週刊ダイヤモンド2011年5月14日号の特集は「震災に強い街」だが、もっとも面白く読めたのは(特集ではなかったが)≪News&Analysis≫だ。
■供給能力の底力を発揮した企業、発揮できなかった企業
イオンやイトーヨーカ堂、CGCグループや日本生活協同連合会のように震災直後でも、一定の供給能力を保つことができた企業がある一方で、震災1ヶ月後でも調達に苦労した企業(西友など)があった。「この差は何故なのか?」・・・この核心に迫った4ページにわたる記事だ。
集中や分担によるバイイングパワーのアップ、平時からの決め事・・・など、これら企業がうまく動けた理由を色々と挙げているが、基本はやはり”普段からの備え”ではないだろうか。普段からこうした危機にどう動くか、どうリスクをヘッジするか、そういったことをある程度考えておかなければ、迅速な動きは無理だろうなと思った。
■特集「震災に強い街」について
さて、話を戻して特集「震災に強い街」の話だが、その内訳はざっと以下の通りだ。
- Part 1: 大震災の教訓
- Part 2: 大震災のリスク
- Part 3: 安全・安心の街
- Part 4: 街の復興
≪Part 1: 大震災の教訓≫
東日本大震災で、多くの犠牲者が出る中(2011年5月12日現在、死者行方不明者:24,834人)、多くの命が助かった街が複数ある。そうした事例にこれからの課題解決のヒントを求めようとしている記事だ。
- 他の街よりも高い防潮堤(15.5メートル)を築いていた岩手県普代村
- 低い防潮堤(3メートル)ながら高台に住むことを徹底してきた大船渡市綾里白浜地区
- 避難経路と訓練を徹底してきた岩手県岩泉町、大船渡市
- 徹底した教育で対応した学校(私立釜石東中学校、私立鵜住居小学校)
これは今号の中でも比較的興味深く読めたが、本質的なポイントはこれまで他の雑誌で紹介されてきたことと変わらないと思う。多くの人が助かった秘訣・・・それは、つまりハード(物理的な対策)とソフト(人的対策)の関係だ。ハード8割なら、2割はソフトでカバーしなければいけないし、ハード3割ならソフト7割でカバーしなければいけない、ということだ。
≪Part 2: 大震災のリスク≫
実は、この記事が今号を買ったきっかけである。コンビニでパラッと見たときに、日本の主要都市における液状化や震度予測、水害マップについて結構綺麗にまとめられていたので、思わず買ってしまった。災害における被害予測データなどは、内閣府や国土交通省※、各地方自治体などでインターネット上で簡単に入手することができるが、なかなか、パッと一覧でみることができるようなスマートにまとまったサイトはない。
ただし、この記事が仕事や家庭において素晴らしく役に立つ・・・というものではない。あくまでも個人の興味を満たすためだけのものだ。改めて自分の住んでいる地域、親戚や知人の住んでいる場所が立地的にどうなのか、ぼーっと眺めてしまった、という感じだ。
※例えば、国土交通省では「ハザードマップポータルサイト」なるものを公開している。
≪Part 3: 安全・安心の街≫
ダイヤモンド社お得意のランキング系の記事(震災に強い街ランキング)が載っている。各地方自治体においてどの程度の防災対策が取られているか、被害想定をどこまでしているか、財力はどこまであるか、などといった観点でランキング化したものだ。
ただ、申し訳ないが、個人的には数字や色がゴチャっとしていて意味がわかりづらい。とりあえず自分のいる横浜市を見て「ふーん、普通だな・・・で?」・・・そういった感想しか出てこなかった。
Part4については特に感想はなし。今号については、こんな感じ。
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