2011年4月29日金曜日

日経ビジネス4月25日号「東電の罪と罰」

きついタイトルだな・・・見たときにまずはじめにそう感じた。日経ビジネス2011年4月25日号のテーマは「東電の罪と罰」。福島第一原発問題が終息するまで、メディアでは取りあげられ続けるだろう。


特に印象に残ったのは以下の3つだ。

  • ≪特集≫原発交付金は”麻薬”
  • ≪リーダーの研究≫”震災後”に問われる真価
  • ≪世界鳥瞰≫中国で多発する放射線事故

■≪特集≫原発交付金は”麻薬”

原発交付金の話は、中央公論4月号で読んだ記事とほぼ同じ話だ。違うのは取りあげられている事例対象が中央公論が福島第一原発のある双葉町であるのに対し、日経ビジネスでは柏崎刈羽原発のある柏崎市であるという部分だけだ。いずれの町も、原発をいったん受け入れた後に底なし沼にはまっていった経緯について触れている。

まさに”麻薬”と同じだ。麻薬を打つことを選択した本人(町)にも責任があるが、なによりも、中毒性が強いと分かっていながら麻薬を薦めた者(政府)のほうがよっぽど罪深い。

■”震災後”に問われる真価

ローソンの新浪剛史社長が、東日本大震災に対してどう対応したかについて書かれた記事だ。記事中、氏は以下のように述べている。

『これまで砂に水をまくようなことをやってきました。権限を委譲すると言っても、みんな権限を使い慣れていないんですから。定着するまでに5年はかかりました。・・・(中略)・・・今回の震災対応でも、分かっている奴に、信頼して任せました。・・・(中略)・・・彼らは現地の状況を知っているから、仮説の精度が高いんです。「あのあたりはこうなっているはずだ」と。だから初動が早い。』

この言葉を聞いて『想定を越える危機に直面した際には、階層化された指揮命令系統を遵守することよりも、できる限りフラットな組織体制でトップの明瞭簡潔な指示のもと、その時に動けるグループが自分たちの裁量で臨機応変に動けるようにすることが大事である』と、アメリカのカトリーナ(ハリケーン)災害で対応したThad Allen氏が述べていたことを思い出した。

また、雑誌WEDGE(ウェッジ)5月号でも同じ事が書かれている。とある防衛省関係者は「刻々と変化する事態に臨機応変に対応するタメには、現場の指揮官に十分な権限を与えることが欠かせない」と述べている。チェルノブイリ原発の事故で処理チームを率いた原子力専門家のウラジーミル・アスモロフ氏も次のように述べている。

『問題を検討する場所が現場から離れれば離れるほど、決定が遅くなり状況が悪化する。”権限を持つ危機管理の責任者が東京ではなく実際の現場で指揮をとるべき”ということが日本政府への最も大切な提言である』と。

ただし、新浪氏が指摘しているように、現場に権限を与えるだけではだめで、その権限を使いこなす力量を持たなければ意味がないのだと思う。形だけの行動計画(危機管理マニュアル)を整備することだけに注力せず、どう各人の力量アップを図るか・・・それが我々に課せられた大きな課題の1つだと思う。

■≪世界鳥瞰≫中国で多発する放射線事故

日経ビジネス4月11日号「3・11 不屈の国」の「中国でも原発推進に逆風」という記事の中で、今現在、中国がいかに数多くの原発を建設中であるかが述べられていた。今回の号では、その記事に呼応するかのように、中国のずさんな放射線源管理から、いかに数多く国民が被曝し亡くなっているかについて触れている。記事によれば、中国では88年から98年までの10年間に332件の放射線事故が発生し、966人が被曝した、そうである。

いくら日本の外の話とは言え、ご多分に漏れず、中国の原発は水資源へのアクセスが容易な沿岸部にばかり建設されている。もはや原発は日本国内だけの問題ではないのである。

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