2011年5月5日木曜日

震災2ヶ月後の仙台にて

前にも触れたが、私はリスクマネジメントコンサルタントである。お客様が大きな事故・災害に遭遇しても、従業員の命を助け、ひいては事業を速やかに復旧させることができるように、どのような備えをしておけばいいか、支援するのが仕事の1つだ。

当然のことながら、今回の震災を次に活かさなければならない

5月5日こどもの日、とある会社様の暖かいご協力のおかげで、大変貴重な機会を得ることができた。この会社は「ガイアの夜明け」でも取りあげられたお客様だが、工場の8割が今回の津波によって流されるという大きな被害を受けた企業である。にもかかわらず、被災1週間後には、部分的でありながらも、操業を再開させるという快挙を成し遂げたのである。今は、自分たちの会社・・・そして、コミュニティ全体の完全復旧に向けて、社員一丸となって日夜頑張っている。


3つあったはずのタンクのうち2つが流された跡

大被害を被ったにも関わらず、どうやって復活の足がかりをつかむことができたのか、そのヒントを得るためにわたしは現地に向かった。

いずれ別の形で、今回の”学び”についてまとめる予定なので、あえてここには細かい話の内容を書かないが、1つだけ間違いなく言える(と心から感じた)ことは、この会社が早急に操業再開にこぎつけることができたのは、”決して偶然ではなかった”ということだ。

ところで、5月5日の日経新聞朝刊では「堤防といった物理的対策だけに頼る、いわゆる”ハコモノ防災”には限界があることが証明された」と言う記事が掲載されていた。このように今、世間ではしきりに、大災害に対しては「ハード面(物理的な対策)・ソフト面(人的対策)」のどちらか1つだけ整備されていても駄目で、両方揃っている必要がある・・・と叫ばれている。少なくとも今回お話を聞かせていただいたこの会社様は、その両方がバランスのとれた組織であることが、非常に良くわかった。

企業が苦難に直面しても、常に前を向いて歩みを進めることができるよう、ここでの”学び”を、日本全国・・・いや、全世界に広めたい、と心から思う。


宮城県仙台市若林区にて

===追記===
わたしも3年間ほど、仙台市多賀城に住んでいたことがある。今回、この地区を見て回ったが、私が通っていた学校などは高台にあったため、被害を受けていなかった。安心した。

===追記(2011年6月12日)===
我が社のホームページに、本件に関しての”学び”を記事として掲載させていただいた。興味ある方は、ぜひご一読あれ。

想定外を乗り越えたBCPの軌跡~オイルプラントナトリ http://bit.ly/kg9FrU

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