂というものではなかろうか。ツイッターやモバイル決済はその魂から生まれたイチ手段に過ぎず、スクエア社に真に根付いている”魂”さえしっかりしていれば、顧客に受け入れられるモノを作れる・・・そういうことじゃないかと思った。
「世界中の情報を整理しアクセスできるようにするという」使命をかかげるGoogleにしても、「自由でみずみずしい発想を原動力に すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供する」という使命をかかげるディズニーにしても、本当に強い会社は、その「背後にあるもの」を大事にしており、品質の高い経営理念やミッション・・・言わば、目に見えないひもで、経営とスタッフ一人一人をしっかりと結びつけているのだと感じた。我が社に足りないものだ。
僕は以前、ソニーにいました。・・・(中略)・・・「ソニーの持つ技術がこう入っているから他社に勝てる」というプレゼンが求められました。もちろんその視点の大事さは知っています。でも、差別化にこだわるが故に、ユーザの顔が見えなくなる場合もある。僕はユーザーが求めるものの中で、「良いものをいち早く出す」というシンプルなことがビジネスとして非常に意味があると思っています。(「失敗なくして運は来ない 森川亮 LINE社長インタビュー記事」より)
感想)
差別化と顧客ニーズ・・・結論から言えば、どちらも必要なわけだ。ただし優先順位のつけかたが問題なのだろう。そもそも差別化と顧客ニーズ・・・見てる方向が異なる。差別化は競合を意識したものだし、顧客ニーズは顧客を意識したものだ。差別化・・・すなわち、競合他社を意識し過ぎると、本当に顧客が欲しいものを見失う・・・そういうことなのだろう。
ツイッターもスクエアも、コミュニケーションと顧客体験に焦点を当てているところで哲学が共通している。スクエアは単なる決済サービスを提供するだけの会社じゃない。ツイッターが140文字でコミュニケーションをシンプルにしたように、店舗と顧客のコミュニケーションを単純化するためにスクエアがある・・・(中略)・・・スクエアの「魂」はソフトウエアやサービスの背後にあるものであり、コピーできるものではない。(「特集 スクエア・インパクト 魂はコピーさせない」より)
感想)
ソフトウエアやサービスの背後にあるもの・・・この表現がすごく心に残った。ごく平凡に表現すれば、経営理念やミッションみたいなもの・・・もっと平凡に言えば、会社が目指す究極の目的・・・といえるだろうか。スクエア社ではこれが明確であり、かつ、しっかりと共有できている・・・それがジャック・ドーシーCEOの魂というものではなかろうか。ツイッターやモバイル決済はその魂から生まれたイチ手段に過ぎず、スクエア社に真に根付いている”魂”さえしっかりしていれば、顧客に受け入れられるモノを作れる・・・そういうことじゃないかと思った。
「世界中の情報を整理しアクセスできるようにするという」使命をかかげるGoogleにしても、「自由でみずみずしい発想を原動力に すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供する」という使命をかかげるディズニーにしても、本当に強い会社は、その「背後にあるもの」を大事にしており、品質の高い経営理念やミッション・・・言わば、目に見えないひもで、経営とスタッフ一人一人をしっかりと結びつけているのだと感じた。我が社に足りないものだ。
僕は以前、ソニーにいました。・・・(中略)・・・「ソニーの持つ技術がこう入っているから他社に勝てる」というプレゼンが求められました。もちろんその視点の大事さは知っています。でも、差別化にこだわるが故に、ユーザの顔が見えなくなる場合もある。僕はユーザーが求めるものの中で、「良いものをいち早く出す」というシンプルなことがビジネスとして非常に意味があると思っています。(「失敗なくして運は来ない 森川亮 LINE社長インタビュー記事」より)
感想)
差別化と顧客ニーズ・・・結論から言えば、どちらも必要なわけだ。ただし優先順位のつけかたが問題なのだろう。そもそも差別化と顧客ニーズ・・・見てる方向が異なる。差別化は競合を意識したものだし、顧客ニーズは顧客を意識したものだ。差別化・・・すなわち、競合他社を意識し過ぎると、本当に顧客が欲しいものを見失う・・・そういうことなのだろう。
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日経ビジネス2013年9月9日号 |
===2013年10月14日追記(スクエアとユニクロの提携)===
2013年10月14日号の日経ビジネスに、ユニクロがスクエアに急接近の記事が・・・。店舗の機動力向上と小スペース化・・・が採用の理由とのこと。特に機動力向上という観点では、店員一人一人をレジ化することにより、混雑時にお客様が行列に並ぶストレスから解放できる=機会損失を減らせる・・・ということだが、さて、どれだけの効果があるのか、興味がわく。確かに並ばないのは有り難いが、それが理由で買い物をあきらめる・・・ってのはそんなにあるものなんだろうか。ぜひ、効果のほどを知りたい。
2013年9月6日金曜日
書評: 井沢元彦の学校では教えてくれない日本史の授業3 悪人英雄論
井沢元彦の学校では教えてくれない日本史の授業3 悪人英雄論
著者: 井沢元彦
発行元: PHP研究所
本書は、シリーズ3作目。何のシリーズかというと、歴史学という見地のみならず、宗教学や考古学、言語学など複合的かつ斬新な見地から、日本史をひもとき解説してくれるシリーズだ。シリーズ第3弾にあたる今作は、題して「悪人英雄論」。日本の歴史に登場する誰もが知る・・・英雄と謳われた人、悪人と謳われた人たち・・・を井沢元彦の流儀でぶったぎった本である。
具体的に登場人物の名を挙げると、天智天皇、持統天皇、中臣鎌足と藤原不比等、藤原仲麻呂と道鏡、平将門、源頼義と頼家、源頼朝と義経、後醍醐天皇、足利尊氏、足利義満、北条早雲、斎藤道三、毛利元就、である。この名前を見ただけでも、本書が日本史の中のどのあたりの時代をターゲットにしているか、自分が興味を持って読めそうな本か・・・ある程度、判断がつくだろう。
前々作、前作の書評でも触れたが、本書最大の特徴は、我々が学校で習ったときには点でしかなかった歴史上のイベントを、みごとに線でつなげてくれる点にある。この特徴は本書でも健在だ。具体例を挙げてみたい。以下は、学校の歴史教科書に登場する解説文だ。足利義満が造った金閣寺についての解説文だ。
『義満が京都北山の山荘(のちの鹿苑寺)にもうけた金閣は、1層(初層)が伝統的な寝殿造、2層が和洋の仏堂、3層が禅宗様式という建築様式で、この文化の特徴をよく示していることから、室町時代初期の文化を北山文化とよんでいる(日本史B 改訂版)三省堂122ページ)』
正直、年くった今読んでも、お世辞にも「おー、すごいっ!」とか「へぇー!」という感想は出ない。せいぜい「金閣寺ね。あー、あの黄金の。おれわりと好きだな・・・」くらいだろうか。学生時代、文意を理解することよりも、ただイベントを丸暗記しようとしていたことしか記憶にない。足利義満、金閣寺、北山文化・・・というキーワードを必死で暗記していたような気がする。
この解説が、井沢元彦にかかるとどうだろう。彼は次のようにひもとく。「なぜ、金閣寺を3層違う様式で建築したのか。そこには足利義満の隠れた想いが反映されている。1層の寝殿造りに住むのはもともと天皇だ・・・貴族だ・・・すなわち朝廷勢力だ、2層の仏堂は武家造りを表している・・・すなわち武士、3層の禅宗様式は中国人の禅僧・・・ただし、中国人とは中国で生まれたかどうかなどDNAのことではなく、中華の思想・・・世界の中心・・・という意味での中国(中心)人・・・のこと、つまり、これは足利義満自身を指す。つまり、金閣寺は、足利義満がすべてのトップに君臨したいという彼の野望の象徴そのものである。」・・・とこんな感じである。金閣寺の公式ホームページの歴史解説を読んでも、このような解説は出てこない。あくまでも井沢氏の持論にとどまる話なのかもしれないが、「3種類の様式で造られている。北山文化だ。足利義満が建てたんだ」と教えられるよりも、はるかに印象的で、ものすごく魅力的だ。もっと当時の歴史を知りたい・・・心が動かされる。これが、本書・・・いや、本シリーズの魅力なのだ。
一点、注意点を挙げるとすれば、読むのにややエネルギーがいる、という点だろうか。歴史に家系の話はつきものだ。天皇が登場するならなおさらである。また、昔の人の名前には似たものが多い。そこに輪をかけるように、もともと聞き覚えの薄い天皇や武将の名前も登場するので、著者のいわんとすることを正しく理解するために、何度もページをひっくり返して、家系図と解説を確認しながら読むことになる。だから、一気に読み進めるのが難しい。
一方で、そうしたハードルを乗り越えると・・・つまり、著者の趣旨を理解できると、ぱっと目の前が開けたような発見がある。ある意味、かめばかむほど味が出るスルメ・・・と同じ楽しみ方ができるとも言える。1回目は、”ちなみに・・・”的な解説文はどんどん読み飛ばし、理解できる範囲でさらっとながして楽しみ、2回目はさらに深く読み込む・・・そんな読み方もアリだと思う。実際、私もそうした口だ。
「悪人英雄論」と題しているものの、前作、前々作と類似した年代を切っているので、内容には重複する箇所もある。たとえば、「後醍醐天皇と楠木正成をつなげた思想とは」というテーマが第2弾に登場するが、これと同じ話は第3弾にも登場する。裏を返せば、シリーズのどの本から手をつけても、話を理解できるようになっている、とも言える。なので、歴史本に少しでも興味がある方は、まず自分が興味を持てそうな一冊を手にとり、もし、それでハマったなら、残りの2冊に手を出す・・・そんな本書・・・いや、本シリーズにはそのようなアプローチが最適だろう。
なお、勝手な推測だが、著者がときおりこきおろす歴史専門家・・・彼らからすると本書の内容には反論したいところもたくさんあるのではないかと思う。ただ、井沢元彦氏の解説は説得力がある。そして何より面白い。それは先述したとおりだ。賛否両論分かれるのだろうが、わたしは好奇心を刺激してくれる本書を強く推したい。
【面白い切り口で歴史をひもとくという観点での類書】
・学校では教えてくれない日本史の授業(井沢元彦著)
・学校では教えてくれない日本史の授業2 天皇編(井沢元彦著)
・地図から読む歴史(足利健亮著)
・戦国の軍隊(西股総生著)
著者: 井沢元彦
発行元: PHP研究所
■歴史の裏教科書 第3弾
本書は、シリーズ3作目。何のシリーズかというと、歴史学という見地のみならず、宗教学や考古学、言語学など複合的かつ斬新な見地から、日本史をひもとき解説してくれるシリーズだ。シリーズ第3弾にあたる今作は、題して「悪人英雄論」。日本の歴史に登場する誰もが知る・・・英雄と謳われた人、悪人と謳われた人たち・・・を井沢元彦の流儀でぶったぎった本である。
具体的に登場人物の名を挙げると、天智天皇、持統天皇、中臣鎌足と藤原不比等、藤原仲麻呂と道鏡、平将門、源頼義と頼家、源頼朝と義経、後醍醐天皇、足利尊氏、足利義満、北条早雲、斎藤道三、毛利元就、である。この名前を見ただけでも、本書が日本史の中のどのあたりの時代をターゲットにしているか、自分が興味を持って読めそうな本か・・・ある程度、判断がつくだろう。
■日本史の点と点を線にしてくれる魅力は相変わらず
前々作、前作の書評でも触れたが、本書最大の特徴は、我々が学校で習ったときには点でしかなかった歴史上のイベントを、みごとに線でつなげてくれる点にある。この特徴は本書でも健在だ。具体例を挙げてみたい。以下は、学校の歴史教科書に登場する解説文だ。足利義満が造った金閣寺についての解説文だ。
『義満が京都北山の山荘(のちの鹿苑寺)にもうけた金閣は、1層(初層)が伝統的な寝殿造、2層が和洋の仏堂、3層が禅宗様式という建築様式で、この文化の特徴をよく示していることから、室町時代初期の文化を北山文化とよんでいる(日本史B 改訂版)三省堂122ページ)』
正直、年くった今読んでも、お世辞にも「おー、すごいっ!」とか「へぇー!」という感想は出ない。せいぜい「金閣寺ね。あー、あの黄金の。おれわりと好きだな・・・」くらいだろうか。学生時代、文意を理解することよりも、ただイベントを丸暗記しようとしていたことしか記憶にない。足利義満、金閣寺、北山文化・・・というキーワードを必死で暗記していたような気がする。
この解説が、井沢元彦にかかるとどうだろう。彼は次のようにひもとく。「なぜ、金閣寺を3層違う様式で建築したのか。そこには足利義満の隠れた想いが反映されている。1層の寝殿造りに住むのはもともと天皇だ・・・貴族だ・・・すなわち朝廷勢力だ、2層の仏堂は武家造りを表している・・・すなわち武士、3層の禅宗様式は中国人の禅僧・・・ただし、中国人とは中国で生まれたかどうかなどDNAのことではなく、中華の思想・・・世界の中心・・・という意味での中国(中心)人・・・のこと、つまり、これは足利義満自身を指す。つまり、金閣寺は、足利義満がすべてのトップに君臨したいという彼の野望の象徴そのものである。」・・・とこんな感じである。金閣寺の公式ホームページの歴史解説を読んでも、このような解説は出てこない。あくまでも井沢氏の持論にとどまる話なのかもしれないが、「3種類の様式で造られている。北山文化だ。足利義満が建てたんだ」と教えられるよりも、はるかに印象的で、ものすごく魅力的だ。もっと当時の歴史を知りたい・・・心が動かされる。これが、本書・・・いや、本シリーズの魅力なのだ。
■かめばかむほど味が出るスルメ本
一点、注意点を挙げるとすれば、読むのにややエネルギーがいる、という点だろうか。歴史に家系の話はつきものだ。天皇が登場するならなおさらである。また、昔の人の名前には似たものが多い。そこに輪をかけるように、もともと聞き覚えの薄い天皇や武将の名前も登場するので、著者のいわんとすることを正しく理解するために、何度もページをひっくり返して、家系図と解説を確認しながら読むことになる。だから、一気に読み進めるのが難しい。
一方で、そうしたハードルを乗り越えると・・・つまり、著者の趣旨を理解できると、ぱっと目の前が開けたような発見がある。ある意味、かめばかむほど味が出るスルメ・・・と同じ楽しみ方ができるとも言える。1回目は、”ちなみに・・・”的な解説文はどんどん読み飛ばし、理解できる範囲でさらっとながして楽しみ、2回目はさらに深く読み込む・・・そんな読み方もアリだと思う。実際、私もそうした口だ。
■誰が読むべきか
「悪人英雄論」と題しているものの、前作、前々作と類似した年代を切っているので、内容には重複する箇所もある。たとえば、「後醍醐天皇と楠木正成をつなげた思想とは」というテーマが第2弾に登場するが、これと同じ話は第3弾にも登場する。裏を返せば、シリーズのどの本から手をつけても、話を理解できるようになっている、とも言える。なので、歴史本に少しでも興味がある方は、まず自分が興味を持てそうな一冊を手にとり、もし、それでハマったなら、残りの2冊に手を出す・・・そんな本書・・・いや、本シリーズにはそのようなアプローチが最適だろう。
なお、勝手な推測だが、著者がときおりこきおろす歴史専門家・・・彼らからすると本書の内容には反論したいところもたくさんあるのではないかと思う。ただ、井沢元彦氏の解説は説得力がある。そして何より面白い。それは先述したとおりだ。賛否両論分かれるのだろうが、わたしは好奇心を刺激してくれる本書を強く推したい。
【面白い切り口で歴史をひもとくという観点での類書】
・学校では教えてくれない日本史の授業(井沢元彦著)
・学校では教えてくれない日本史の授業2 天皇編(井沢元彦著)
・地図から読む歴史(足利健亮著)
・戦国の軍隊(西股総生著)
2013年9月2日月曜日
書評: マッキンゼー流 入社1年目 問題解決の教科書
マッキンゼー・・・一昔(十年ほど)前なら、日本ではまだそれほど知られていなかった名前だが、今や一つの大きなブランドになりつつある。大前研一や勝間和代など、メディアで活躍する彼らが同会社の出身者であることは周知の事実。雑誌に登場する著名人のプロフィールにマッキンゼーという名前が入っていることも珍しくない。最近では、マッキンゼーを冠した本を目にする機会も増えてきた。エリート中のエリートである彼らのコンサルティングのワザには、大いに参考にすべき点がある・・・そんな印象を持つ中で、目にした最近の一冊・・・。
マッキンゼー流 入社1年目 問題解決の教科書
著者: 大嶋 祥誉(おおしま さちよ)
発行元: ソフトバンク クリエイティブ(株)
本書は、マッキンゼー出身者である著者(大嶋 祥誉氏)が自身の経験を基に、特に技術面から、ビジネスマンなら誰しも知っておきたいこと、知っておくと必ず役立つこと、を手引きした本だ。
「いくら有名なコンサルティングファームのマッキンゼー出身者が書いた本だからって、自分はコンサルタントをやっているわけではないんだし、それが自分の何の役に立つのか?」・・・そう疑問に思うなら、それは杞憂だ。人間の基本スキルである”見て聞いて読んで話して書くこと”・・・と同様に、どんな業種・業態・規模・役職・部署に所属する人であっても、共通に求められる基本中の基本のワザが紹介されている。そのワザとは、タイトルにあるように”問題解決能力”のことだ。どんな役割の人であれ、日々問題に直面し、それを乗り越えることが求められる。そのためには、何が真の問題かを正しくとらえるために、事実関係を確認・分析をしたり、誰かの理解や協力をもらうために説得材料を用意し、わかりやすくプレゼンをしたり、あるいは上司に承認をもらった計画を確実に履行するためにプロジェクト管理をしたり・・・さまざまな活動が必要になる。
本書では、こうした活動を効果的・効率的に行うためのテクニックを・・・一流コンサルティングファームが昇華させてきた基本中の基本のスキルを・・・マッキンゼー社員も入社一年目に学ぶワザを・・・紹介しているのである。
問題解決能力とひと言で言っても、先に触れたとおり、さまざまな技術要素が絡んでくる。そもそもの心構え、課題・仮説設定や仮説検証を行うためのロジカルシンキング能力、それを文書にまとめるドキュメンテーション能力、人に伝えるプレゼン能力、これら活動を間接的に支えてくれるツール(フレームワーク)など、様々だ。こうした要素すべてをバランス良くカバーしているのが本書の特徴だ。
”バランス良く”・・・というところがミソで、フレームワークにしても10個も20個も紹介されているわけではなく、3Cや7S、ポジションマトリックスなど、本当に良く使うであろう4~5つ程度のツール紹介にとどめられている。プレゼン資料のまとめ方についても、何重ものポイントについて触れられているわけではなく、考え方を整理するピラミッドストラクチャーをはじめ、1つ2つの程度の主要ポイントの言及のみにとどめられている。なぜなら、知識武装させることだけが目的ではないからだろう。人は、ややもするとこうした本にテクニックばかりを追い求めてしまいがちである。本書も指摘しているが、3Cや7S・・・など、どんなに立派なフレームワークを使おうが、プレゼンスキルを持とうが・・・一番最初のとっかかりである「どこからどこまでが事実で、どこからどこまでが人(あるいは自分)の意見なのか」を整理する力(雲雨傘の理論)が、しっかり身についていなければ、何の役にも立たないのだと思う。
確かに”内容の濃さ”という観点では、玄人は物足りなさを感じるかもしれないが、そうでない人には、多過ぎず複雑過ぎず難しすぎず・・・ちょうどよい案配と言えるだろう。
1つだけ気をつけておきたいこととすれば、本書のタイトルにある「入社1年目」というキーワードは、「マッキンゼー社内で1年目の社員がこうした教育を徹底的に施されるよ」というところに由来している点だ。冒頭でも触れたとおり、彼らはエリート中のエリート集団だ。入社1年目・・・あるいは入社前に目を通しておくのが理想的だろうが、こうした類の本を読んだことがない若者であれば、別に、入社2年目でも、5年目でも、手にとってみる価値はあるのではなかろうか。
こういった類の本を読んだことがない方で興味がある方、ビジネスマン初心者や、ビジネスマンでありながらも基礎が弱いんだよな、と思っている方、あるいは新入社員研修を考える人事部門の人々・・・などには参考になる可能性が高い本だ。
【類書】
・質問する力 (大前研一著)
・「正しく」考える方法(齋藤了文、中村光世著)
マッキンゼー流 入社1年目 問題解決の教科書
著者: 大嶋 祥誉(おおしま さちよ)
発行元: ソフトバンク クリエイティブ(株)
■ビジネスファンダメンタルの指南書
本書は、マッキンゼー出身者である著者(大嶋 祥誉氏)が自身の経験を基に、特に技術面から、ビジネスマンなら誰しも知っておきたいこと、知っておくと必ず役立つこと、を手引きした本だ。
「いくら有名なコンサルティングファームのマッキンゼー出身者が書いた本だからって、自分はコンサルタントをやっているわけではないんだし、それが自分の何の役に立つのか?」・・・そう疑問に思うなら、それは杞憂だ。人間の基本スキルである”見て聞いて読んで話して書くこと”・・・と同様に、どんな業種・業態・規模・役職・部署に所属する人であっても、共通に求められる基本中の基本のワザが紹介されている。そのワザとは、タイトルにあるように”問題解決能力”のことだ。どんな役割の人であれ、日々問題に直面し、それを乗り越えることが求められる。そのためには、何が真の問題かを正しくとらえるために、事実関係を確認・分析をしたり、誰かの理解や協力をもらうために説得材料を用意し、わかりやすくプレゼンをしたり、あるいは上司に承認をもらった計画を確実に履行するためにプロジェクト管理をしたり・・・さまざまな活動が必要になる。
本書では、こうした活動を効果的・効率的に行うためのテクニックを・・・一流コンサルティングファームが昇華させてきた基本中の基本のスキルを・・・マッキンゼー社員も入社一年目に学ぶワザを・・・紹介しているのである。
■問題解決能力を支える基本テクニック
問題解決能力とひと言で言っても、先に触れたとおり、さまざまな技術要素が絡んでくる。そもそもの心構え、課題・仮説設定や仮説検証を行うためのロジカルシンキング能力、それを文書にまとめるドキュメンテーション能力、人に伝えるプレゼン能力、これら活動を間接的に支えてくれるツール(フレームワーク)など、様々だ。こうした要素すべてをバランス良くカバーしているのが本書の特徴だ。
”バランス良く”・・・というところがミソで、フレームワークにしても10個も20個も紹介されているわけではなく、3Cや7S、ポジションマトリックスなど、本当に良く使うであろう4~5つ程度のツール紹介にとどめられている。プレゼン資料のまとめ方についても、何重ものポイントについて触れられているわけではなく、考え方を整理するピラミッドストラクチャーをはじめ、1つ2つの程度の主要ポイントの言及のみにとどめられている。なぜなら、知識武装させることだけが目的ではないからだろう。人は、ややもするとこうした本にテクニックばかりを追い求めてしまいがちである。本書も指摘しているが、3Cや7S・・・など、どんなに立派なフレームワークを使おうが、プレゼンスキルを持とうが・・・一番最初のとっかかりである「どこからどこまでが事実で、どこからどこまでが人(あるいは自分)の意見なのか」を整理する力(雲雨傘の理論)が、しっかり身についていなければ、何の役にも立たないのだと思う。
確かに”内容の濃さ”という観点では、玄人は物足りなさを感じるかもしれないが、そうでない人には、多過ぎず複雑過ぎず難しすぎず・・・ちょうどよい案配と言えるだろう。
■新入社員に読ませたい本
1つだけ気をつけておきたいこととすれば、本書のタイトルにある「入社1年目」というキーワードは、「マッキンゼー社内で1年目の社員がこうした教育を徹底的に施されるよ」というところに由来している点だ。冒頭でも触れたとおり、彼らはエリート中のエリート集団だ。入社1年目・・・あるいは入社前に目を通しておくのが理想的だろうが、こうした類の本を読んだことがない若者であれば、別に、入社2年目でも、5年目でも、手にとってみる価値はあるのではなかろうか。
こういった類の本を読んだことがない方で興味がある方、ビジネスマン初心者や、ビジネスマンでありながらも基礎が弱いんだよな、と思っている方、あるいは新入社員研修を考える人事部門の人々・・・などには参考になる可能性が高い本だ。
【類書】
・質問する力 (大前研一著)
・「正しく」考える方法(齋藤了文、中村光世著)
2013年8月27日火曜日
今日の気付: 日本酒ブームなのに酒米が生産できない裏事情
WEDGE9月号にて、日本酒の獺祭(だっさい)が売れてるけど困っているとの記事を発見。

わたくしの感想)
何とも信じがたい。山田錦をもっと生産してくれっ!と酒造メーカーが頼んでるのに、農水省の「生産数量目標」のせいで、作れないとは・・・。農水省は「そもそも、こうなる制度を望んだのは農家だし、酒造好適米を生産していない農家が不利になるので、彼らは制限解除を望んでいない」と主張するが、以前、不利が起こらないように配慮した仕組みをもって喜多方市が、3度、特区申請を出したが却下されたそう。その理由がなんとも滑稽だ。
「当時は本当に需要があるか確認できなかった」から・・・だというのだ。
需要があるかわからないからこその特区申請なのだと思うが、なんとも腰の重い話に悲しくなるばかりである。まぁ、ほかにも実態は、農水省にとどまらず、その他の色々なステークホルダーが反対しているのだろうけれど・・・。
2013年8月25日日曜日
月刊VOICE9月号「中国バブル崩壊に備えよ」について
月刊VOICE9月号は、「中国バブル崩壊に備えよ」が特集テーマ。
『(新聞やテレビが福島第一原発の所長の功績をたたえる一方、津波対策をおろそかにした面もあったという点について・・・)あまりにひどい誤解だといわざるをえません。そうした報道に接するたび、私は吉田さんがかわいそうに思えてならない。そもそも、吉田さんが津波対策をおろそかにした事実はありません。逆に、津波対策についていちばん積極的だったのは吉田所長です。』
(「追悼・吉田昌郎元所長」における門田隆将氏の発言より)
感想)先日、聞いたTBSラジオ「ボイス!そこまで言うか」にて全く同じことを青山繁晴氏が触れていてそのとき青山氏は、「元所長が吉田元所長が3/11が起こる前に、3/11クラスの津波を想定した防潮堤をつくることに反対したのは事実・・・といっておられた。こちらVOICEでの門田隆将氏の発言を聞くと、いったいどちらが正しいのか、あるいは、どこからどこまでが事実で、どこからどこまでが誰の意見なのか・・・わからなくなってしまった。ただし、少なくとも、吉田元所長は誰よりも被害最小化に尽力した人である・・・ということだけは間違いないという印象を持った。
『肝臓を患った50歳の男性がいる。移植以外に手立てはなく、移植しなければあと1年いきられないかもしれないと医師に宣告されている。血液型が適合するのは弟のみ。血液型が適合すれば兄は助かるだろう。ただし、弟には妻とまだ幼い子供がいる。合併症が起きる可能性もあり、死亡例もゼロではないとなれば、家族が心配だ。だが、移植に同意しなかった場合、弟は兄の死に罪悪感を感じるだろう。兄を救えるのは自分だけ、という場合、弟が最終的に臓器提供に同意したとして、それは完全な自由意志と言えるだろうか』
(「生体臓器移植の悩ましさ」にて、”ドナーは決して強制されて決まるものではない”という考えに対しての最相葉月氏の発言から)
考えたこともなかった。自由意志って、形式ばっかり整えても、満たされないものだな・・・そんな簡単に満たせるモノではないのだな・・・と気づかされた。
『中国経済はいま、イノベーションを起こし、新しい製品を創り出さなければならないステージに達しています・・・(中略)・・・共産党政府と密接に結びついた特定の企業の力が強すぎて、新しい製品を創り出すエネルギーになる競争力が確保されていない。これではいつまで経ってもイノベーションは起こせません。将来的に中国経済には、日本が味わった苦難が大幅に増大されたかたちで表れてくると思います』
(「エリートの既得権が国を滅ぼす」の「先進国の後追いは必ず行き詰まる」というダロン・アセモグル氏の主張より)
中国は近い将来崩壊する・・・と言われて久しいが、その最たる理由として挙げられるのは、やはり共産党の締め付けだ。いまはまだ経済成長が進み、ジワジワではあるが、豊かになっていくのを実感できている間は既存政党をひっくりかえそうという気持ちは起こらないが、成長が止まったとき・・・不満が爆発してひっくりかえる可能性がある・・・というものだ。この話は良く聞いていたが、次の成長のためにはイノベーションが必要なこと、そして、政府の今のやり方がイノベーションを抑制していること、この2点を挙げて中国崩壊に言及する記事は(個人的には)新鮮だった。納得感がある。
『(円谷)社内で「(ウルトラマンティガ・ダイナ・ガイアのいわゆる平成三部作について)一番組当たりの収支をつけていない」という・・・(中略)・・・。ところが、制作費と著者区件収入を対比して精査すると、実際は大赤字でした。作品ごとの収支を管理していないので、出費に歯止めがかからず、経費がどんどん出ていく。』
(「ウルトラマンと中国進出の難しさ」より)
この記事を読んで感じたというより、びっくりしたのは、円谷プロダクションがそんなひどい状況だったという事実だ。また、中国進出の難しさは確かに興味深かったし・・・確かに難しいとは思うが・・・それ以上に、そんなことも予期せずに海外進出しようだなんて・・・失敗するべくして失敗した・・・としか感じられなかった。反面教師の記事にはなったと思う。
『ガダルカナル島から未帰還のパイロットは半分以上が撃墜ではなく、自ら墜落して亡くなったと。なぜか? じつは帰還中、パイロットが疲労のあまり睡魔に襲われ、意識を失ってしまうからです。帰路、横を飛んでいる僚機がすーっと高度を下げていく。零戦には無線がないから起こすこともできない。そうして命を失った戦友の姿を、幾度も見たそうです。』
(ゼロの懸けた祖父たちの思い」渡辺昇一氏と百田尚樹氏の対談から百田氏の発言より)
感想)当時の指揮官や軍部を非難する根拠には枚挙にいとまがないが、「なんなんだろう・・・このむなしさはいったい」といった想いばかりがこみ上げてくる・・・。
『(新聞やテレビが福島第一原発の所長の功績をたたえる一方、津波対策をおろそかにした面もあったという点について・・・)あまりにひどい誤解だといわざるをえません。そうした報道に接するたび、私は吉田さんがかわいそうに思えてならない。そもそも、吉田さんが津波対策をおろそかにした事実はありません。逆に、津波対策についていちばん積極的だったのは吉田所長です。』
(「追悼・吉田昌郎元所長」における門田隆将氏の発言より)
感想)先日、聞いたTBSラジオ「ボイス!そこまで言うか」にて全く同じことを青山繁晴氏が触れていてそのとき青山氏は、「元所長が吉田元所長が3/11が起こる前に、3/11クラスの津波を想定した防潮堤をつくることに反対したのは事実・・・といっておられた。こちらVOICEでの門田隆将氏の発言を聞くと、いったいどちらが正しいのか、あるいは、どこからどこまでが事実で、どこからどこまでが誰の意見なのか・・・わからなくなってしまった。ただし、少なくとも、吉田元所長は誰よりも被害最小化に尽力した人である・・・ということだけは間違いないという印象を持った。
『肝臓を患った50歳の男性がいる。移植以外に手立てはなく、移植しなければあと1年いきられないかもしれないと医師に宣告されている。血液型が適合するのは弟のみ。血液型が適合すれば兄は助かるだろう。ただし、弟には妻とまだ幼い子供がいる。合併症が起きる可能性もあり、死亡例もゼロではないとなれば、家族が心配だ。だが、移植に同意しなかった場合、弟は兄の死に罪悪感を感じるだろう。兄を救えるのは自分だけ、という場合、弟が最終的に臓器提供に同意したとして、それは完全な自由意志と言えるだろうか』
(「生体臓器移植の悩ましさ」にて、”ドナーは決して強制されて決まるものではない”という考えに対しての最相葉月氏の発言から)
考えたこともなかった。自由意志って、形式ばっかり整えても、満たされないものだな・・・そんな簡単に満たせるモノではないのだな・・・と気づかされた。
『中国経済はいま、イノベーションを起こし、新しい製品を創り出さなければならないステージに達しています・・・(中略)・・・共産党政府と密接に結びついた特定の企業の力が強すぎて、新しい製品を創り出すエネルギーになる競争力が確保されていない。これではいつまで経ってもイノベーションは起こせません。将来的に中国経済には、日本が味わった苦難が大幅に増大されたかたちで表れてくると思います』
(「エリートの既得権が国を滅ぼす」の「先進国の後追いは必ず行き詰まる」というダロン・アセモグル氏の主張より)
中国は近い将来崩壊する・・・と言われて久しいが、その最たる理由として挙げられるのは、やはり共産党の締め付けだ。いまはまだ経済成長が進み、ジワジワではあるが、豊かになっていくのを実感できている間は既存政党をひっくりかえそうという気持ちは起こらないが、成長が止まったとき・・・不満が爆発してひっくりかえる可能性がある・・・というものだ。この話は良く聞いていたが、次の成長のためにはイノベーションが必要なこと、そして、政府の今のやり方がイノベーションを抑制していること、この2点を挙げて中国崩壊に言及する記事は(個人的には)新鮮だった。納得感がある。
『(円谷)社内で「(ウルトラマンティガ・ダイナ・ガイアのいわゆる平成三部作について)一番組当たりの収支をつけていない」という・・・(中略)・・・。ところが、制作費と著者区件収入を対比して精査すると、実際は大赤字でした。作品ごとの収支を管理していないので、出費に歯止めがかからず、経費がどんどん出ていく。』
(「ウルトラマンと中国進出の難しさ」より)
この記事を読んで感じたというより、びっくりしたのは、円谷プロダクションがそんなひどい状況だったという事実だ。また、中国進出の難しさは確かに興味深かったし・・・確かに難しいとは思うが・・・それ以上に、そんなことも予期せずに海外進出しようだなんて・・・失敗するべくして失敗した・・・としか感じられなかった。反面教師の記事にはなったと思う。
『ガダルカナル島から未帰還のパイロットは半分以上が撃墜ではなく、自ら墜落して亡くなったと。なぜか? じつは帰還中、パイロットが疲労のあまり睡魔に襲われ、意識を失ってしまうからです。帰路、横を飛んでいる僚機がすーっと高度を下げていく。零戦には無線がないから起こすこともできない。そうして命を失った戦友の姿を、幾度も見たそうです。』
(ゼロの懸けた祖父たちの思い」渡辺昇一氏と百田尚樹氏の対談から百田氏の発言より)
感想)当時の指揮官や軍部を非難する根拠には枚挙にいとまがないが、「なんなんだろう・・・このむなしさはいったい」といった想いばかりがこみ上げてくる・・・。
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2013年9月号月刊VOICE |
書評: 日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方
突然だが、わたしが外国系企業で働いていたときの一場面を述べたい。
日本人の部長が日本人の部下を、大声で叱っていた。怒りが収まらなかったのか、果ては机の上にあったティッシュペーパーをまるめて投げつけていた。その光景は他の従業員からもガラス越しに見てとれた。それを見ていた1人の外国人従業員は次の日に退職届を出してきた。自分もパワハラを受けたのと同然、こんな企業で働きたくない、という理由だ。
これは日本人がグローバル企業で働く際に起きるトラブルのほんの一例に過ぎない。そして、こんな事態に陥らないための虎の巻がここにある( レビュープラス様から献本いただきました)。
日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方
著者: 北山 公一
発行元: 日本実業者出版
『口べたで日系出身企業の私が、15年間のグローバル企業勤務で必死になって身につけた、人を動かす「主張」の技術』・・・帯にはこうある。本書を表すのにこれ以上的確な表現はない。200ページ弱からなるこの本には、グローバル企業での処世術が書かれている。なお、グローバル企業という言葉はやや曖昧なので補足しておくと、より正確には、外国人が多く働く環境・・・すなわち、外資系、外国系、あるいは外国に進出した日本企業の支店や子会社といった方がいいだろう。
そんな本書の中身だが、具体的にはたとえば、「結論ファーストを徹底する」という項がある。ここには、グローバル企業で働くなら、「”結論を先に行ってから理由づけをする”癖を身につけるべし」とのアドバイスが書かれている。また、「上司の指示を疑い、積極的に意見せよ」の項。ここには、「グローバル企業の上司は、部下からの意見があることを当然のことと考えているゆえ、積極的な意見を述べることが重要視される」ことなどが書かれている。
本書の特徴は、2つだ。1つは、非常に易しく読みやすい本であるという点。文中、グローバル企業に多いというマトリックス組織図の解説が入るが、難しいと言ってもせいぜいこの程度で、何の前知識がなくても読める。事実、わたしは1時間で読み終えてしまった。
そして特徴の2点目。グローバル企業で働く日本人なら、絶対に誰もが経験することばかりがカバーされている、という点だろう。私自身、外資系・外国系企業で働いたことがあるが、この本に書かれていることは全て経験している。冒頭で挙げたわたしのパワハラ経験が、まさにその証拠だ。本書にも同様に「”日本流”で叱るとパワハラ扱いされることも」という項で似たようなことが述べられている。
ただし、こうした特徴は本書の魅力であると同時に興味を失わせる理由にもなっている。どういう意味かというと、外国人が働く環境に勤めるのが初めての人には、まずもってこの本に書かれていることを間違いなく経験するわけだから、「どんな心構えで臨めばいいかを学べる」という点で本書は魅力的なのだ。一方で、そういう環境で少しでも働いたことがある人なら、(わたしのように)既に経験したことばかりが書かれているという点で、本書の意議は低いと評せざるを得ない。
しかるに結論だが、グローバル企業(≒外国人が働く環境)で働いた経験がある人には本書は新鮮味がないだろう。本書を手にとるべき人は、グローバル企業で働くことに強い関心がある人、これから勤める予定がある人・・・たとえばグローバル企業に就職が決まった学生諸君や、グローバル企業の子会社社長として出向が決まった人など・・・であれば、参考になるだろう。きっと、冒頭に挙げたわたしの事例に登場する上司も、この本を事前に読んでいたら、従業員の1人がやめてしまう・・・という失敗を犯さずにすんだのかもしれない。
日本人の部長が日本人の部下を、大声で叱っていた。怒りが収まらなかったのか、果ては机の上にあったティッシュペーパーをまるめて投げつけていた。その光景は他の従業員からもガラス越しに見てとれた。それを見ていた1人の外国人従業員は次の日に退職届を出してきた。自分もパワハラを受けたのと同然、こんな企業で働きたくない、という理由だ。
これは日本人がグローバル企業で働く際に起きるトラブルのほんの一例に過ぎない。そして、こんな事態に陥らないための虎の巻がここにある( レビュープラス様から献本いただきました)。
日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方
著者: 北山 公一
発行元: 日本実業者出版
■グローバル企業で働く上での処世術
そんな本書の中身だが、具体的にはたとえば、「結論ファーストを徹底する」という項がある。ここには、グローバル企業で働くなら、「”結論を先に行ってから理由づけをする”癖を身につけるべし」とのアドバイスが書かれている。また、「上司の指示を疑い、積極的に意見せよ」の項。ここには、「グローバル企業の上司は、部下からの意見があることを当然のことと考えているゆえ、積極的な意見を述べることが重要視される」ことなどが書かれている。
■誰もが100%経験することが書かれている
本書の特徴は、2つだ。1つは、非常に易しく読みやすい本であるという点。文中、グローバル企業に多いというマトリックス組織図の解説が入るが、難しいと言ってもせいぜいこの程度で、何の前知識がなくても読める。事実、わたしは1時間で読み終えてしまった。
そして特徴の2点目。グローバル企業で働く日本人なら、絶対に誰もが経験することばかりがカバーされている、という点だろう。私自身、外資系・外国系企業で働いたことがあるが、この本に書かれていることは全て経験している。冒頭で挙げたわたしのパワハラ経験が、まさにその証拠だ。本書にも同様に「”日本流”で叱るとパワハラ扱いされることも」という項で似たようなことが述べられている。
ただし、こうした特徴は本書の魅力であると同時に興味を失わせる理由にもなっている。どういう意味かというと、外国人が働く環境に勤めるのが初めての人には、まずもってこの本に書かれていることを間違いなく経験するわけだから、「どんな心構えで臨めばいいかを学べる」という点で本書は魅力的なのだ。一方で、そういう環境で少しでも働いたことがある人なら、(わたしのように)既に経験したことばかりが書かれているという点で、本書の意議は低いと評せざるを得ない。
■グローバル企業に初めて勤める人に
しかるに結論だが、グローバル企業(≒外国人が働く環境)で働いた経験がある人には本書は新鮮味がないだろう。本書を手にとるべき人は、グローバル企業で働くことに強い関心がある人、これから勤める予定がある人・・・たとえばグローバル企業に就職が決まった学生諸君や、グローバル企業の子会社社長として出向が決まった人など・・・であれば、参考になるだろう。きっと、冒頭に挙げたわたしの事例に登場する上司も、この本を事前に読んでいたら、従業員の1人がやめてしまう・・・という失敗を犯さずにすんだのかもしれない。
2013年8月13日火曜日
アメリカ(ケンタッキー州)&カナダ海外出張記
2013年のお盆の時期に海外出張が入った。約1週間弱のケンタッキー州&1日カナダ滞在になる。東京→シカゴ→シンシナティ(ミシガン州)→現地へ、という経路だ。
2013年8月11日(日)
東京からシカゴへのフライト内で出たJALの朝食。今、大人気のクマもんセットが出だ。つい最近、情熱大陸で、クマもんの親、クリエイター水野学氏の特集を観たばっかりだっただけに、びっくり。
なお、8月のお盆の時期にもかかわらず、シカゴのこのときの気温は18度だった。
シンシナティ空港に到着したのは午後2時半頃。わかってはいるが、日曜日の午前中に東京を出て、16時間近くかけてシンシナティに到着したのに、時間はまだ午後2時過ぎ・・・という事実に、大きな違和感を覚えた。
空港から滞在先のマリオットホテルへ移動。
滞在初日・・・の夜。現地のクライアントにステーキ屋さんに連れて行っていただいた。現地人ならだれもが知っている有名なステーキハウス、マローンズというお店。
どうせ、アメリカの肉はガムみたいなんだろ・・・と思っていたが、どうやらその認識は間違いだったみたいだ。
この店で、カラマリ(イカのフライ)と、オイスターを前菜としてオーダー。メインは、もちろん、ステーキ。
はじめてしったローカルエール。ケンタッキーバーボンビールと呼ぶらしい。アルコール度数は8%と、いっぱんのビールに比べ高い。値段も他のビールに比べるとやや高め。だが、うまい。個人的に気に入った。アメリカでは、いつもサミュアルアダムスばかり呑んでいたが、もし、手に入るのなら、今度からこれもオプションに入れたい。
2013年8月12日(月)
本日の奇妙な発見。ケンタッキー州の法令なのか、オフィスにはトルネードから避難するためのシェルター設置が義務づけられている。スペースがないので、トイレをそのままシェルターとすることが多いのだとか・・・(笑)。
本日の夕食は、日本食。橘(たちばな)というお店。居酒屋だ。
まぁまぁの値段。味も悪くない。
2013年8月13日(火)
ケンタッキー州にいる間の滞在先は Residence in Marriot。アメリカに来ると、たいてい、マリオットかヒルトンか・・・そんな選択肢になるイメージだ。
さすがアメリカ。部屋はほんっと広い。一泊約100ドル。
今日の天気もなかなか。イギリスと同じで平野がひたすら広がり山がないためか、天気はわりとめまぐるしく変わる印象だ。雨は降っても一瞬で止む。
夜はイタリアン。
アメリカらしくやや大味だが、なかなかイケる。
2013年8月15日(水)
本日のお昼は、タイ料理屋さんへ。
グリーンカレーを食す。辛さはばっちし。甘さは・・・ちょっと甘すぎたかなぁ・・・(あくまでも個人的な意見)。
しかし、これまでの脂ぎった食事と変わった風味にちょっと一息・・・。
ケンタッキー州の滞在最終日。バッファローワイルドウィングスという手羽先?・・・がおいしいアメリカンスポーツパブへ・・・。
サラダやナチョス・・・。
おいしい・・・と噂の手羽先群。ややきつい酢の味にむせたが、なかなかイケる。
夜9:00前の空。たそがれ・・・ってやつだろうか。なかなかなもの。
2013年8月16日(木)
朝から、ホテルのジムでジョギングをした。汗をかいたTシャツを急遽洗濯しなければいけなくなり、ホテルのコインランドリーを訪れた。
こちらのコインドリーは、たいてい25セントを4枚要求してくる。
本日は朝からカナダはトロントへの移動だ。ホテルからシンシナティ空港へ1時間かけて移動。搭乗口にて、自分のフライトを待った。
搭乗口で待っているときに、偶然発見したこと。こちらのペットボトルにも、キャップがおちないタイプのものが発売されている。正直、飲みにくい以外の何者でもない。
トロント空港に13:00に到着。そこからレンタカーを借りて、一路目的地へ。こちらは日中でもヘッドライトの灯火が義務づけられているそうな。対向車がみんなライトをつけているのが分かる。
アメリカ同様、広大な土地を持つカナダも、遙か彼方をみわたせる。一面に広がる雲が印象的だった。
本日宿泊予定のホテルは、Kitchenerのヒルトン系列のホテル。とても綺麗で、なによりみんな親切。もちろん、インターネットなどは無料。
夜は、地元(Waterloo)のイタリアンに。JLB(ジャネットリンズビストロの略)というレストランだ。あの有名なスケータージャネットリンのお店かとおもいきや、どうやらこの店を立ち上げたオーナーの奥さんがたまたま同じ名前だっただけらしい。
とにかくここの料理は全ておいしかった。行く予定のある人にはお勧めだ。
ちなみに、こちらがこのお店のメニュー(参考まで)。
お店のホームページは、こちら
2013年8月17日(金)
アメリカやカナダのホテルの朝食には、たいてい、ワッフルマシンがある。どうしても一回くらいは食べておきたくて、つくってみた。
見かけ以上にボリュームがあり、お腹がすぐふくれるので、気をつけられたし。
本日は、時間的余裕があるため、一路Kitchenerから、トロント市街へ向かうことに。
ちなみに朝は通勤時間帯にぶつかると激混みで要注意。普段は45分くらいの距離だが、渋滞につかまると2時間かかる。わたしのときは、休暇中の人も多かったためか、普段に比べるとややすいていた。朝7時にホテルを出発したが、8:20頃には市街へ到着した。
ちなみにタクシー代は200ドル弱といったところだ。
トロントの中心部には、MBA時代の友人が住んでいる。会わいでか・・・。彼が今年の1月に日本にきたときに会っているので、半年ぶりの再会。
市街地を散歩。真ん中に見えるのは、アルカポネも利用したという酒の工場。実際は、工場と右横の銀行の間を地下トンネルでつないでおき、アルカポネは銀行にお金を持ち込んで、そこでお酒を回収。密輸をしていたという。
トンロントの市庁舎は、過去3回くらい移設している。これが現在の市庁舎。なかなかモダンで素敵。
トロントには、船を使って20分くらいでわたれるアイランドがある。これがなかなかナイスだ。船からトロントを振り返ると、なんとなくマンハッタンにいるかのような雰囲気にさせられる。
お昼を友人のSteveと・・・トロントアイランドにて・・・。一瞬、ホリデーのような錯覚をしてしまうぐらい、穏やかで非現実感漂う和む雰囲気。
ハンバーガーを食す。
アイランドから見たトロント市街。まるで絵のような・・・ "Picturesque" とはこのこと。
なんと、アイランドの中央部には、桜の木々が植えてある。
いったいどんな経緯でだれが植えたのか・・・と思いきや、なんとSteveが率いるNPOにて植えたのだそう。題して桜プロジェクト。
桜プロジェクトをたたえたパネル。
夕方18:00トロント発シカゴ行きのフライトにあわせて、トロント空港へ。ついついアルコールに手が伸びる。
2013年8月18日(土)
シカゴ(オヘア)空港のヒルトンホテルにて一泊。このホテル、なんでもかんでも有料サービス。インターネットは1日20ドル(?)する。予約の仕方が悪かったのか、朝食もついてない。
写真は、ホテルの部屋から見た朝焼け。
シカゴ(オヘア空港)ラウンジ内でもらった朝食。朝からビールを飲むことにやや罪悪感を覚えつつ、一方で、はらわたに染み渡るアルコールに恍惚感を覚える。
これにて、今回の旅行は終了。
2013年8月11日(日)
東京からシカゴへのフライト内で出たJALの朝食。今、大人気のクマもんセットが出だ。つい最近、情熱大陸で、クマもんの親、クリエイター水野学氏の特集を観たばっかりだっただけに、びっくり。
なお、8月のお盆の時期にもかかわらず、シカゴのこのときの気温は18度だった。
シンシナティ空港に到着したのは午後2時半頃。わかってはいるが、日曜日の午前中に東京を出て、16時間近くかけてシンシナティに到着したのに、時間はまだ午後2時過ぎ・・・という事実に、大きな違和感を覚えた。
空港から滞在先のマリオットホテルへ移動。
滞在初日・・・の夜。現地のクライアントにステーキ屋さんに連れて行っていただいた。現地人ならだれもが知っている有名なステーキハウス、マローンズというお店。
どうせ、アメリカの肉はガムみたいなんだろ・・・と思っていたが、どうやらその認識は間違いだったみたいだ。
この店で、カラマリ(イカのフライ)と、オイスターを前菜としてオーダー。メインは、もちろん、ステーキ。
はじめてしったローカルエール。ケンタッキーバーボンビールと呼ぶらしい。アルコール度数は8%と、いっぱんのビールに比べ高い。値段も他のビールに比べるとやや高め。だが、うまい。個人的に気に入った。アメリカでは、いつもサミュアルアダムスばかり呑んでいたが、もし、手に入るのなら、今度からこれもオプションに入れたい。
2013年8月12日(月)
本日の奇妙な発見。ケンタッキー州の法令なのか、オフィスにはトルネードから避難するためのシェルター設置が義務づけられている。スペースがないので、トイレをそのままシェルターとすることが多いのだとか・・・(笑)。
本日の夕食は、日本食。橘(たちばな)というお店。居酒屋だ。
まぁまぁの値段。味も悪くない。
2013年8月13日(火)
ケンタッキー州にいる間の滞在先は Residence in Marriot。アメリカに来ると、たいてい、マリオットかヒルトンか・・・そんな選択肢になるイメージだ。
今日の天気もなかなか。イギリスと同じで平野がひたすら広がり山がないためか、天気はわりとめまぐるしく変わる印象だ。雨は降っても一瞬で止む。
夜はイタリアン。
アメリカらしくやや大味だが、なかなかイケる。
2013年8月15日(水)
本日のお昼は、タイ料理屋さんへ。
グリーンカレーを食す。辛さはばっちし。甘さは・・・ちょっと甘すぎたかなぁ・・・(あくまでも個人的な意見)。
しかし、これまでの脂ぎった食事と変わった風味にちょっと一息・・・。
ケンタッキー州の滞在最終日。バッファローワイルドウィングスという手羽先?・・・がおいしいアメリカンスポーツパブへ・・・。
サラダやナチョス・・・。
おいしい・・・と噂の手羽先群。ややきつい酢の味にむせたが、なかなかイケる。
夜9:00前の空。たそがれ・・・ってやつだろうか。なかなかなもの。
2013年8月16日(木)
朝から、ホテルのジムでジョギングをした。汗をかいたTシャツを急遽洗濯しなければいけなくなり、ホテルのコインランドリーを訪れた。
こちらのコインドリーは、たいてい25セントを4枚要求してくる。
本日は朝からカナダはトロントへの移動だ。ホテルからシンシナティ空港へ1時間かけて移動。搭乗口にて、自分のフライトを待った。
搭乗口で待っているときに、偶然発見したこと。こちらのペットボトルにも、キャップがおちないタイプのものが発売されている。正直、飲みにくい以外の何者でもない。
トロント空港に13:00に到着。そこからレンタカーを借りて、一路目的地へ。こちらは日中でもヘッドライトの灯火が義務づけられているそうな。対向車がみんなライトをつけているのが分かる。
アメリカ同様、広大な土地を持つカナダも、遙か彼方をみわたせる。一面に広がる雲が印象的だった。
本日宿泊予定のホテルは、Kitchenerのヒルトン系列のホテル。とても綺麗で、なによりみんな親切。もちろん、インターネットなどは無料。
夜は、地元(Waterloo)のイタリアンに。JLB(ジャネットリンズビストロの略)というレストランだ。あの有名なスケータージャネットリンのお店かとおもいきや、どうやらこの店を立ち上げたオーナーの奥さんがたまたま同じ名前だっただけらしい。
とにかくここの料理は全ておいしかった。行く予定のある人にはお勧めだ。
ちなみに、こちらがこのお店のメニュー(参考まで)。
お店のホームページは、こちら
2013年8月17日(金)
アメリカやカナダのホテルの朝食には、たいてい、ワッフルマシンがある。どうしても一回くらいは食べておきたくて、つくってみた。
見かけ以上にボリュームがあり、お腹がすぐふくれるので、気をつけられたし。
本日は、時間的余裕があるため、一路Kitchenerから、トロント市街へ向かうことに。
ちなみに朝は通勤時間帯にぶつかると激混みで要注意。普段は45分くらいの距離だが、渋滞につかまると2時間かかる。わたしのときは、休暇中の人も多かったためか、普段に比べるとややすいていた。朝7時にホテルを出発したが、8:20頃には市街へ到着した。
ちなみにタクシー代は200ドル弱といったところだ。
トロントの中心部には、MBA時代の友人が住んでいる。会わいでか・・・。彼が今年の1月に日本にきたときに会っているので、半年ぶりの再会。
市街地を散歩。真ん中に見えるのは、アルカポネも利用したという酒の工場。実際は、工場と右横の銀行の間を地下トンネルでつないでおき、アルカポネは銀行にお金を持ち込んで、そこでお酒を回収。密輸をしていたという。
トンロントの市庁舎は、過去3回くらい移設している。これが現在の市庁舎。なかなかモダンで素敵。
トロントには、船を使って20分くらいでわたれるアイランドがある。これがなかなかナイスだ。船からトロントを振り返ると、なんとなくマンハッタンにいるかのような雰囲気にさせられる。
お昼を友人のSteveと・・・トロントアイランドにて・・・。一瞬、ホリデーのような錯覚をしてしまうぐらい、穏やかで非現実感漂う和む雰囲気。
ハンバーガーを食す。
アイランドから見たトロント市街。まるで絵のような・・・ "Picturesque" とはこのこと。
なんと、アイランドの中央部には、桜の木々が植えてある。
いったいどんな経緯でだれが植えたのか・・・と思いきや、なんとSteveが率いるNPOにて植えたのだそう。題して桜プロジェクト。
桜プロジェクトをたたえたパネル。
夕方18:00トロント発シカゴ行きのフライトにあわせて、トロント空港へ。ついついアルコールに手が伸びる。
シカゴ(オヘア)空港のヒルトンホテルにて一泊。このホテル、なんでもかんでも有料サービス。インターネットは1日20ドル(?)する。予約の仕方が悪かったのか、朝食もついてない。
写真は、ホテルの部屋から見た朝焼け。
シカゴ(オヘア空港)ラウンジ内でもらった朝食。朝からビールを飲むことにやや罪悪感を覚えつつ、一方で、はらわたに染み渡るアルコールに恍惚感を覚える。
これにて、今回の旅行は終了。
あまけ(パノラマ写真)
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