2011年5月16日月曜日

再び繰り返そうとしている過ち

さて、みなさん。事業継続計画(BCP)という言葉をご存じでしょうか?

事業継続計画(BCP)とは、事故や災害などに直面し、事業活動が中断するような事態に陥ったとしても、しっかりと人命を保護し、引いては速やかな事業復旧を行えるようにする・・・そのために平時に策定しておく行動計画(書)のことです。通常、何事もリスクに対しては、リスクを根源から絶ってしまう(例:盗難対策なら、盗難そのものを発生させないように予防策をとる、など)という考え方が主流ですが、BCPの特徴は「・・・でも、発生してしまった場合に(例:でも、盗難されてしまったとしたら)どうするのか?」を考えることにあります。

さて、東日本大震災以後、

『これまで作ってきた事業継続計画(BCP)は失敗だった・・・なぜなら、想定していた被災規模を遙かに超える地震が起きたから・・・。だから、今後のBCPはもっと大規模な被災想定を考慮して・・・』

このような発言をされる専門家の方がいらっしゃいます。

わたしは、想定の精度を上げようとする姿勢は良いことだと思いますが、これまで”作ってきたBCPを失敗”と決めつける発言に対しては、首をひねりたくなります。少なくとも、今回の東日本大震災からの最大の学びの一つは、(すごく当たり前なことですが)「そもそも想定は、滅多に当たらない」ということだと思います。それなのに、また「想定は当たる前提」のBCPを一生懸命に作ろうとしている・・・。

想定の精度を挙げつつ、当たらないことも前提に柔軟に動けるような体制を作っておく・・・そのヒントがハードとソフトのバランスをとるということではなかったか・・・。

そう思えてならないわけです・・・。

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