今回の号で割と目についたのが、個人の能力をどう高めるか、自分のブランドをどう高めるか、というテーマ。自分は雇われることを考えていないので、あまり興味がわかずパス。
一方、特に気になって読んだのが以下の記事(注意:和訳は私の主観が入った意訳)。
- The Short Life of Online Sales Leads(オンラインで獲得したセールスリードがいかに短命か)
- In Praise of The Handshake(”握手”を褒め称えて)
- Capitalism for the Long Term(長期的視野の資本主義)
- How eBay Developed a Culture of Experimentation(eBayはどのようにチャレンジ旺盛な文化を醸成したか)
- How a CEO's Injury Helped Him Revitalize His Young Firm(CEOの怪我がどのようにして彼の若い会社をよみがえらせたか)
■The Short Life of Online Sales Leads
(オンラインで獲得したセールスリードがいかに短命か)
この記事では、いまや当たり前ともなっているWEBサイトを介しての問い合わせ・・・この問い合わせに対して、企業がどれだけ早くレスを返しているか、そして、そのレスポンススピードの違いで、どれだけ結果に違いが出ているのか、といったリサーチ結果が紹介されている。ある実験では1時間以内にレスを返した企業と、それよりも長い時間が経ってからレスを返した企業との間で、受注率に7倍の差があったとか・・・。
WEB問い合わせの数、販売している製品・サービスの種類によって、このあたりは見解がかわってくるだろうが、学ぶべき点はある。なかなか参考になった。
■In Praise of The Handshake
(”握手”を褒め称えて)
欧米は契約社会と良く言われる。日本はどうだろうか。この記事の言葉を借りるなら、”握手”社会と言えるかもしれない。そう、何から何まで具体的な数字や文言を持って契約で縛る関係がいいのか、そうではなく、必要最低限の部分だけを契約で縛り、後は、暗黙の了解を持って臨む関係がいいのか・・・この疑問に対してスポットライトを当てた記事だ。記事は、契約重視の姿勢をとった際の失敗事例を挙げつつ、契約重視に進みつつある社会に警告を出している。曖昧さが作る関係もいいものだと・・・。
思うに”具体的な数字や文言を持って契約をすること”は決して悪くないことだろうが、そこで定める数字や文言自体、そもそも公平性や完璧性を持って規定できるものではないはずなので、全てにおいて、そういったものを拠り所にした関係は、当然、いい結果を得られないのだろうと思う。
■Capitalism for the Long Term
(長期的視野の資本主義)
先日読んだ大前健一氏の「大前健一の新しい資本主義の論点」でまとめられた論文に、一貫してでてきたテーマの1つに「これからは株主資本主義ではなく、ステークホルダー資本主義が台頭する」というものがあったが、この記事もその類だ。つまり、短期的な利益を追求する株主が幸せになることだけを考えて企業活動を行うべきではなく、より広範なステークホルダー(たとえば従業員や地域社会など)の幸せを考えて企業活動を行うべきだというわけだ。
こういった長期的視野を持つことの大切さは何も企業に限った話ではなく、国家レベルの活動にも当てはまるものだと思う。記事中の「韓国のミョンバク大統領が、マッキンゼー社に向こう60年の韓国の展望についてアイデアを出してくれてと依頼してきた」という事例が印象に残った。日本は、とてもとても60年という長期的な展望を持った戦略的な動きは全くできていないように思うが、どうなんだろうか。
■How a CEO's Injury Helped Him Revitalize His Young Firm
(CEOの怪我がどのようにして彼の若い会社をよみがえらせたか)
この記事は実は結構ありがちな話ではある。成長する可能性が十分に秘めた会社であったにも関わらず、それをとりしきるワンマン若手社長がいた。権限委譲を渋り、仕事を一人でかかえる傾向があったため、会社は成長するどころか、社長の身に何かあれば、つぶれるリスクを多分に持っていた。そんなある日、不運?にも社長が交通事故にあい、まわりに頼って仕事をせざるをえない事態に直面。この経験を通じて、社長は人に頼ることを覚え、会社は成長し始めた・・・そんな話である。
「他人の振り見て我がふり直せ」とは良く言ったもの。自分にもマネジメントとして、十分に社員に仕事を振れてない部分があると思っている。自戒の意味も込めて、この記事をここにとりあげた。
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